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    <title>馬の資料室（日高育成牧場）: 栄養</title>
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    <updated>2026-07-25T17:16:23+09:00</updated>
    
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        <title>腸内細菌叢は競走馬のパフォーマンスに影響を及ぼすのか!?</title>
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        <published>2026-07-25T17:16:23+09:00</published>
        <updated>2026-07-25T17:17:53+09:00</updated>
        <summary>はじめに 競走馬のパフォーマンスは、筋肉や心肺機能だけでなく、消化器官の中に棲む...</summary>
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            <name>日高育成牧場生産育成研究室</name>
        </author>
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="栄養" />
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<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><span style="font-size: medium;"><strong>はじめに</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">競走馬のパフォーマンスは、筋肉や心肺機能だけでなく、消化器官の中に棲む腸内細菌（腸内細菌叢）にも影響を受けることが指摘されています。腸内細菌は、馬の盲腸や結腸において植物繊維を発酵分解し、揮発性脂肪酸（VFA）を生成します。VFAは分子量の小さな脂肪酸で、主に酢酸、酪酸、プロピオン酸が含まれ、馬はこれらをエネルギー源として利用します。また、腸内細菌によってビタミンB群やビタミンKが合成されることも知られており、栄養供給以外にも様々な有益な役割があると考えられています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>ヒトのアスリートにおける腸内細菌叢</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">ヒトでは「腸活」という言葉に象徴されるように、腸内細菌は健康に大きな影響を与えるとして注目されています。さらに、ヒトのアスリートにおいても、腸内細菌がパフォーマンスに及ぼす影響に関心が持たれ、様々な調査・研究が行われています。腸内細菌叢とは、腸内に棲む何百～何千種類もの細菌の共同体を指します。この腸内細菌叢における菌の種類数の多さは多様性と呼ばれ、単に種類が多いだけでなく、それぞれの菌種がある程度の数存在するときに「多様性が高い」とされます。ラグビーやマラソン選手などのアスリート集団は、一般人と比べて腸内細菌叢の多様性が高いことが報告されています。ヒトの腸内細菌も馬ほど大量ではありませんが、脂肪酸を生産することができます。腸内細菌叢の多様性が高いと、脂肪酸生成の元となる物質の選択肢が増えると考えられています。例えば、細菌の種類が少ない場合は物質Aからしか脂肪酸が生成されませんが、種類が多いと物質Aだけでなく物質Bからも生成できるため、全体としてより多くの脂肪酸が作り出せるという考え方です。また、腸内細菌にはウイルスや病原菌に対抗する免疫的な役割があり、多様性が高いほど免疫力も高まると考えられています。ただし、多様性が高かったからアスリートになれたというわけではなく、むしろ日々の運動や食事を続けた結果、腸内細菌叢の多様性が高まったと考えられます。少なくとも、アスリートにとって腸内細菌叢の多様性が高いことは望ましいと言えるでしょう。一方、特定の腸内細菌がパフォーマンスに影響する可能性を報告した研究もあります。各選手の腸内に棲む特定の菌種（MethanosphaeraやMitsuokella）の数と、酸素の最大取り込み量（VO<sub>2max</sub>）の間に正の相関関係があったことが報告されました。これは、これらの菌種が多かった選手ほど、有酸素能力が高かったことを示しています。この菌種に運動能力を向上させる機能があると断定はできませんが、腸内細菌とパフォーマンスの間には何らかの関係がある可能性が高まったと言えます。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>競走馬に関する研究結果</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">馬についても、腸内細菌がもたらすパフォーマンスへの影響に関心が持たれ、いくつかの研究結果が報告されています。韓国馬事会（KRA）に所属するサラブレッド競走馬を、独自の競走成績によるレーティングスコアの高いグループ（成績優群）と低いグループ（成績劣群）に分けて糞中の腸内細菌叢を調べたところ、良群は悪群に比べて有意に腸内細菌叢の多様性が高いことが分かりました（図１）。済州馬の競走馬についても同様の結果が得られています。また、当歳時の腸内細菌叢の多様性と、3歳時までのレーティングスコアや獲得賞金の競走成績との間に有意な正の相関があったことが報告されています（図２）。また、当歳時に多様性が低い馬ほど、生涯で呼吸器疾患を発症するリスクが高かったことも示されています。さらに他の研究では、競走馬は他の馬に比べて酪酸生成に関係する細菌の数が多く、これはヒトのアスリートと同様であることが報告されています。この研究では、マウスに酪酸を摂取させたところ、運動能力や骨格筋の機能が向上することが確認されました。このことから、馬においても酪酸を生成する腸内細菌を増やすことがパフォーマンス向上に役立つ可能性があると考察されています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>腸内細菌叢は気性にも影響する</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">腸は「第二の脳」と呼ばれることがあります。腸と脳は「腸―脳軸」と呼ばれる関係性を持ち、神経系、免疫系、内分泌系が互いに情報をやり取りしています。そのため、腸の状態が脳や感情、行動に影響を与える経路があることが知られています。腸の状態は主に腸内細菌叢の影響を受けます。そのため、腸内細菌叢が間接的に感情や行動に影響を及ぼす可能性があるとして注目されています。最近では、馬においても、腸内細菌叢と気性や行動の関係について研究が行われています。その中で、気性の異なる馬では腸内細菌叢が異なることや、さく癖の有無によっても腸内細菌叢に違いが見られることなどが報告されています。また、濃厚飼料を多く与えられた馬では気性が荒くなることが広く知られていますが、これも摂取する飼料が腸内細菌叢に影響を与えることと関係している可能性があると考えられています。競馬のパフォーマンスには気性が大きく影響すると言われているため、この分野における腸内細菌の役割についても非常に関心が寄せられています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>おわりに</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">腸内細菌叢はその構成によって競走馬や後期育成馬に有用な効果をもたらす可能性があることから、今後の研究に大いに期待したいと考えています。特に、当歳時の腸内細菌叢が将来のパフォーマンスに影響を及ぼすという研究結果は、「強い馬づくり」のための飼養管理に新しい視点をもたらす可能性があります。一方で、「腸内細菌の研究は、まるで宇宙研究のようだ」と形容されるくらい複雑な分野でもあります。たとえ理想的な腸内細菌叢が解明されたとしても、外部から細菌や栄養源を摂取させるだけでそれが実現できるとは限らず、実際には多くの困難があると考えられています。いずれにせよ、今後の研究の進展が期待される分野です。新たな情報があれば、今後も皆様にお伝えしていきたいと考えています。</span></p>
<p style="text-align: left;"><span style="font-size: medium;">日高育成牧場　松井朗</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2026/07/25/1.png" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=778,height=1194,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-60245137" style="width: 300px; display: block;" title="1" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2026/07/25/1.png" alt="1" /></a>図1. 当歳時の腸内細菌叢の多様性と競走期の競走成績との関係（J. Leng et al. Sci Rep. (2024))</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2026/07/25/2.png" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=1200,height=709,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-60245139" style="width: 300px; display: block;" title="2" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2026/07/25/2.png" alt="2" /></a> 図2　成績の異なるサラブレッド競走馬における腸内細菌叢の多様性（Taemook Park et al. J Anim Sci Technol (2024))</span><br /><br /><br /></p>
<p></p></div>
]]>
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    </entry>
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        <title>飼料に対する嗜好性に影響する要因は？</title>
        <link rel="alternate" type="text/html" href="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/2025/11/post-7311.html" />
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        <id>tag:bb.lekumo.jp,2003:post-60020954</id>
        <published>2025-11-21T10:56:34+09:00</published>
        <updated>2026-03-20T10:20:43+09:00</updated>
        <summary>はじめに 読者の皆様は好きな食べ物はありますか？　ほとんどの方には好物の食べ物は...</summary>
        <author>
            <name>日高育成牧場生産育成研究室</name>
        </author>
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="栄養" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="馬事通信" />
        
        
