育成馬ブログ(2020年 宮崎①)

1歳セリと放牧地管理について

 

○ 初めてのオンラインビッド

 梅雨明けして本格的な夏が始まりましたが、今年の梅雨は例年にない豪雨に見舞われ、熊本県を中心とした九州各地で大きな被害がありました。宮崎育成牧場では大きな被害はありませんでしたが、梅雨期の総雨量が1,000㎜と平年の1.5倍を超え、馬道の砂が流れるなど少なからず影響がでており、温暖化や雨の影響について考えさせられた季節でした。

 雨ばかりの6~7月でしたが、1歳馬のセリが始まる季節でもあります。本年のJRA育成馬の購買も6月23日に開催された「九州1歳市場」を皮切りにスタートしており、7月7日の「八戸市場」、7月13日の「セレクトセール」まで無事に終えることができました。

 いずれのセリも新型コロナウイルス対策として入場者を限定するなど様々な対策を講じており、例年とは違った雰囲気の開催となりました。なかでも九州市場では1歳セリでは初めてとなるオンラインビッドが活用され、我々も初めてのオンラインでの入札に緊張しながら参加し、その使用感を体験しながら2頭を購買することができました。

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写真1) 九州市場のオンラインビッド画面。2頭とも落札!

 

 これまでの3つのセールでJRAは7頭の1歳馬を購買しました。そのうちの6頭と日高育成牧場で生産したJRAホームブレッドのうち2頭の合計8頭が宮崎育成牧場に入厩しています。この育成馬たちは現在、16時から8時までの夜間に放牧しており、間もなく開始するトレーニングに向けて馬体や精神的な成長を促しているところです。

 

○放牧地の草種について

 この時期の育成馬は放牧地で1日のほとんどを過ごしていますが、サラブレッドの放牧地には「飼料としての牧草」と「自発的な運動場所」の2つを両立することが重要とされています。

 宮崎育成牧場では、本年から馬の放牧地の管理方法を変え、草種をこれまでのイタリアンライグラスからバヒアグラスに変更しました。一般的に国内の牧場では、チモシーやイタリアンライグラス、ケンタッキーブルーグラスなど比較的寒い地域に適した種類の牧草が多く利用されています。今回変更したバヒアグラスは、暖地型牧草に分類される多年草で、夏季の再生力が旺盛な点が特徴です。

 当場の放牧地は夏季~秋季の夜間放牧での利用が中心で、運動場所としての放牧を重視しています。そのような背景もあり、年間平均気温が17℃を超える九州の夏には暖地型牧草が適していると考え、今回の草地更新を行いました。

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写真2) 常に採食可能となるよう掃除刈りで草丈を一定に保ちます

 

 バヒアグラスは道路脇にも雑草として生えているような身近な草ですが、馬の嗜好性はやや劣るとされています。そこで、茎が硬くなりすぎないよう小まめに掃除刈りを実施したり、放牧地のボロ取りをこまめに行うなど丁寧な管理を心がけています。

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 写真3) 集団で草をはむ育成馬

 

 草地管理スタッフの努力の甲斐あって、当初懸念していた嗜好性も問題なく、写真のように放牧初日からおいしそうに食べてくれて一安心といったところです。今後は栄養面についても各種分析を行いつつ、定期的に馬体重やボディコンディショニングスコアなども確認していく予定です。

育成馬ブログ(宮崎⑤)

○育成馬調教見学会を開催しました


暖冬の影響で雪不足に悩まされているスキー場も多いとのニュースもありましたが、育成馬を調教する者としてはできるだけ暖かいほうが助かります。今シーズンの宮崎の冬(12~2月)も全国と同じく暖冬で、最低気温も氷点下となる日は1日もなく、最高気温も10℃を下回る日は3日間のみと非常に過ごしやすい冬となりました。調教時間帯には汗ばむような日も何日かあり、早くも半袖で騎乗する姿も見られました。

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写真)調教後にゲートを通過

 この時期の育成馬たちは、ブリーズアップセールに向けて運動負荷を次第に高めているところです。スピード調教時には、写真のように集団での調教や2列や1列といった様々な隊列を組んで調教していますが、週1~2回はハロン15秒程度のスピードで、騎乗者の指示に従うよう心がけて調整を重ねています。抑えきれないくらいの手ごたえの馬も増えてきていて、トレーニングによって力がついてきているのを実感しています。

