亀、ありがとう
リハビリテーションセンターに来て困ったのは、
預かって欲しい馬がいるんだと言ってくださる調教師はいらっしゃるのに、
こちらの人不足によりその馬達を満足いく形でお預かりできないこと。
解決するには、現役競走馬を
①飼養管理し、
②曳き運動し、
③騎乗運動し、
④時に温泉療養させ、
⑤馬場調教もできる人を集めること。
どこの牧場さんも人集めが大変な今、それは簡単なことではありません。
でも、何もしなければ状況は改善しない。
片っ端から声を掛けました。
当センターのOBから、昔ここで働いていた子が、
窮状を察して来てくれるかものご連絡。
即連絡しました。
少し困った感じであったものの、
分かりました、今の仕事のシフトが調整できるかトライしてみます
の返答。
ワラにもすがる思いとはこの状況、、、でも、
来たばかりの私が、OBの彼に何を強くお願いできようか、ともいえる状況。
祈りの数日。
一ヶ月限定ですよと。
亀。
3月17日から1頭。
週末には、3頭。
数年ぶりの復帰にもかかわらず。
球節に難のある子を、
ボルトの入った子を、
乗り運動が気難しい子を、
面倒を、日々の変化をよくよくみてくれました。
ブランクありで、
自分のことも大変だったろうに、
その後入った新人の騎乗練習にも付き合い、
後輩たちの心配も。
あっという間の4月15日。
最後の日まで、
次に引き継ぐ人達にいい状態で馬を渡せるかなぁと。
なんかあったらすぐ連絡を欲しいと。
いいやつすぎて少し損するタイプ。
残って欲しいと言ったのは、
馬と人のバランスをとりたいというのもあったけど、
馬をいい状態にしようと努力する、亀の姿を後輩に見習ってほしかったから。
疲れるだの、もう若くないだのぶつくさ言いながらも、
馬の近くにいる亀はなんか楽しそうでした。
そんな姿も、近未来の自分として後輩達に見せて欲しいとも。
でもいいやつだけに、いいやつだからこそ、
ここにいるより、亀は次のステップに進んでほしいなぁ。
誘われてるって言ってた馬の仕事をちゃんと目指せよ。
救われたよ。
亀、ありがとう。