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<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><span style="font-size: medium;"><strong>はじめに</strong></span><br /><span style="font-size: medium;">読者の皆様は好きな食べ物はありますか？　ほとんどの方には好物の食べ物はあり、中には好物が多すぎて一つに絞れない方もいらっしゃるかもしれません。食べ物が好きな度合は嗜好性という言葉で表現されますが、食の嗜好性はどのような要因によって形成されるのでしょうか？　私たちが好物に対して嗜好性が高い理由を尋ねられたとき、「美味しいから」という答えが多いかもしれません。もちろん嗜好性には味覚も影響していますが、食べ物に含まれる栄養も嗜好性に影響を及ぼしているとされています。喫食したことにより生理的に欲求する栄養素が充足され、そのことが脳内に記憶されることで、その食べ物に対する嗜好性が高くなるとされています。すなわち、“体が喜ぶ食べ物を食べたくなる”ということなのかもしれません。</span><br /><span style="font-size: medium;">　馬は乾草などの粗飼料に比べて燕麦などの濃厚飼料への嗜好性が高く、同じ粗飼料でもチモシーなどのイネ科牧草に比べ、マメ科牧草であるルーサンの嗜好性が高いことを私たちは知っています（写真）。しかし、馬の嗜好性について十分には解明されていません。今回は、嗜好性に関するいくつかの研究から、現在までに知られている馬の嗜好性に影響を及ぼす要因について紹介いたします。</span><br /><span style="font-size: medium;">　</span><br /><span style="font-size: medium;"><strong>栄養と嗜好性の関係</strong></span><br /><span style="font-size: medium;">　ヒトやラットおよび反芻動物（ウシやヒツジなど）の研究において、栄養価の高い食事や飼料に対して嗜好性が高いことが分かっています。これは必要な栄養が、消化管から取り込まれることと関係があるとされています。前述したように、栄養が取り込まれることでプラスの情報が脳に記憶されるためであり、これは“食欲に対するポジティブ・フィードバック”（以下　ポジティブ・フィードバック）と呼ばれます。ちなみに食べた結果、体調が悪くなるなどの影響があった場合、その食べ物にトラウマを持つような意識的な記憶と別に、“食欲に対するネガティブ・フィードバック”といわれる嗜好性が低下するような現象もあるようです。</span><br /><span style="font-size: medium;">ヒトやラットなどは栄養の吸収部位は主に小腸となりますが、馬は後腸発酵動物と呼ばれるように小腸の後部となる大腸で栄養を吸収するよう進化してきました。小腸に比べて大腸で栄養が吸収されるタイミングは、喫食後からの時間経過が大きいため、馬ではポジティブ・フィードバックが起こりにくいのではと考えられてきたようです。図1に馬においてタンパク質、糖質および脂質が高濃度に含まれた飼料と対照としてヘイレージ（水分が50％以下のサイレージ）の嗜好性を比較した成績を示しました。試験は給与開始した最初の9日間（ステージ１）とその後の9日間（ステージ2）に分けられますが、ステージ１では各飼料の採食量に差はありませんでしたが、飼料摂取を経験させるとステージ２では高タンパク質および高糖質飼料の採食量が多くなりました。これは、タンパク質および糖質摂取によるポジティブ・フィードバックが、これらの飼料の嗜好性が高くなった原因であると考察されています。このように馬においても嗜好性への“ポジティブ・フィードバック”があると考えられますが、なぜ高脂質飼料の嗜好性は低かったのでしょうか？　脂質も小腸で吸収されるのですが、馬では脂質の給与量が多いとき脂質分解酵素が適正に分泌されるようになるまでの期間が長く（給与開始から約3～4週間後）、試験期間中に脂質が十分に分解吸収されなかったためであると考えられています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>香りと嗜好性の関係</strong></span><br /><span style="font-size: medium;">　馬はニンジンが好物とされていますが、ほとんどの馬は生まれて初めて見たニンジンに齧りつくことはありません。馬は初見の物に対してネオフォビア（新奇性恐怖）があり初めて見る飼料に口を付けたがりませんが、これは自然界で毒性の植物などを食べることがないための生来の習性であるとされています。しかし、馴染みのある香りをつけた初見の飼料に対して、馬はどのような行動をするでしょうか？　笹の葉にルーサンの香りをつけたときに、嗜好性に及ぼす影響について調べた研究が報告されています。試験は9日間連続で実施し、ルーサンの香りを付けた笹の葉（“ルーサン香りあり”）と香りを付けていない笹の葉（“香りなし”）を同時に給与し、総採食量に対するそれぞれの笹の葉の採食割合で嗜好性が比較されました（図2）。ちなみに、試験馬が笹の葉を飼料として給与されたのは初めてです。1日目から5日目は馬が食べた笹の葉のほとんどは“ルーサン香りあり”でしたが、6日目以降から“香りなし”の採食量も増加していき、馬たちが笹の葉に馴れてきたため考えられました。このように香りは嗜好性に影響を及ぼしますが、その効果は長期的ではないのかもしれません。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>馬は甘党!?</strong></span><br /><span style="font-size: medium;">　ヒトには五味（「甘味」、「塩味」、「酸味」、「苦味」、「うま味」）と呼ばれる５つの基本的な味覚があるとされていますが、この中で馬が感じることの味覚は「うま味」を除いた4つとされています。馬の「甘味」、「塩味」、「酸味」、「苦味」の嗜好性について調べた報告がありますが、異なる化合物を水道水に溶解して各味覚の溶液をつくりそれぞれの飲水量から嗜好性を調べました。味覚溶液と無味覚である水道水を一定時間、馬房内に同時に配置し、総飲水量（味覚溶液＋水道の飲水量）に対する味覚溶液の飲水量の割合によって嗜好性を評価しています。すなわち、味覚溶液の飲水割合が50％であったとするとその味覚の嗜好性は水道水と同じということになり、50％を超えると水道水より嗜好性が高かったということになります。さら溶液の味覚溶液の濃度を変化させ味覚の嗜好性が調べられました（図3）。「塩味」、「酸味」、「苦味」は濃度が高くなるにつれ飲水割合（嗜好性）が減少する一方、「甘味」は濃度が高くなると飲水割合が増加しました。このことから馬は「甘味」に対する嗜好性が高いことが分かります。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>おわりに</strong></span><br /><span style="font-size: medium;">　　このように嗜好性には様々な要因が影響を及ぼしますが、香りや味覚などの感覚的なものに比べ栄養（糖質やタンパク質）がより大きく嗜好性に影響すると考えられています。難しい分野ではありますが嗜好性を知ることは、馬への適切な栄養管理とって重要であると考えています。今後も機会があれば嗜好性に関する情報を、発信していきたいと考えています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">日高育成牧場　首席調査役　松井　朗</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2025/11/21/1.jpeg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=907,height=1200,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-60061415" style="width: 300px; display: block;" title="1" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2025/11/21/1.jpeg" alt="1" /></a>写真　濃厚飼料の摂取風景</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2025/11/21/2.jpeg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=1200,height=921,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-60061418" style="width: 300px; display: block;" title="2" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2025/11/21/2.jpeg" alt="2" /></a></span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2025/11/21/3.jpeg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=1200,height=862,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-60061419" style="width: 300px; display: block;" title="3" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2025/11/21/3.jpeg" alt="3" /></a></span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2025/11/21/4.jpeg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=1200,height=858,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-60061420" style="width: 300px; display: block;" title="4" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2025/11/21/4.jpeg" alt="4" /></a></span></p>
<p></p>
<p></p></div>
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        <title>当歳馬の腸内細菌叢の形成について</title>
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        <published>2025-05-02T16:01:33+09:00</published>
        <updated>2025-07-28T11:08:42+09:00</updated>
        <summary>はじめに 　私たちヒトの腸内には莫大な数と種類の細菌が生息し、この腸内の細菌の集...</summary>
        <author>
            <name>日高育成牧場生産育成研究室</name>
        </author>
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="初期育成" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="栄養" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="馬事通信" />
        
        