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写真)隊列(2列)を組んだ調教

また、2月15日には、一般市民の方々や宮崎育成牧場の育成馬を応援していただいている方を対象に「育成馬調教見学会」を開催しました。今回の見学会は、改築した育成馬厩舎地区に見学者を迎え入れる初めての機会ということもあり、我々も馬の調教風景をご覧いただこうと楽しみに準備をしておりました。しかし、当日は前日からの雨により馬場状態が悪化したため、当初の予定よりスピードを抑えた調教の見学とさせていただきました。その代わりではありませんが、馬がトレッドミルで走っている姿を見ていただいたところ、見学者からは「間近に育成馬が疾走する姿を見ることができて楽しかった」との感想もいただくことができました。
これからも、競走馬の育成やJRA育成馬を身近に感じていただける内容のイベントにしていきますので、今後のJRA育成馬の活躍にも注目いただければと思います。

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写真) 調教見学会ではトレッドミル調教も公開

育成馬ブログ(宮崎④)

新厩舎と新しいトレーニング機器

 宮崎育成牧場では昨年12月に育成馬厩舎を改築しました。これまでの厩舎は昭和44年に造られた木造の厩舎で、天井裏に藁や牧草を収納できる昔ながらの造りでしたが、いたるところに老朽化が進んでおり業務に支障をきたしていたことから今回の建て替えに至りました。

 完成した新厩舎は、これまでの一列に配置された馬房ではなく、馬がよりリラックスできるよう対面式の馬房を採用しております。また、換気に考慮して天井高に余裕のある構造になっています。育成牧場は宮崎の都市部に位置していることもあり、これまで鳩の厩舎内への侵入がありましたが、防鳥ネットを張り巡らせることで衛生面にも配慮しました。

 育成馬の引っ越しは、12月中旬に行いましたが、馬たちもすぐに新しい環境にも慣れて、一安心といったところです。これから始まる本格的なトレーニングに備える安息の場所として、末永く育成馬たちを見守って欲しいと思います。

 今回はもうひとつ、馬用のトレッドミル棟も新設しました。トレッドミルは古くからJRA競走馬総合研究所や両トレーニングセンター診療所において様々な研究や診断に活用されているほか、近年では民間の育成牧場や海外の厩舎でもトレーニング機器として広く活用されています。当場でも、体力評価の研究等を行うために育成馬への使用を開始しております。

 これまでは1,600mダート馬場と500mダート馬場が唯一の調教コースでしたが、今年の育成馬たちからはトレーニング機器としても積極的にトレッドミルを活用し、バリエーションを広げたトレーニングを実施しております。既にトレッドミルを用いた体力測定試験も複数回実施しており、トレーニング効果を実感しているところです。

 3月21日(土)に開催する育成馬見学会(一般の方向け)と、4月7日(火)に開催する育成馬展示会(購買関係者向け)では、新しくなった育成馬厩舎の前で育成馬を披露する予定です。是非足を運んでいただきたいと思います。

 ※追記

 3月21日(土)に開催予定の育成馬見学会(一般の方向け)は中止とさせていただきます。楽しみにされている方には大変申し訳ございません。

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新しくなった育成馬厩舎

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トレッドミルでトレーニングする育成馬

育成馬ブログ(宮崎②)

○育成馬のブレーキングはじめてます

 9月下旬にセプテンバーセール購買の牝馬3頭が新たに入厩し、本年の宮崎の育成馬22頭すべてが揃いました。一方、6月~7月に入厩した馬たちにとっては、宮崎での生活も数ヶ月が経過し、すっかり環境に慣れて一回りも二回りも体が大きくなって力も付いてきています。しかし、まだまだ競走馬とは言えません。競走馬になるには、いくつものことを教えていかなければなりません。そのひとつが、騎乗するための準備作業であるブレーキング(騎乗馴致)です。

 宮崎育成牧場においても、馴致や管理方法をまとめた「JRA育成馬管理指針」に則って管理しています。今年も9月から牡馬10頭のブレーキングを開始しています。

 今年の宮崎地方は雨の日が多く、豪雨によりラウンドペンとよばれる円馬場が水没することもありました。決してコンディションのよい日ばかりではありませんでしたが、馬と職員の頑張りにより予定通りトラブルなく騎乗まで教えることができています。

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突然の雨にずぶ濡れになりながらも、馬を躾けます

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入念なドライビングで「ハミ受け」を形成しながら、馬場等の環境に慣らします

