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育成馬ブログ(生産③)

“第二の離乳”~コンパニオンホースと引き離す際の影響~

 

 前回、当ブログでは離乳時にコンパニオンホースを導入すると当歳馬の体重減少が小さくなることを報告しました。

https://blog.jra.jp/ikusei/2019/10/post-76f0.html

 その過程で海外の文献を調べていくうちに、興味深い記載を発見しました。「コンパニオンホースと当歳馬を引き離す際に、離乳時と同等のストレスがかかる。」とのことです。

https://ker.com/equinews/common-methods-weaning-horses/

 そこで、今回は“第二の離乳”とでも呼ぶべき当歳馬からコンパニオンホースを引き離す際の影響について、前回と同じく体重減少を比較することで考察していきたいと思います。

 

○コンパニオンホースと引き離す際の当歳馬の体重減少

 JRA日高日高育成牧場では2013年から離乳時のコンパニオンホースの導入を始めました。そこで2013年以降に当場で生まれた当歳馬のうち、データが残っていた31頭のコンパニオンホースを引き離す前の体重と引き離した後の体重を比較しました。その結果、平均して体重は0.35kg増加していました。前回お示ししたとおり、離乳時は体重が減少するものであり、その平均値はコンパニオンホース導入前は4.54kg、導入後は2.72kgでした。統計学的に解析しても、減少幅は有意に少ないことがわかりました。

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図1 当歳馬の体重減少の比較

 

○“第二の離乳”で体重が減少した当歳馬もいる

 平均するとプラスでしたが、中には体重が減少した当歳馬もいました。図2にその内訳を示しますが、最大で4kgも体重減少した当歳馬もいました。

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図2 “第二の離乳”での当歳馬の体重減少の内訳

 以上のことから、当歳馬からコンパニオンホースを引き離す“第二の離乳”について、多くの場合は問題ないが中には注意しなくてはならない当歳馬もいる、というのが結論になりそうです。結局のところ、当歳馬を日頃からよく観察し、離乳時には個別にケアしてあげることが大切だと考えます。

活躍馬情報(事務局)

11月16日(土)福島1R(2歳未勝利)では、日高育成牧場で育成されたプレジールドビブル号が、最後の直線で豪快な末脚を見せ、うれしい初勝利を挙げました!

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11月16日(土)3回福島5日目4R 2歳未勝利 ダート 1,150m

プレジールドビブル号(カワイコチャンの17) 牡

〔厩舎:竹内正洋(美浦) 父:ワールドエース〕

 

11月17日(日)福島7R(3歳以上1勝クラス)では、日高育成牧場で生産・育成されたファイブフォース号が、3勝目を挙げました!

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11月17日(日)3回福島6日目7R 3歳以上1勝クラス 芝 1,200m

ファイブフォース号(バクシンスクリーンの14) 牝

〔厩舎:高橋裕(美浦) 父:アルデバラン〕

 

11月17日(日)東京7R(3歳以上1勝クラス)では、日高育成牧場で育成されたフローラルパーク号が、1番人気に応え2勝目を挙げました!

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11月17日(日)5回東京6日目7R 3歳以上1勝クラス ダート 1,300m

フローラルパーク号(フェアノータムの16) 牝

〔厩舎:加藤征弘(美浦) 父:ヘニーヒューズ〕

 

今後のさらなる活躍を期待しております。

活躍馬情報(事務局)

11月10日(日)福島4R(障害未勝利)では、日高育成牧場で生産・育成されたファイアプルーフ号が、最終障害飛越後に他馬を突き放し大差で勝利。障害競走8戦目にしてうれしい障害初勝利を挙げました!

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11月10日(日)3回福島4日目4R 障害3歳以上未勝利 芝 2,750m

ファイアプルーフ号(ビューティコマンダの15) 牡

〔厩舎:根本康広(美浦) 父:ケイムホーム〕

 

今後のさらなる活躍を期待しております。

活躍馬情報(事務局)

11月2日(土)福島4R(障害未勝利)では、日高育成牧場で育成されたケイココサージュ号が、障害競走3戦目でうれしい初勝利を挙げました!

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11月2日(土)3回福島1日目4R 障害3歳以上未勝利 芝 2,750m

ケイココサージュ号(シークレットコサージュの15) 牝

〔厩舎:高柳大輔(美浦) 父:ヘニーヒューズ〕

 

今後のさらなる活躍を期待しております。