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<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><span style="font-size: medium;"><strong>はじめに</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　私たちヒトの腸内には莫大な数と種類の細菌が生息し、この腸内の細菌の集合体は腸内細菌叢（腸内フローラ）と呼ばれます。近年、この腸内細菌叢のアンバランス（特定の腸内細菌の過度な増減）は、循環器系疾患、リウマチ、うつ病、癌など様々な疾患の発症と関連していることが報告され、腸内細菌叢の健康に及ぼす影響が非常に大きいことが分かっています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">一方、草食動物であるウマの主食となる植物繊維はウマの消化酵素で分解できず、大腸内に生息する腸内細菌が植物繊維を発酵させ、消化管から取り込める物質（揮発性脂肪酸）につくり変えてくれることで栄養として取り込むことが可能となっています。そのため、ウマにとっても腸内細菌叢の健康に及ぼす影響は大きく重要と考えられています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">また、当歳馬は免疫機能が十分に発達しておらず、成馬に比べて病原菌等への防御力は脆弱であるとされています。腸内細菌には、体外から消化器官に侵入した病原菌やウイルスを攻撃する免疫的な役割があることも知られています。このことから、当歳馬にとって免疫機能としての腸内細菌叢の役割は大きいと考えられます。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">しかしながら、ウマの腸内細菌に関する研究の歴史は浅く、未だに多くのことが解明されていいないのが現状ですが、今回は、出生直後の当歳馬（新生子馬）の腸内細菌叢の形成に関する情報をまとめてみることとしました。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>新生子馬の腸内細菌叢</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">新生子馬の腸内には腸内細菌が存在しているのでしょうか？　出生から10～20分以内に肛門から直接採取した胎便（胎児期に蓄積した糞）中には、細菌がいることが報告されています。子宮内の胎子は無菌状態（感染などがない場合）にあり、羊水や羊膜には細菌が存在しないと考えられています。そのため胎便中の腸内細菌は、産道や馬房内から経口で取り込んだ細菌に由来すると考えられています。しかし、近年の研究においてウマの羊水中には細菌が存在し、胎便の腸内細菌叢と羊水内の細菌叢が類似していることから、腸内細菌の一部は胎子期に獲得された可能性があると考察されています。ちなみに細菌叢の類似は、細菌叢内の細菌の種類や全体に対するそれぞれの細菌の存在割合などから統計的に解析されます。ヒトでも胎児は子宮内で無菌状態であるとされていましたが、最近の研究で羊水や羊膜に細菌が生息していたとの報告もあり、子宮内が無菌であるか否かは意見が分かれているようです。このように細菌の獲得経路は不明なものの、出生の早い段階で子馬の腸内において細菌叢が形成されていることは確かなようです。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>腸内細菌叢と母乳の関係</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">新生子馬の腸内細菌叢は、非常に短期間で変化することが知られています。母乳および乳房には様々な細菌が存在しており、それらを母乳と共に摂取することで新たな腸内細菌叢が形成されていくと考えられています。特に生後24時間の腸内細菌叢の変化が大きく、初乳は子馬に免疫グロブリンや多量の栄養を供給するだけではなく、含まれる細菌により新たな腸内細菌叢形成に貢献していると考えられています。その後も徐々に腸内細菌叢は変化していき、1～2週齢の子馬の腸内細菌叢は、母乳中の細菌叢と類似していることから、この時期の腸内細菌叢は母乳中の細菌の影響が大きいと考えられています。また、母乳に由来した栄養分を腸内細菌が利用することも、腸内細菌叢が変化する要因のひとつであるとされています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>食糞行動</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">生産者の皆様は、子馬が母馬の糞を食べる場面を何度か目にしたことはあると思いますが、食糞行動は当歳馬が腸内細菌を獲得する方法の一つであるとされています。食糞行動はおおよそ3日齢から開始され、徐々に回数が増加していき14日齢で最も多くなることが報告されています。食糞行動の開始時期や回数などは個体により異なり、全ての個体が必ず食糞行動をしているのかは分かっていません。しかし、食糞行動を観察した試験では対象となる全ての子馬が、食糞行動をしていたことが報告されおり、ほとんどの子馬は食糞行動をすると考えられます。母馬の糞中には繊維分解する機能を有する細菌が含まれており、それを摂取することで腸内に繊維分解細菌を定着させるとされています。海外の研究において生後12時間、3日齢、7日齢、14日齢、21日齢における糞中の繊維分解細菌数を調べたとき、7日齢から急激に繊維分解細菌数が増加し、21日齢にはさらに増加したことが報告されています（図１）。図２には、同じ研究における成長に伴う糞中の繊維（NDF:中性デタージェント繊維）含量の変化を示しましたが、糞中の繊維含量は牧草に由来するものであり、繊維含量が高いほど牧草の採食量が多いことが分かっています。糞中の細菌は腸内細菌を反映するとされており、7日齢以降に腸内の繊維分解細菌数が増加したことが示されました。この研究では、同時に食糞行動も観察されており、全ての子馬で食糞行動が２から5日齢から開始されていたことから、7日齢から腸内の繊維分解細菌の増加は食糞行動によるものであると考察されています。そして腸内の繊維分解細菌が増加することに伴い牧草採食量、すなわち植物繊維の摂取量も増加し、その後さらに腸内の繊維分解細菌が増加したと考えられています。このように当歳時の食糞行動は、牧草を主食として摂取するウマにとって重要な行動であると考えられます。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>発情下痢</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">多くの子馬において5～15日齢頃に見られる一過性の下痢は、発情下痢として知られています。発情下痢は、母馬の分娩後の初回発情と時期が被ることが多く、かつては母馬の発情と関連して母乳成分が変化することによる下痢ではないかと考えられていたそうです。しかし、この下痢は母馬の発情とは無関係であり、母乳以外の飼料などが原因であると考えられています。早い個体であれば1日齢くらいから母馬の真似をして、牧草や敷料などを口に入れるなどの行動を開始します。この時期の子馬は、飼料として牧草などを口に入れているわけではありませんが、一部は飲み込んでしまい腸内に達した結果、細菌叢に影響を及ぼし下痢を発症するのではないかと考えられています。感染性の下痢でなければ、発情下痢は数日で治まることから、下痢止めなどの処置は不要とされています。発情下痢は成熟した腸内細菌叢が形成される一つの過程であるという見解から、発情下痢を緩和させるために生菌を含むサプリメントなどを処方することは、適正な腸内細菌叢形成の妨げになるのでは？という意見もあるようです。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　</span></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2025/05/02/1.jpeg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=1200,height=675,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"></a></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>おわりに</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">子馬は出生直後から体の成長だけでなく、接する様々な新しい環境に適応できるように腸内細菌叢も変化していきます。腸内細菌は消化器官の発達にも関与しており、腸内細菌が健常に活動することが健康な発育につながると考えています。腸内細菌は難しい分野であり不足している情報も多いですが、腸内細菌を理解することが「つよい馬づくり」の一助になることを期待しております。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2025/05/02/1_2.jpeg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=1200,height=675,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59886641" style="width: 300px; display: block;" title="1_2" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2025/05/02/1_2.jpeg" alt="1_2" /></a></span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2025/05/02/2.jpeg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=1200,height=675,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59886642" style="width: 300px; display: block;" title="2" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2025/05/02/2.jpeg" alt="2" /></a></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">日高育成牧場　首席調査役　松井朗</span></p>
<p></p></div>
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    </entry>
    <entry>
        <title>馬胃潰瘍症候群</title>
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        <id>tag:bb.lekumo.jp,2003:post-59969732</id>
        <published>2025-04-01T12:55:42+09:00</published>
        <updated>2025-07-28T11:07:36+09:00</updated>
        <summary>今回は消化器官の疾患としてしばしばみられる馬胃潰瘍症候群についてご紹介いたします...</summary>
        <author>
            <name>日高育成牧場生産育成研究室</name>
        </author>
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="栄養" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="馬事通信" />
        
        
<content type="html" xml:base="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/">