 

 牡馬の騎乗の目処がついたら、次は牝馬の馴致にとりかかります。牝馬は牡馬よりも気難しいことが多いため、騎乗されることにマイナスイメージを持つことがないよう、馬が送るサインを読みとりながら丁寧に根気強く教え込んでいきます。

 なお、今年は通常のブレーキングに加えて、本年9月に新導入したトレッドミルにも慣らしています。

 近年では民間牧場でも珍しくなくなったトレッドミルですが、当育成牧場においても育成期の馬における効果的な使用法や馬体への影響などについて調査する予定です。結果がまとまるのはまだ先の話ですが、育成馬の健やかな成長とともに興味深い報告ができるよう知見を積み重ねて参ります。

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トレッドミル棟もドライビングで通過させて徐々に慣れさせます

育成馬ブログ(宮崎①)

○ 宮崎の育成馬たち

 JRA育成馬は、「全国のサラブレッド1歳市場で購買した馬」とJRA日高育成牧場で生産した「JRAホームブレッド」とで構成されているのはご存知の方も多いと思います。

 宮崎育成牧場の特徴のひとつは、比較的上場頭数の少ない九州市場に近いこともあってか、日本各地の市場で購買したJRA育成馬が在厩しており、非常にバリエーション豊かな馬たちが揃っていることです。本年については、今年開催された国内のサラブレッド1歳市場すべてのセール出身馬が揃っています。

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セリ開始を待つ本年の八戸市場。

 

 これまで開催された国内1歳サラブレッド市場は以下のとおりですが、これほど多様なセール出身馬たちを同じ場所で繋養しているのは、宮崎育成牧場くらいかもしれません。

 

※2019年に開催されたサラブレッド1歳市場

6月25日 九州市場(鹿児島):上場頭数17頭

7月2日 八戸市場(青森):上場頭数35頭

7月8日 セレクトセール(北海道):上場頭数239頭

7月16日 セレクションセール(北海道):上場頭数236頭

8月19日~22日 サマーセール(北海道):上場頭数1,197頭

 

 これからも9月のセプテンバーセール(北海道)と続きますが、JRAはこれら市場でも購買する予定ですので、さらに多様なラインナップとなる予定です。おまけにJRAホームブレッドも繋養していますので、JRA育成馬を応援される際は、どのセール出身の馬かということにも注目してみると面白いかもしれません。

 

○JRA育成馬の入厩(宮崎)

 日本各地で購買した馬たちは、それぞれ日高と宮崎で育成する馬とに分けられ、宮崎に振り分けられた馬については宮崎まで輸送するわけですが、その道のりは長く、日本縦断の旅をしているといっても過言ではありません。

 既に19頭の育成馬たちが宮崎育成牧場に入厩しておりますが、九州市場出身の1頭を除き、北海道や青森から輸送されてやってきました。馬の輸送には、馬運車という専用車で輸送しますが、北海道からは移動時間だけでも40時間をこえる大移動です。今年も7月と9月とに分けて購買馬を輸送しましたが、車中の馬の様子はというと、初めての遠足といった感じではしゃぐ馬がいたり、おとなしく行儀のよい馬がいたりと馬の性格もそれぞれです。

 人と馬の休憩のため、適宜休憩を挟んで輸送したこともあり、出発から3日後の宮崎到着となりましたが、無事に輸送を終えることができ、ほっとしております。

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無事に宮崎に到着した育成馬。運転手さんも馬もお疲れ様でした。

 

 馬の輸送といえば、輸送後に発熱するなど馬へのストレスがしばしば問題になります。近年は、馬運車の性能の向上(エアコンやエアサスペンションの搭載)や高速道路網の発達により大幅に輸送環境がよくなったことに加え、これまでの馬輸送に関する研究や知見の積み重ねにより、より安全に輸送できるようになってきました。

 しかし、まだまだ輸送の問題が解決したわけではありません。馬の長距離輸送に関する知見を得るため、今回も購買馬の輸送中に定期的な血液サンプリングを行い、輸送が免疫機能に及ぼす影響に関する調査を行いました。人も馬も疲れる長距離輸送ですが、JRAの育成研究は購買馬の輸送段階でも実施していることを知っていただければ幸いです。今回輸送した馬たちの次の輸送は、来年のブリーズアップセールになる予定です。まずは、長旅の疲れを癒して、まもなく開始するトレーニングに備えてもらいたいと思います。

