ホルモン処置による乳母 ~その4~(生産)

導入2日目、

ある程度の距離を保っていれば同じ放牧地にいても、乳母は攻撃してきませんが、

通常の母子の様子とは、かなりかけ離れています。

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人の保持がなければ哺乳はできず、

乳母には、噛み付き防止の「口カゴ」、

蹴ることを防止するための「足かせ」が装着されています。

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乳母の母性本能を覚醒させる方法として、他の馬との接触があります。

特にオス馬の存在が刺激になるという説があります。

 

そこで、2頭がいる放牧地に乗馬(去勢馬)を連れてきましたが、

あまり、効果は認められませんでした。

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乳母導入の2日目でしたが、あまりに進展がなく、実の母馬の元に戻すことも考えました。

しかし、後戻りよりも前進することを選択し、思い切って他の母子の馬群がいる放牧地に放してみました。

 

最初は、子馬が他の馬に追いかけられて、逃げ惑い孤立し、

誰もが、他の馬群との放牧は早すぎたと後悔した瞬間、

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突然、乳母が子馬を他の馬から守るしぐさを見せるようになり、

ここから、乳母と子馬の距離がグッと縮まりました。

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不思議なもので、あれほど子馬を敬遠していた乳母も、

ほかの母子との馬群に入り、逃げ惑う子馬に頼られることにより、母性本能のスイッチがオンに入ったようです。

 

集団生活を基本として子孫を残し続けてきた「馬」という動物の本能を改めて実感しました。

 

その後は、乳母は保持されなくても、

人が近くにいれば、哺乳を受け入れるようになりました。

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現在も、本当の母子のような距離の近さまでには至っていませんが、

他の母子と同じ放牧地で、昼夜放牧されています。

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人工哺乳は継続中ですが、体重増加率は他馬と同程度になりました。

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馬房や放牧地では、このように変則的な方法で哺乳しています。

子馬の「生きたい」という生命力の強さには脱帽です。

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