<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><span style="font-size: medium;">今回は消化器官の疾患としてしばしばみられる馬胃潰瘍症候群についてご紹介いたします。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">馬胃潰瘍症候群（EGUS）とは、馬の胃の潰瘍の総称です。馬においては扁平上皮性胃疾患がよくみられます。EGUSは野生馬、人の管理下にある馬の両方で一般的な疾患です。なかでも競走馬の有病率はとても高く、80～90％と報告されており、競走馬の職業病とも言えます。臨床症状は軽度の疝痛や食欲不振、体重減少、毛艶の悪化などが挙げられます。またEGUS発症馬は有酸素運動能力が低下するとの報告（Nieto et al., 2009）もあり、食欲不振に伴うパフォーマンスの低下が顕著にみられます。EGUS発症の直接的な原因は胃酸の胃粘膜への曝露ですが、それには飼養管理やストレス、電解質や抗炎症薬の投与などいくつかの要因が関連しています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">野生馬と比較して管理下にある馬は有病率が高いことから、飼養管理が大きく関連していると考えられます。野生馬は1日のうち12～20時間を採食に費やし、胃酸を中和するはたらきをもつ唾液を多量に分泌します。しかしながら舎飼されている馬は採食時間が短く、唾液の分泌量は1/3程度まで低下してしまいます。それによって胃内が空の時間が長くなること、また胃酸が中和されにくいことからEGUSを発症すると考えられています。さらに、競走馬は激しい運動（走行）によって内臓が圧迫されることによって胃粘膜への胃酸曝露が増加し、EGUSを発症しやすいと考えられています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">上記のような飼養管理方法の違いに加え、食餌内容もEGUSの発症に大きく関係しています。2013～2018年にベルギーで実施された調査によると、EGUS発症馬は非発症馬と比較して体重あたりの糖とデンプンの摂取量が有意に多かった（P&lt;0.001）ことが報告されています（図1、Galineli et al. 2019）。また2022年には、高デンプン飼料（デンプン含有率50％）を与えられた馬は高繊維飼料（デンプン含有率20％）を与えられた馬と比較して胃粘膜病変の重症度が高いことが報告されています（Colombino et al., 2022）。燕麦などの濃厚飼料の給餌量の多さは胃内での揮発性脂肪酸発生量を増加させ、胃粘膜を傷つけることでEGUSのリスクとなると考えられています。そのほかに、非ステロイド系抗炎症薬（NSAIDs）の投与もEGUSと関連しており、抗炎症薬の投与時には胃潰瘍予防に留意することが必要です。当牧場においても抗炎症薬を連続で投与する場合には、オメプラゾールを同時に投与し、予防に努めています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">EGUSは馬の職業病とも言われてしまう疾患ですが、飼養管理方法を少し留意するだけでも予防効果を期待することができます。予防のためのポイントとしては、①採食時間の延長、②高繊維飼料割合の増加、③抗炎症薬連用時にはオメプラゾールも投与の3点が挙げられます。健康で強い馬づくりのための参考としていただけましたら幸いです。</span></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2025/04/01/1.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=478,height=452,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59860736" style="width: 300px; display: block;" title="1" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2025/04/01/1.jpg" alt="1" /></a>図1. 体重kgに対する糖とデンプンの摂取量g(%)</p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2025/04/01/2.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=706,height=248,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59860738" style="width: 300px; display: block;" title="2" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2025/04/01/2.jpg" alt="2" /></a></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2025/04/01/3.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=294,height=392,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59860739" style="width: 300px; display: block;" title="3" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2025/04/01/3.jpg" alt="3" /></a></p>
<p><span style="font-size: medium;">日高育成牧場　生産育成研究室　根岸菜都子</span></p></div>
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        <title>ビタミンDについて</title>
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        <published>2024-12-09T11:42:50+09:00</published>
        <updated>2024-12-09T11:42:50+09:00</updated>
        <summary>はじめに 　ビタミンは5大栄養素（その他は炭水化物、脂肪、タンパク質、ミネラル）...</summary>
        <author>
            <name>日高育成牧場生産育成研究室</name>
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<content type="html" xml:base="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/">
<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p>はじめに</p>
<p>　ビタミンは5大栄養素（その他は炭水化物、脂肪、タンパク質、ミネラル）のひとつであり、体の機能を調整するために不可欠な栄養素です。生体内で必要となるビタミンの量は微量ですが、体内でほとんど合成できないため食事から採る必要があります。ビタミンやその機能について知られるようになってからの歴史は浅く、そのことを示すものとして明治期海軍の逸話が有名です。明治時代に海軍で脚気に苦しむ兵隊が急増し、その原因が不明であったことから大きな問題となりました。当時はビタミンの存在やその役割が十分に認識されていなかったのですが、後に脚気はビタミンB1の不足によるものであり、海軍ではビタミンB1をほとんど含まない白米ばかり食べていたことが原因であると判明しました。</p>
<p>ヒトにおけるビタミンの機能・役割について現在までにかなり知られるようになっているものの、全てが解明されているわけではありません。一般的にヒトに比べ馬の栄養に関する研究は遅れてしまいますが、馬におけるビタミンの機能・役割について不明な部分は非常に多いとされています。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>馬におけるビタミン栄養</p>
<p>　生体内で必要なビタミンは１３種類あり、そのうちビタミンＡ，Ｄ、ＥおよびＫが脂溶性ビタミン、ビタミンＢ群に属する８つのビタミンとビタミンＣが水溶性ビタミンに分類されます（図１）。馬栄養の分野では、繁殖能力や蹄の健康に影響を及ぼすビタミンＡや抗酸化作用のあるビタミンＥについての関心が高く、インターネットなどでもそれらの情報は比較的多くみられます。一方でビタミンＤに関する情報は少ないのですが、今回の話題はビタミンＤについてです。</p>
<p>　馬においてビタミンＤが必要な栄養素であることは間違いありませんが、牧草に多量に含まれており不足しにくいとされています。しかし、近年に発表された論文で、ビタミンＤに関して興味深い成績が報告されています。香港の競走馬と英国の競走馬の血中ビタミンＤ濃度を比較したとき、香港の競走馬でその値が低かったことが報告されています。この研究成績で注目すべきは、競走馬に要求量を満たすビタミンＤを給与しても不足する可能性があるということが示されていることです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ビタミンＤの機能と供給源</p>
<p>ビタミンＤの生体内における主な機能として、カルシウムやリンの代謝を調整し骨を健全に維持させることが知られています。それ以外に近年、ヒトでビタミンＤ摂取により運動後の筋機能回復が早まることが報告されており、ビタミンDの筋機能に及ぼす影響が注目されています。</p>
<p>ビタミンDには、ビタミンD２およびビタミンD3と２つの形態があります。ビタミンD2は燕麦などにはほとんど含まれませんが、牧草には含まれており、乾草作りの際に紫外線に曝されることでその含有量はさらに増加します。ビタミンD3は、皮膚が紫外線に曝されることで合成されるとされ、ヒトや他の家畜ではこれがビタミンDの有用な供給源になるとされています。しかし、馬の皮膚で紫外線暴露により合成されるビタミンD3は極めて少ないことが分かっています。また、サプリメントや配合飼料に人工的に加えられるのはビタミンＤ２とＤ３ですが、海外ではビタミンＤ３を使用することが多いようです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>競走馬のビタミンDに関する研究</p>
<p>　ビタミンＤが生体内で活性されるとその形体は変化し、ビタミンＤ<sub>２</sub>とＤ<sub>３</sub>はそれぞれ25-ヒドロキシビタミンD<sub>2</sub>（25OHD<sub>2</sub>）および25-ヒドロキシビタミンD<sub>3</sub>（25OHD<sub>3</sub>）となります。そして25OHD<sub>2</sub>と25OHD<sub>3</sub>の血中濃度の合計が、ビタミンＤの栄養状態の指標になるとされています。以降で25-ヒドロキシビタミンD（25OHD）はビタミンDと表記します。</p>
<p>図２に香港競走馬（香港）と英国競走馬（英国）の血中ビタミンＤ濃度を示しました。ビタミンD<sub>2</sub>ならびにD<sub>2</sub>とD<sub>３</sub>の総計の血中濃度は、香港が英国に比べて有意に低い結果でした。ビタミンD<sub>3</sub>は香港と英国で差はありませんでしたが、このD<sub>3</sub>は主に配合飼料由来によりものと考えられています。香港と英国で血中のビタミンD<sub>2</sub>濃度に差があったのは、英国では１時間放牧し放牧草を摂取していた影響であると考察されています。しかし、一般的には競走馬を放牧できる環境で繋養しているほうが希少であり、日本も含め一般的な競走馬のビタミンＤに関する栄養状態は香港と同様であると言えるかもしれません。</p>