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宮崎で初めての放牧で旅の疲れもリフレッシュ。

育成馬ブログ(宮崎⑥)

○セール前に一足早くお披露目しました

 

 JRAブリーズアップセールまで3週間を切りましたが、宮崎の馬たちも順調に

調教を重ねており、自信をもって送り出せる状態に仕上がってきています。

 先日、宮崎育成牧場では日頃お世話になっている地元の皆様向けに「育成馬

見学会」を開催しました。この見学会は、成長した育成馬の姿を市民の皆様に

見ていただき、競走馬となってからも応援していただきたいとの思いで開催し

ております。

 風が強くややコンディションの悪い中での開催となってしまいましたが、多

くの市民の様にお越しいただきました。一度に複数頭を並べて見比べていただ

く比較展示を行い、間近で育成馬たちを見ていただくことができました。展示

中には「きれいに手入れされている馬ですね」とお褒めの言葉もいただき、

我々としても少しばかり誇らしい気分にさせていただきました。ありがとうご

ざいました。

 

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見学会では、市民の皆様が気に入った馬を牡牝それぞれ1頭ずつ選んでいただ

き、投票するイベントがあるのですが、今回は投票における人気馬をご紹介い

たします。

 

 牡馬の人気馬は、マチュアードの17(No.17 父ブラックタイド)です。

1歳時のセリで購買した際の評価も高かった馬ですが、順調に成長しており、

宮崎の育成馬の中で最も体高(164㎝)のある馬です。バランスのとれた馬体

と前向きな気性を持っており、非常に余裕のある走りをいたします。当育成牧

場はもちろん宮崎市民も期待の1頭です。

 

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左:No.17 マチュアードの17(父 ブラックタイド)

右:No.3 シャトルシャロンの17(父 ヨハネスブルグ)

 

 牝馬の人気馬は、アーリースプリングの17(No.48 父キズナ)です。

父キズナは本年2歳馬がデビューを迎える新種牡馬ですが、今回の投票結果か

ら種牡馬になっても現役時代と変わらずファンの多い馬であると感じます。

母系のブラックタイプには、スプリングソングやカレンチャンなどスピードの

ある馬の名前が多くみられますが、走りからは父が活躍した長距離でも期待が

持てそうな印象がします。気持ちがはやる素振りをみせるときもありますが、

スタッフの騎乗技術によって順調に調整できています。競馬場の広い馬場で存

分に走らせてあげたいと思わせる1頭です。

 

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左:No.31 タイムトラベリングの17(父 フェノーメノ)
右:No.48 アーリースプリングの17(父 キズナ)

 

今回の紹介した馬以外にも期待馬が数多くおりますので、中山競馬場で皆様に

見ていただく日を楽しみにしております。

育成馬ブログ(宮崎⑤)

○ソフトバンクホークス新人選手体験乗馬(宮崎)

 

 南国宮崎では、初春の風物詩となっているプロ野球球団のキャンプが2月1日

からスタートしています。昨年同様、巨人、ソフトバンク、オリックス(宮崎

市)、広島、西武(日南市)の5球団がキャンプインしています。

 昨年はリーグ優勝を果たした広島および西武、日本シリーズを制したソフ

トバンク、これらの全チームが宮崎県内でキャンプを行っており、宮崎県民に

とっては最高の年となりました。本年も宮崎でキャンプインしているチームか

らリーグあるいは日本シリーズを制するチームが出てくることを期待せずには

いられません。

 キャンプの休日には選手たちとの交流を目的として、宮崎県内で様々なイベ

ントが行われますが、2月4日にはソフトバンクホークスの新人選手7名が宮

崎育成牧場に来場して、乗馬を体験していただきました。

 この企画は本年のソフトバンクホークスのスローガンである「奪Sh」にちな

んで、「馬」のようにシーズンを全力で駆け抜けられるようとの趣旨の下、宮

崎市観光協会主催で行われました。

 ほとんどの選手が初めての乗馬ということもあり、騎乗直後は緊張していま

したが、一流アスリートだけあってすぐに乗こなし、片手で騎乗する選手も現

れるなど、その上達ぶりは目を見張るものがありました。

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「Softbank Hawks」のロゴを刈り込んだ乗馬に騎乗する甲斐野投手(左)と

7名の新人選手による集合写真(右)

 

