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人と馬との関係を考える③

(※)装鞍を嫌がり、引き馬の際に暴れ、跳ねて人を振り落とそうとする乗馬くん

 

 

 

初日:馬房内でのグランドワーク

二日:丸馬場内でのグランドワーク

を通じて、人との信頼関係を再構築した、かに思えました。

 

 

しかし、二日目の朝の威嚇を考えるとどうでしょう。

答えを知るために、丸馬場でのアプローチの後に、

騎乗訓練を実施しました。

 

  

装鞍は?:いつものようには嫌がりませんでした。

馬場までの騎乗常歩は:雰囲気が良くなっていました。

 

  

 

肝心の騎乗訓練は、

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我々が問題と考える行動はありませんでした。

騎乗者は、自分の騎乗に集中するこができ、

馬の意識は、ジョインナップを通じて変化したことを感じさせるものでした。

 

 

 

ここで、馬の視点に立ったジョインナップの感想を想像すると、

俺たちはもともとは群で生活していた動物で、リーダーを求めるんだから、

リーダーらしく指示をくれれば、安心して行動できるしリラックスできるんだねー。

でしょうか?。

 

 


馬が問題行動を起こすときには、何か理由があるはずです。

馬の側で人馬の関係がで整理できていない場合には、

馬が自身をリーダーだと考えていることが、問題行動につながっているかもしれません。

 

 

 

我々の乗馬くんの問題行動(※)は、そのように考えると理解できます。

自身がリーダーだとすれば、群では下の存在である人から指示を受ける理由はありません。

このような状態になった馬に、いたずらに叱る、強いプレッシャーをかけるのは、

問題解決への近道とならないケースもあるでしょう。

 

 

 

ジョインナップ術を行う過程で、馬自身に群れ(人と馬)での序列を考えさせ、

人からの指示を認識させることで、 相互理解を深めることは

人馬の関係改善を目的とする際に、有効な解決策になると考えられました。

 

  

  

馬の習性や行動を理解しながら、馬の立場にたって指示を与えることは

馬との相互理解を深めるために必要不可欠なのではないでしょうか。

馬にも馬の考えがありますから。

 

 

  

今回の問題乗馬くんへのジョインナップ術の応用は、

馬の立場に立った指示の出し方で馬は人を理解しようとする、

ということを我々に理解させてくれました。

 

 

もちろんどんな馬にも同じ結果が得られるわけではないのでしょうが、

グランドワーク後の乗馬くんの変化は、

人馬の関係改善にグランドワークを応用したいと思わせるには十分でした。

 

 

 

  

しかし、ジョインナップを含めたグランドワークの技術。

実際に見てみればなるほどと思いますが、

動物行動学・行動学の観点から系統立てて考えた人がすごいですね。

 

 

 

日本でこの技術を広めている方の一人がホースクリニシャンの宮田さん。

宮田さんも最初は人と馬との関係に悩んだんだのかなぁ。

会ってお話ししてみたくなりました。

  

 

 

 

「人と馬との関係について考える」以上でひと区切とします。 

3日間で綴ってきたブログに記されたグランドワークについては、

これをやれば人馬の関係が改善、といったものではなく、

ジョインナップをはじめとしたグランドワークを乗馬くんに実施した結果、

人馬双方の意識を変えることができた一例と考えていただければ幸いです。 

 

  

 

 

 

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現役アイドルホース・ミミ(25歳)と園児たちの関係は?。

人参のあり・なしに左右されます、多分。

 
 

 

 

  

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