<p>香港の血中ビタミンＤ濃度は低かったのですが、重要なことはビタミンＤに不足は無かったのかということです。そもそも馬の血中ビタミンD濃度は低いことが分かっていますが、ビタミンＤが不足していると判断できる血中の閾値濃度は分かっていません。血中ビタミンＤ濃度の平均は英国と香港でそれぞれ16.7と13.4nmol/Lでしたが、香港の最低値は4.3nmol/Lであり、このような低値の馬にはビタミンＤを補給すべきであろうと考察されています。NRC飼養標準によると競走馬のビタミンＤ要求量は体重1kg当たり6.6IU / day とされていますが、香港ではビタミンＤ<sub>３</sub>として全ての馬は体重１㎏当たり10IU / day以上が給与されていました。すなわち、要求量を満たすビタミンＤを給与していたにもかかわらず、ビタミンＤの補給が必要な場合があることになります。一方でビタミンＤの過剰摂取により軟骨組織の石灰化などが報告されていることから、限度量は体重1kg当たり44IU / dayまでとされています。そのため、闇雲にビタミンＤを補給することは好ましくないと考えられ、研究者らは血液検査により著しく血中ビタミンＤ濃度が低い馬に対してビタミンＤを補給することを推奨しています。また、ビタミンＤ<sub>３</sub>に比べて過剰症のリスクがより少ないＤ<sub>２</sub>の補給を推奨しています。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>現行の競走馬におけるビタミンＤ要求量はもしかすると少ないのかもしれませんが、それを調べるにはさらなる研究が必要でしょう。今回は競走馬についての話でしたが、生産地での飼養管理は放牧が中心であり、ビタミンＤを多く含む牧草を摂取している繁殖牝馬や育成馬でビタミンＤが不足する可能性はほとんどないと考えられます。</p>
<p></p>
<p>日高育成牧場　首席調査役　松井朗</p></div>
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    </entry>
    <entry>
        <title>食用油給与の効果</title>
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        <id>tag:bb.lekumo.jp,2003:post-59917790</id>
        <published>2024-09-25T16:13:26+09:00</published>
        <updated>2024-09-25T16:13:26+09:00</updated>
        <summary>近年、馬への食用油給与は珍しいことではなくなりました。その効果を最大限に発揮させ...</summary>
        <author>
            <name>日高育成牧場生産育成研究室</name>
        </author>
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<content type="html" xml:base="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/">
<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p>近年、馬への食用油給与は珍しいことではなくなりました。その効果を最大限に発揮させるため、馬への適切な食用油給与についてご紹介いたします。</p>
<p>馬のエネルギーの元となる栄養素は、五大栄養素（図1）のうち、炭水化物、脂質、タンパク質の3つです。タンパク質は血液や筋肉の元となるため、炭水化物と脂質が大きなエネルギー源となります。馬が摂取するエネルギーの大半は、牧草等の粗飼料に含まれる植物繊維と濃厚飼料に含まれるデンプンから得る炭水化物です。一方で、食用油は成分のほとんどが脂質であり、そのままエネルギー源となることが最大の特徴です。食用油給与の効果として、第一に効率的にエネルギーを給与できる点、第二に濃厚飼料と置き換えることでデンプンの給与量を減らすことができる点が期待されています。</p>
<p></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/09/25/1.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=316,height=202,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59647790" style="width: 300px; display: block;" title="1" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/09/25/1.jpg" alt="1" /></a> 図1. 五大栄養素</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>効率的なエネルギー給与</strong></p>
<p>脂質のエネルギーは炭水化物やタンパク質の2～3倍です。同じ量の飼葉を食べても太りにくい馬や、食が細く食べる量が少ない馬に効率良くエネルギーを給与する方法として、食用油が利用されます。また厳冬期には寒冷ストレスにより体温が奪われ、エネルギー要求量が増加する場合があります。このようなときのエネルギー補給にも食用油の給与は有効です。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>デンプンとの置き換え</strong></p>
<p>濃厚飼料の多給は疝痛や蹄葉炎などの食餌性疾患を引き起こすことは広く知られており、その原因は濃厚飼料に含まれるデンプンと言われています。デンプンは本来小腸にて消化吸収されるべき栄養素です。しかしながら濃厚飼料の多給によって消化吸収されなかったデンプンは盲腸に流入します。盲腸へデンプンが多量に流入すると、後腸アシドーシスや腸内細菌叢の乱れ、疝痛など様々な疾患を引きおこす原因となります。</p>
<p>妊娠末期や泌乳期、運動量の多いときなど、エネルギー要求量が多いときには、どうしても濃厚飼料の給与量が増えてしまいます。そのような場合に穀物などのデンプンを食用油に置き換えることで、デンプンの給与量を抑えることが可能です。例えば、エン麦のエネルギーは3Mcal/kgに対し、食用油は9Mcal/kgとエン麦の3倍にもなります。したがってエン麦1.5kgは食用油0.5kgに置き換えが可能です（図2）。</p>
<p></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/09/25/photo_23.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=888,height=666,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59647788" style="width: 300px; display: block;" title="Photo_23" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/09/25/photo_23.jpg" alt="Photo_23" /></a> 図2.　エン麦1.5㎏と食用油0.5kg（エネルギーは同量）</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>食用油給与時の注意点</strong></p>
<p>食用油給与時の注意点についていくつかご紹介いたします。食用油は植物性油と動物性油のふたつがあります。馬は草食動物ですので植物油を好み、動物油は嫌います。また馬の基本的な飼料中の脂質は全体の2～5％と少ないため、飼葉の嗜好性低下には注意が必要です。成馬であれば1日あたり1L程度は給与しても構わないとされていますが、過剰給与は嗜好性やパフォーマンスの低下につながりますので、馬の状態を適宜確認しながらの給与を推奨いたします。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><strong>最後に</strong></p>
<p>食用油は脂質以外の栄養素を含まず、消化管への負担も軽減するなど、エネルギーの補給源として大変有用です。また、毛艶や皮膚の調子が良くなるなどの効果も認められています。太りづらい馬や妊娠後期のエネルギー要求量が増加しはじめる繁殖牝馬、また市場上場予定馬のコンディション調整のために食用油の利用も選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>JRA日高育成牧場　生産育成研究室　根岸菜都子</p></div>
]]>
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    </entry>
    <entry>
        <title>さく癖と濃厚飼料摂取および消化器の障害との関係</title>
        <link rel="alternate" type="text/html" href="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/2024/01/post-3daa.html" />
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        <id>tag:bb.lekumo.jp,2003:post-59836731</id>
        <published>2024-01-15T09:49:31+09:00</published>
        <updated>2024-01-15T10:11:21+09:00</updated>
        <summary>馬事通信「強い馬づくり最前線」第321号 ≪はじめに≫ 　馬の「ゆう癖」、「旋回...</summary>
        <author>
            <name>日高育成牧場生産育成研究室</name>
        </author>
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="栄養" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="馬事通信" />
        
        
<content type="html" xml:base="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/">