 乗馬体験の後はポニーショーを見学していただきました。馬と触れ合うこと

によって、慣れないキャンプでの疲れを少しでも癒やしていただくことができ

たかなと思っています。7名の選手の今後のご活躍をお祈り申し上げます。

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ポニーショーを見学中の選手たち(左)と

ポニーの障害飛越にご協力いただいた奥村投手(右)

 

●育成馬の近況

 さて、宮崎育成牧場のJRA育成馬22頭の近況をお伝えいたします。最初

にウォーミングアップとして500mトラック馬場で直線をキャンター、コー

ナーを速歩という調教を左右3周ずつ実施しています。この調教は同じ環境で

同じ調教を実施することによって、メンタル面の安定を図ることを目的として

実施しています。

 一方、1600m馬場では2月から週1回の強調教を開始しています。牡は

2列縦列、牝は1列縦列で、ラスト2ハロンを15~14秒/ハロンのペース

で走行しています。BUセールまで調教をパターン化して、馬自ら「オン」と

「オフ」の切り替えができるように工夫していきたいと思います。


2月中旬の牡の調教

 

●育成馬調教見学会

 ここからは、2月16日(土)に開催いたしました「育成馬調教見学会」に

ついて触れさせていただきます。この見学会は、地元の一般来場者の方々が、

育成馬の疾走する姿を間近で見ることができるイベントです。毎年10月と3

月に開催している立ち馬展示をご覧いただく、「育成馬見学会」とともに、宮

崎の地で成長していく育成馬の姿を間近で見て、少しでも身近に感じていただ

くことを趣旨に実施しています。

 前日の降雨の影響もあり、当日は少し肌寒いなかでの開催となりましたが、

60名を越えるお客様にご来場いただきました。来場いただいたお客様には、

少し高台からブリーズアップセール上場予定馬が疾走する蹄音や馬の息遣いを

間近で感じていただきました。

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育成馬調教見学会少し肌寒いなかでの開催となりましたが、60名を超えるお客様に調教を見学していただきました

 

 参加していただきました方々には、この紙面をお借りして、改めてお礼申し

上げます。なお、3月23日(土)には「春の育成馬見学会」を開催する予定

です。「サポータズクラブ」にご登録いただいている皆様には、3月上旬にご

案内をお送りいたします。皆様のご来場をお待ちしております。

育成馬ブログ(宮崎④)

⦁ 本年もよろしくお願いいたします

 

 宮崎育成牧場から本年最初の投稿となります。昨年に引き続き「JRA育成馬

日誌」をよろしくお願いいたします。

 宮崎の今冬は暖冬で、冬至となった12月22日には最高気温が20度に達す

るなど、12月には馬服を装着していると発汗する日も少なくありませんでし

た。一方、年末には最低気温が氷点下近くに達する日も散見されましたが、1

月に入ってからは例年よりも暖かく、まもなくプロ野球のキャンプインという

ことを考えると、このまま春を迎えるのではないかと思うほどの暖冬を実感し

ています。
 

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年末の寒波ではパドックに吊り下げた水桶に薄氷が張っていました。

 

●育成馬の近況

 宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。最初にウォーミ

ングアップとして500mトラック馬場で直線をキャンター、コーナーを速歩

という調教を左右3周ずつ実施しています。その後は1600mトラック馬場

に場所を変えて、一列あるいは二列縦隊で1400mのキャンターを実施して

います。

 2月に入ると4月23日(火)のブリーズアップセールに向けて徐々にスピー

ド調教を開始しますが、それまでは「真っ直ぐ走行する」という基本を重要視

して調教を進めていきたいと思います

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1600m馬場での調教の様子。

「真っ直ぐ走行する」という基本を重要視して調教を行っています。

 

●競馬セミナー

 さて、宮崎育成牧場は育成業務の他にも、2010年から利用者登録制の「ウ

インズ宮崎」での場外発売業務を行っています。つまり、馬券(勝馬投票券)

