各種実習および講習会を実施しました
6月になり、日高も気温20度を超える日が続き、暑い季節がやってきました。生産牧場では分娩や種付けが一段落したのもつかの間、牧草の収穫作業や掃除刈りが忙しくなってきている頃かと思います。JRA日高育成牧場でも、牧草の成長度合いと天気予報をこまめに確認しながら、収穫のタイミングを慎重に見極めているところです。
乾草作りは天候に左右される難しい仕事です
忙しい季節である一方、当歳馬たちを観察するにはよい季節だと思います。今年生まれた当歳馬たちは、すでに集団での親子の昼夜放牧を開始しています。離乳するのはまだ先ですが、だんだんと親子の距離が離れ、子馬同士で行動する時間が増えてきて、放牧地での行動にも個性が感じられるようになってきました。青々とした放牧地で気持ちよさそうに過ごしている子馬を見て、とても癒されています。
放牧地でリラックスする親子馬
JBBA子馬実習
JRA日高育成牧場におけるこの季節は、例年各種研修や実習が行われる時期でもあります。5月30日および6月6日にはJBBA日本軽種馬協会の生産育成技術者研修生の皆様の子馬実習を実施しました。この研修は、将来生産牧場や育成牧場で働きたいと考えている若い研修生の皆さんが、4月から翌3月までの1年間のカリキュラムで、馬の扱い方や生産などの知識を学ぶ研修です。同研修からは、これまでに多くの若いホースマンが巣立っていき、生産地で活躍しています。
当牧場では、JRAホームブレッドの親子や育成馬を利用した実習を各季節で実施しており、今回は「親子馬の扱い方」というテーマで8名×2班の計16名が来場しました。実習では、子馬の手入れや保定の仕方、親子馬を同時に引き馬する方法などを、座学と実技実習の両方を通して学んでいただきました。当歳馬に初めて触れるという生徒さんも多い中、一生懸命に取り組まれているのが印象的でした。
一人で親子馬を引く方法を練習するJBBA研修生
馬女ネット研修会
さらに6月5日には、日高女性軽種馬ネットワーク(通称「馬女ネット」)の皆様の研修会も開催されました。「馬女ネット」は日高管内の軽種馬産業にかかわる女性を中心とした団体で、色々な研修会などを企画し馬についての勉強をされている皆様です。今回は、「当歳馬の基本的な扱い方」というテーマでご依頼があり、当牧場の当歳馬を使って、馬房内での手入れ、保定、しつけ、経口投与の仕方や引馬の時に気を付けることなどを実習形式で体験していただきました。各牧場で普段用いているやり方がそれぞれある中で、さらに違う方法を学び取り入れようという前向きな気持ちに刺激をいただける、とても良い時間となりました。
研修会には18名の会員の皆様がご来場されました
普段と違う引き馬の方法にも積極的に挑戦してくださいました
これらの講習会などのイベントで他の団体の皆さまと交流することで、お互いの牧場の情報交換ができたり、自分の牧場でのやり方を改めて見直す良い機会となりました。さらに、馬たちにとっても、普段と異なるシチュエーションを経験することで、精神的な成長にもつながります。人も馬もこれからも様々な経験を積極的にして、成長していきたいものです。
JRA育成牧場管理指針-生産編(第3版)-の発行
JRA日高育成牧場での繁殖牝馬や子馬の管理方法や考え方を記載した「JRA育成牧場管理指針-生産編(第3版)-」が発行されました。下記のサイトからPDFファイルをダウンロードできますので、ぜひともご活用ください。
https://jra.jp/facilities/farm/training/research/