<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><span style="font-size: medium;">馬事通信「強い馬づくり最前線」第321号</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>≪はじめに≫</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;　馬の「ゆう癖」、「旋回癖」および「さく癖」などの習慣的な行動は、馬が健康で精神的に健常であれば発現しないであろうと考えられており、好ましくない悪癖として認識されています。これらの悪癖は異常行動であり、様々なストレスが原因となり発現すると考えられています。しかし、馬が何に対してストレスを感じているかを我々が察知することは困難であり、その原因を取り除くことは容易ではありません。一方で、飼養管理方法が原因となって、悪癖が発現する場合があり、その原因を正しく理解できれば、それを改善することにより悪癖の馬を減らすことができるかもしれません。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　さく癖（グイッポ）は、馬が前歯を柵などの固定物に引っ掛けて頭頸部を屈曲させ、独特のうねり声を出しながら食道に空気を吸い込む悪癖です（写真）。さく癖の馬は、消化器官の障害を発症しやすいと言われてきました。しかし現在は、さく癖が胃潰瘍や疝痛の発症原因なのではなく、そのような疾病を発症しやすい飼養管理が、さく癖を発現する大きな要因になっていると考えられています。</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/15/fig.png" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=316,height=473,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59328387" style="width: 300px; display: block;" title="Fig" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/01/15/fig.png" alt="Fig" /></a></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">写真　さく癖の馬：前歯を柵などの固定物に引っ掛けて頭頸部を屈曲させ、独特のうねり声を出しながら食道に空気を吸い込む</span></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　</p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>≪濃厚飼料の過剰摂取は胃潰瘍の原因≫</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　さく癖と胃潰瘍の関係の前に、濃厚飼料の摂取と胃潰瘍との関係について解説します。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　海外の調査で、胃潰瘍を発症した馬は、濃厚飼料の摂取量が多い傾向にあることが報告されています。胃潰瘍は、胃の無腺部が胃酸を多く含むpHの低い胃内容液に長時間、曝されることにより発症します。一方、唾液は採食時の咀嚼により分泌が促進されますが、アルカリ性であるため胃内のpHを上昇させ、胃粘膜が酸によって浸食されることを予防する作用があります。馬が粗飼料のみを摂取している場合、採食時間が長くなるため、唾液が胃内に流入する時間帯が多くなります。一方で、家畜として飼養管理されている馬、特にサラブレッドには1日に数回、エネルギー濃度の高い濃厚飼料が給与されますが、必要なエネルギーを短時間で獲得できるので採食に要する時間も短くなります。その結果、胃内に唾液が流入する時間帯は限定されるため、胃内のpHは低下しやすく、胃潰瘍を発症するリスクは高くなります。また、唾液の分泌量は咀嚼回数に従い増加しますが、濃厚飼料を嚥下するまでの咀嚼回数は、同量の粗飼料を摂取した場合に比べて少ないため、唾液の分泌量も少なくなります。さらに、濃厚飼料を摂取したとき、胃酸の分泌を刺激するガストリンというホルモンの血中濃度が粗飼料を摂取したときに比べて上昇するため、胃酸の分泌量が増加するとされています。このように、濃厚飼料の摂取は、粗飼料のみを摂取する場合に比べて、胃内のpHが低くなる要素が多いことが分かります（図１）。さらに、濃厚飼料の摂取量が増加するにつれ、胃内のpHを下げる要素の影響が大きくなることから、胃潰瘍発症のリスクがさらに高まることは容易に想像できます。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/15/1_6.png" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=567,height=370,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59328384" style="width: 300px; display: block;" title="1_6" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/01/15/1_6.png" alt="1_6" /></a></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">図1　摂取飼料が胃内溶液のpHに及ぼす影響（乾草のみと濃厚飼料＋乾草を給与した馬の24時間中の胃内容液のpH中央値を比較）</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/15/1_6.png" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=567,height=370,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"></a></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>≪胃潰瘍とさく癖の関係≫</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　海外の調査において、さく癖の馬はさく癖の無い馬に比べて胃潰瘍を発症している割合が多いことが報告されています。それでは、胃潰瘍とさく癖にどのような関係あるとされているのでしょうか？　正確には相互に関連があるのではなく、胃潰瘍が発症しやすい胃内のpH低下が、さく癖の発現と関係があるとされています。あくまでも仮説ではありますが、さく癖は胃内のpHを低下させないための適応行動であると考えられています。具体的には、胃内のpHが低下することは馬にとっては不快であり、さく癖は唾液の分泌を促して少しでもその不快感を解消しようとするための行動ではないかと推測されています。さく癖を行う馬に、自由にさく癖を許したときと、人為的に5分間さく癖を制止したときの唾液の分泌量を比較した場合、さく癖を許した馬の分泌量は変化が無かったのに対して、制止した馬の分泌量は有意に減少しました（図２）。この研究結果からは、さく癖は唾液の分泌を促す効果があることが示されています。また、さく癖の子馬に胃酸を緩衝させる効果のある制酸性サプリメントを給与したとき、さく癖の頻度が減少したことが報告されており、さく癖は胃のpH低下を抑制するための行動であるという仮説を裏付ける成績であると考えられています。</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/15/2_9.png" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=540,height=353,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59328389" style="width: 300px; display: block;" title="2_9" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/01/15/2_9.png" alt="2_9" /></a></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">図２　さく癖馬にさく癖を制止させたときの唾液分泌量の変化（プレの採材から5分間、さく癖を制止して唾液分泌量の変化を調査）</span></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>　</p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/15/2_9.png" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=540,height=353,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"></a></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>≪疝痛とさく癖の関係については不明≫</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　さく癖により吸い込んだ空気が、食道を通過して消化器官に流入するため、“さく癖の馬は風気疝などを発症しやすい”とされていたことがありましたが、さく癖による吸気が大腸にまで達することはないようです。近年は、さく癖の馬に疝痛が多いのもまた、濃厚飼料が影響しているのではないかと推察されています。濃厚飼料を多く摂取すると、デンプン等の易消化性炭水化物が盲結腸内に流入し、腸内細菌により乳酸発酵されることで大腸内のpHが低下します。ちなみに、濃厚飼料の過剰摂取により疝痛が発症するのは、大腸内における過度な乳酸発酵が原因であると考えられています。大腸内のpHが過度に低下したとき、腸粘膜が侵され炎症（潰瘍）が発症します。腸に潰瘍が発症した馬は、歯ぎしりなどの行動を示すことがあり、これは大腸に不快感があるためであると考えられています。仮説としては、この不快感を緩和するための手段の一つがさく癖であり、さく癖の馬に疝痛が多くみられる理由ではないかと推察されています。しかし、このことを証明する情報は乏しく、さく癖と疝痛を結び付けるには更なる研究が必要なようです。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>≪おわりに≫</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　馬が行うさく癖などの悪癖は、身体や精神の健康にとって好ましくない状況にあることを伝えるためのサインとして捉えることができます。悪癖の発現を予防することは重要ですが、サインを受け取ったとき、飼養管理において改善すべき問題がないかを見直すこともまた重要であると考えています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">日高育成牧場　首席調査役　松井朗</span></p></div>
]]>
</content>


    </entry>
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        <title>なぜクリープフィーディングが必要なのか？</title>
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        <published>2024-01-09T16:11:36+09:00</published>
        <updated>2024-02-28T17:04:28+09:00</updated>
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            <name>日高育成牧場生産育成研究室</name>
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        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="栄養" />