を購入してJRAの競馬を楽しんで頂くことができます。

 しかし、宮崎県は日曜日15時からのフジテレビ系列でのJRA競馬中継が放

送されておらず、メインレースの馬券を購入しても、自宅においてリアルタイ

ムで楽しむことができないという状況でした。この状況を打開するために、

2016年よりMRT(宮崎放送)ラジオで日曜日の15時から「GOGO競

馬サンデー!」が放送されるようになりました。

 このようなご縁もあり、2016年から有馬記念の前日に、宮崎県の競馬初心

者の方に競馬を楽しんで頂くことを趣旨として、MRT主催の競馬セミナーを

開催しています。昨年は12月22日に宮崎の朝の顔として知られているMR

Tの瀬藤アナウンサーの進行で、当場の職員による「馬学講座」および「馬券

の買い方」に関する座学を実施した後、実際に馬券を購入して阪神カップ(G

2)などのレースを楽しんで頂きました。
 

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当場職員による「馬券の買い方」講座の様子。

 

 メインレースの阪神カップは波乱の結果となりましたが、複勝で的中されてい

る参加者がいらっしゃいました。最後は競馬通の瀬藤アナウンサーによる有馬

記念の予想を参考に、有馬記念の前日発売馬券を購入して解散となりました。

初めて馬券を買った方がほとんどでしたが、競馬の楽しさを感じていただけた

のではないかと思っております。

 

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競馬通の瀬藤アナウンサーによる有馬記念の予想の様子。

 

 参加者の皆様方には、宮崎育成牧場で競走馬の卵が育成されているということ

も知っていただきましたので、当場で育った育成馬を地元宮崎の方々に応援し

ていただき、期待に応えられるように育成業務に励みたいと思います。

育成馬ブログ 宮崎③

○ 育成馬見学会と秋の馬事イベント(宮崎)

●育成馬の近況

 宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。9月上旬から

騎乗馴致を開始している1群(牡馬10頭)は、500mトラック馬場での速

歩およびハッキングを実施し、その後1600mトラック馬場において

1000mのキャンターを一列縦隊で実施し、手前を変えて1200mの

キャンターを2列縦隊で実施しています。

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1群牡の500m馬場(左)および1600m馬場(右)での調教の様子。

 

 一方、10月上旬から騎乗馴致を開始している2群(牝馬12頭)は、牡

同様に500mトラック馬場での速歩およびハッキングを実施し、その後

1600mトラック馬場において1200mのキャンターを一列縦隊で実施し

ています。

 スピードは1群および2群ともにハロン25秒程度とゆっくりとし

キャンターですが、年内は落ち着いて真っ直ぐ走行させることを主眼に置い

て調教を進めていきたいと考えています。

 

●育成馬見学会

 「秋の育成馬見学会」を10月27日(土)に開催しました。このイベント

は、毎年10月下旬と3月中旬の年2回実施しております。地元宮崎にお住ま

いのお客様に宮崎の地で成長していく育成馬の姿を間近で見て、少しでも身近

に感じていただくこと、さらに3月の見学会では「サポーターズクラブ」と題

して、お気に入りの牡馬および牝馬をそれぞれ1頭ずつ選んでいただき、その

馬が競走馬として活躍した際にはゴール前写真をプレゼントするなど、JRA

育成馬への応援を通じてより競馬に親しんでいただくことを趣旨に実施してい

ます。

 今回の育成馬見学会には、59名ものお客様にご来場いただきました。この

ような大勢の方々の前での展示は育成馬にとっては入厩後初めての機会となる

ため、普段と異なる雰囲気を察知して落ち着かない馬も散見されましたが、ほ

とんどの馬は大人しく駐立することができました。

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育成馬見学会の立ち馬展示(左)と厩舎内見学(右)の様子。

 

 参加いただいた方々に、「現時点におけるお気に入りの馬」を投票いただき

ました結果、牡馬はシンギングセンセーションの17(父:ヴィクトワールピ

サ)、牝馬はナムラメロディーの17(父:ゴールドシップ)が1番人気とな

りました。育成馬見学会に参加していただきました方々には、この紙面をお借

りしてお礼申し上げます。

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牡馬はシンギングセンセーションの17(左 父:ヴィクトワールピサ)、

牝馬はナムラメロディーの17(右 父:ゴールドシップ)が1番人気となりました。

 

●秋の馬事イベント

 ここからは宮崎で行われた秋の馬事イベントについて触れてみたいと思いま

す。ず、11月4日(日)には「第37回綾競馬」が宮崎県綾町の綾馬事公

苑内錦原競馬で行われました。当日は11レースが行われ、サラブレッド

25頭とポニー24頭が出走しました。

 馬券は発売されていませんが、綾町の特産品を購入すると、その中にレース

毎に2頭の馬番号が記された「お楽しみ券」が入っていて、券に記された2頭

の馬が1、2着に入ると景品がもらえるクジのような仕組みになっており、

「お楽しみ券」を手にした観客はレース毎に一喜一憂していました。「お楽し

み券」を購入していなくても、観客席と走路が非常に近く、草競馬ならではの

迫力が楽しめるのが最大の魅力となっています。宮崎育成牧場からはミニチュ

アポニー2頭を連れて行き、展示およびポニーショーで来場者に馬との触れ合

いを楽しんで頂きました。

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臨場感あふれる綾競馬(左)とポニーショー(右)の様子。

 