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<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><span style="font-size: medium;">馬事通信「強い馬づくり最前線」第312号</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　哺乳期の家畜に飼料を給与することは「クリープフィーディング」と呼ばれますが、「抜け穴」を意味するクリープ（Creep）が語源となっています。すなわち、家畜の子供だけが囲いを通り抜け飼料を食べられるようにする給餌方法がクリープフィーディングです。ちなみに、少し混乱させるかもしれませんが、クリープフィーディングにおいて給与する飼料はクリープフィードと呼ばれます。クリープフィーディングを実施する目的は、家畜種で若干異なりますが、サラブレッドにおいては、母乳や放牧草で不足する栄養の補給と離乳前から固形食に馴らすことが主な目的となります。クリープフィードは子馬だけが餌を食べるようにすると同時に、母馬の飼葉を横取りして過剰な栄養を摂取することは避けなければなりません。他の家畜では、クリープフィーディングで増体をより大きくすることを目指すので、母親の餌を盗み食いすることには寛容である場合がほとんどです。しかし、サラブレッドの場合、クリープフィーディングの実施は、栄養の摂取不足だけでなく栄養摂取の過剰やアンバランスを避けるためでもあります。栄養に起因したDOD（発育期整形外科疾患）発症には、銅などのミネラルの不足以外に、急激な増体や濃厚飼料に多く含まれるデンプン等の過剰摂取による糖代謝異常も原因となることが知られています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>クリープフィーディングによる不足する栄養の補給</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　過去の研究で調べた当歳馬の哺乳量および放牧草採食量から、クリープフィーディングについて考えてみましょう。子馬の哺乳量は1.5ヵ月齢から２ヵ月齢にかけて、急激に減少していきます（図1）。母乳中のカルシウムおよびリン濃度もまた経時的に減少していく（図2 (a)）ため、乳由来のカルシウムおよびリン摂取量は成長に伴い加速度的に減少していきます（図3 (a)）。また、母乳中の亜鉛および銅濃度は初期を除き哺乳期間中にほとんど変化はみられません（図2 (b)）が、哺乳量が減少するため乳由来の亜鉛の摂取量もまた成長に伴い減少していくことになります（図3 (b)）。一方、放牧草の採食量は成長に伴い増加していくため、放牧草由来のミネラル摂取量は増加していきます。栄養の摂取量に対する要求量（必要量）の割合（摂取量÷要求量×100［パーセント］）は、充足率と呼ばれ、充足率が100%に満たないとき、その栄養は不足していることになります。2ヵ月齢および4ヵ月齢における母乳と放牧草から摂取したカルシウム、リン、亜鉛および銅の充足率を調べると、全てのミネラルで充足率は100パーセントを下回りました（図４）。放牧草の採食量が増加しても、必要量を満たす程度のミネラルが摂取できていないことが分かります。カルシウムおよびリンは骨の重要な材料であり、亜鉛や銅は軟骨の骨化に重要な役割があることから、これらのミネラルが不足することで骨軟骨症などの骨疾患が発症することが知られています。したがって、クリープフィーディングにより、これらのミネラルを補給し充足率が100％を超えるようにする必要があります。仮に「バランサーS」という飼料を、クリープフィードに用いたとします（図５）。全てのミネラルの充足率が100パーセント以上になるようにするには、２ヶ月齢および4ヶ月齢でそれぞれ「バランサーS」を850ｇおよび750g給与する必要があることが分かりました（図６）。このように、サラブレッドの健康な発育のためには、おおむね２ヶ月齢からクリープフィーディングを実施し、栄養の不足がないようにする必要があります。</span></p>
<p></p>
<p></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/09/1_7.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=867,height=553,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59321692" style="width: 300px; display: block;" title="1_7" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/01/09/1_7.jpg" alt="1_7" /></a></span></p>
<p><br /> <br /><span style="font-size: medium;"> 図1．成長に伴う哺乳量の変化</span><br /><br /></p>
<p></p>
<p></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/09/2_6.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=850,height=1200,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"></a></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/02/28/1.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=900,height=1200,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59387550" style="width: 300px; display: block;" title="1" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/02/28/1.jpg" alt="1" /></a></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/09/2_6.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=850,height=1200,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><br /> </a></span></p>
<p><br /> <br /><span style="font-size: medium;"> 図2．母乳中ミネラル濃度の経時的変化</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/09/2_4.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=900,height=1200,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59321680" style="width: 300px; display: block;" title="2_4" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/01/09/2_4.jpg" alt="2_4" /></a></span></p>
<p><br /><span style="font-size: medium;"> 図3．成長に伴う母乳由来のミネラル摂取量の変化</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/09/3_5.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=997,height=1200,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59321701" style="width: 300px; display: block;" title="3_5" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/01/09/3_5.jpg" alt="3_5" /></a></span></p>
<p><br /><span style="font-size: medium;"> 図4．2ヶ月齢および4ヶ月齢における母乳および放牧草由来で摂取するミネラルの充足率（要求量に対する割合）</span></p>
<p></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/09/2_5.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=729,height=505,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59321688" style="width: 300px; display: block;" title="2_5" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/01/09/2_5.jpg" alt="2_5" /></a></span></p>
<p><br /><span style="font-size: medium;"> 図5．「バランサーS」のミネラル成分</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2024/01/09/4_3.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=1089,height=1200,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59321707" style="width: 300px; display: block;" title="4_3" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2024/01/09/4_3.jpg" alt="4_3" /></a></span></p>
<p><br /> <br /><span style="font-size: medium;"> 図6．2ヶ月齢および4ヶ月齢における母乳と放牧草にバランサーを加えたときのミネラルの充足率（要求量に対する割合）。2ヶ月齢 (a) には「バランサーS」を850g、4ヶ月齢(b)には750gを加えた</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>離乳前に固形飼料摂取の馴致</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　離乳により子馬は母乳を絶たれるために、固形飼料のみから栄養を採る必要があります。もし、子馬が牧草以外の飼料を食べることに馴れていなければ、離乳後、飼桶から飼料を摂取するようになるまでしばらく時間がかかるかもしれません。また、母馬と一緒に飼料を食べていた子馬は、離乳後のしばらくは飼葉に口をつけないかもしれません。離乳は子馬にとって精神的には大きなストレスであり、一時的に増体が停滞もしくは減量することは避けられません。しかしながら、離乳前から個別に固形飼料を食べるようになっていれば、少なくとも栄養が摂取できないことによるストレスの心配はありません。離乳による精神面のストレスに加えて栄養摂取が不十分であれば、増体停滞の期間は長くなります。子馬はやがては離乳によるストレスから解放され再び増体していきますが、増体停滞の程度が大きい程、代償的に急速に増体します。増体速度の急増によりDOD発症のリスクが高まることから、離乳後の増体の停滞はなるべく軽度であることが好ましいとされています。このことから、クリープフィーディングは離乳ストレスの軽減のために、必要であるとあるとされています。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>さいごに</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　生後早い時期の下痢のことを「発情下痢」と呼びますが、この下痢と母馬の発情とは関係ありません。子馬が母馬の糞や牧草などを食べたとき、腸内環境がそれらの消化に適応しないためによる下痢であって、偶然に母馬の初回発情時期と重なる場合が多いことから「発情下痢」と呼ばれるようになったのではないでしょうか。下痢になるのは摂取する飼料に対して腸内細菌が少ないことや適応していないためと考えられますが、クリープフィーディングを実施することは腸内環境を飼料に適応させていく過程としても必要であると考えられます。&nbsp;</span></p>
<p></p>
<p><span style="font-size: medium;">首席調査役　松井朗</span></p></div>
]]>
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    </entry>
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        <title>スプリングフラッシュ</title>
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        <published>2023-10-17T11:06:45+09:00</published>
        <updated>2024-01-05T14:06:20+09:00</updated>
        <summary>馬事通信「強い馬づくり最前線」第306号 　北海道でも春を迎えて暖かくなり、青々...</summary>
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            <name>日高育成牧場生産育成研究室</name>
        </author>
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="栄養" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="馬事通信" />
        
        
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<![CDATA[
<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><span style="font-size: medium;">馬事通信「強い馬づくり最前線」第306号</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　北海道でも春を迎えて暖かくなり、青々とした放牧地が増えてきました。今回は春に発生する牧草の急生長「スプリングフラッシュ」についてご紹介いたします。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>スプリングフラッシュとは</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　春になり牧草が急激に生育する状態を「スプリングフラッシュ」と呼んでいます。チモシーやオーチャードグラスなどの寒地型牧草は春の長日条件で出穂、開花するためスプリングフラッシュが顕著にみられます。スプリングフラッシュは日中の最高気温が10～15℃、夜間の気温が4℃以上の日が数日続いた時期に起こりやすく、北海道では4月下旬から5月にかけて起こりやすいと考えられます。気象庁の季節予報によると、本年は例年より早い気温上昇が見込まれているため、本年のスプリングフラッシュが起こる時期は少し早まるかもしれません。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　一般的に採草地におけるスプリングフラッシュは収量の面で歓迎できますが、放牧地においては、過度に生長した牧草の嗜好性が低くなるなどの理由により好ましくないと考えられます。そのため、牛の場合においては、スプリングフラッシュの前に放牧強度を高める(放牧地面積あたりの頭数を増やす)ことや、短期輪換放牧(放牧地を区切り、ある程度の期間で順繰りに放牧していくこと)といった対策が講じられています。一方、馬の場合においては、牛と異なり放牧地が運動の場としての役割も兼ねることから、ある程度の放牧地の面積が必要であるため、スプリングフラッシュが起こる前の施肥は避けて6月上旬に行うことや、掃除刈り(写真1)頻度の増加といった対策が推奨されます。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>スプリングフラッシュが馬に及ぼす影響</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　放牧地のスプリングフラッシュは牧草の過度の生長以外に、馬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるとされています。スプリングフラッシュ時期の牧草は自身の生長のため、非構造性炭水化物(以下NSC)と呼ばれる糖分(デンプンやフルクタン)を多く蓄えています。このNSCを過剰に摂取することによって糖代謝異常となり、高インスリン血症由来の蹄葉炎を発症する可能性があることが知られています。2000年に行われたアメリカ農務省の調査によると、蹄葉炎発症馬の50％以上が草量豊富な草地への放牧または濃厚飼料の多量摂取によるものであると報告されており、食餌量や内容が蹄葉炎の発症に大きく関与していると言えます。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　春に放牧される馬は採食量の増加と牧草中NSC含有率の上昇によってNSC摂取量が非常に多くなる場合があります。アメリカで8 万頭の馬(用途・種問わず、除ポニー)を対象に行われた蹄葉炎に関する調査では、蹄葉炎の発症は冬と比較して春および夏に多いことが示されました(図1)。つまり、スプリングフラッシュが起こる時期にNSCを多量に摂取することによって蹄葉炎を発症した可能性が示唆されているということになります。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　なかでも、肥満あるいは高齢馬は蹄葉炎などの糖代謝疾患発症のリスクが高いことが懸念されます。日高育成牧場においても、昨年6月にボディコンディションスコア（BCS）が 7と肥満であった8歳の繁殖牝馬が蹄葉炎を発症しました。このような高リスク馬に対して、スプリングフラッシュに伴う牧草中のNSC含量が高い時期の糖代謝疾患発症リスクを軽減するためには、放牧制限が最も有効です。この理由は、牧草中のNSCは季節変動のみならず日内変動が大きく、これは日射量が光合成による糖の産生量に影響を及ぼすためです。つまり、牧草中のNSCは午前3時から10時の間に低くなることから、NSCの過剰摂取を予防するためには、この時間帯に放牧することが推奨されます。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;"><strong>おわりに</strong></span></p>
<p><span style="font-size: medium;">　今回はスプリングフラッシュとその影響についてご紹介いたしました。青々とした牧草はとても良好な栄養源ですが、時として悪影響を及ぼす場合もあります。過度に警戒する必要はありませんが、肥満あるいは高齢など糖代謝疾患の懸念がある馬の管理の際に参考としていただければ幸いです。</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">日高育成牧場　生産育成研究室　根岸菜都子</span></p>
<p></p>
<p></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2023/10/17/1_7.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=484,height=170,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59207561" style="width: 300px; display: block;" title="1_7" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2023/10/17/1_7.jpg" alt="1_7" /></a> <span style="font-size: medium;">写真1. 掃除刈り前(左)および掃除刈り後(右)の放牧地</span></p>
<p><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span><span style="font-size: medium;">&nbsp;</span></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2023/10/17/1_5.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=490,height=350,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-59207541" style="width: 300px; display: block;" title="1_5" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2023/10/17/1_5.jpg" alt="1_5" /></a></p>
<p><span style="font-size: medium;">図1. 季節ごとの蹄葉炎発症馬の割合：冬と比較して春および夏の発症が多い（Kane AJ et al. 2000より改変)</span></p></div>
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        <title>強い馬づくりのための生産育成技術講座資料　①若馬の昼夜放牧における放牧草の採食量</title>
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        <published>2022-12-06T15:15:37+09:00</published>
        <updated>2023-10-17T11:02:50+09:00</updated>
        <summary>12月6日（火）17時開始オンラインセミナー資料 こちらよりダウンロードしてくだ...</summary>
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            <name>日高育成牧場生産育成研究室</name>
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        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="中期育成" />
        <category scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" term="栄養" />
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<div xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"><p><span style="font-size: medium;">12月6日（火）17時開始オンラインセミナー資料</span></p>
<p><a href="https://blog.jra.jp/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2022/12/06/1_3.jpg" onclick="window.open( this.href, '_blank', 'width=720,height=1040,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0' ); return false"><img class="asset  asset-image at-xid-photo-58765773" style="width: 300px; display: block;" title="1_3" src="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/images/2022/12/06/1_3.jpg" alt="1_3" /></a></p>
<p><span style="font-size: medium;">こちらよりダウンロードしてください</span></p>
<p><span class="asset  asset-generic at-xid-file-shiryoushitsu-files-2022.pdf" style="font-size: medium;"><a href="https://blog.jra.jp/shiryoushitsu/files/2022.pdf">若馬の昼夜放牧.pdfをダウンロード</a></span></p>
<p></p></div>
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