 また、11月10日(土)には当場において「市民馬術大会」が行われ、当

場の職員、当場で活動する少年団員、宮崎大学馬術部員が参加して4つの競技

が繰り広げられました。少年団員にとっては初めての競技となる団員もおり、

無事にゴールすると温かい声援が送られたり、昨年のBUセールを欠場した

「元育成馬」の障害飛越競技デビューも行われるなど、ローカル馬術大会なら

ではの参加者および観客とも楽しい大会となりました。

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競技デビューとなる少年団員(左)と元育成馬(右)の競技中の様子。

育成馬ブログ(宮崎②)

○ 馬に親しむ日の開催とサマーセール購買馬の入厩(宮崎)

 

 今回は少しさかのぼりますが、8月末に行われた「馬に親しむ日」とHBA

サマーセール購買馬の入厩について触れてみたいと思います。

 

●馬に親しむ日

 本年で第30回を迎えた「馬に親しむ日」は、8月26日に開催されました。

「馬に親しむ日」の名のとおり、乗馬試乗会、流鏑馬(やぶさめ)、ホース

ショー、ポニーショー、草競馬、そしてポニー競馬の他、第30回記念イベン

トとしてアンダルシアンホースダンスショーなど盛りだくさんのイベントが行

われました。特に、東京競馬場所属の人馬で繰り広げられたアンダルシアン

ホースダンスショーでは、後肢2本で立ち上がる「クールベット」など普段見

ることのないダイナミックな馬の動きに、お客様からは大きな歓声が上がって

いました。

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アンダルシアンホースダンスショーでの後肢2本で立ち上がる

「クールベット」の様子

 

 「第10回ジョッキーベイビーズ」の九州地区代表の切符をかけ、10頭が

参加したポニー競馬は、鹿児島県から参加の「ルナクイーン号」に騎乗した吉

永梨乃さん(小学5年生)が好位から抜け出し、九州地区代表の座に輝きまし

た。数年前と比べてもポニー競馬に参加した子供達の騎乗技術のレベルは上が

ってきており、来年はさらに熱い戦いが予想されます。

 

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ポニー競馬はルナクイーン号(3番赤)に騎乗した吉永梨乃さん

(小5)が優勝し、「第10回ジョッキーベイビーズ」の九州地区代表の座に

  輝きました。

 

 今年もスペシャルゲストとして、宮崎県三股町出身、宮崎育成牧場の乗馬スポ

ーツ少年団OGでもあり、名古屋競馬で活躍中の木之前騎手をお招きし、トーク

ショー、ポニー競馬のパドック解説のみならず、ポニー競馬の表彰式のプレゼ

ンターまでお願いしました。木之前騎手のポニー競馬に参加した騎手たちへの

声援と温かいまなざしは、とても印象的でした。

 

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スペシャルゲストの木之前騎手(右)から「第10回ジョッキーベイ

ビーズ」の招待状を受け取る優勝騎手の吉永梨乃さん(右から2番目)

 

 晴天に恵まれたとはいえ、日差しが強く気温の高い中、6,200名ものお客

様に来場していただきました。普段、馬とはあまり身近でないお客様が、この

ようなイベントを通じて馬と触れあうことによって、馬のみならず競馬への興

味を深めていただけたのではないかと思っております。ご来場いただきました

お客様、ならびにご協力いただきました関係者の皆様には、この場をお借りい

たしましてお礼申し上げます。

 

●サマーセール購買馬の入厩

 馬に親しむ日が終わると、育成業務が本格化します。北海道から44時間の

輸送を経て、8月31日には宮崎育成牧場所属の育成馬15頭が宮崎に到着し

ました。これにより、本年度の宮崎育成牧場繋養馬22頭(牡10頭、牝12

頭)が全て入厩いたしました。

 入厩後には、「神日本磐余彦天皇(神武天皇)」をご祭神とし、宮崎競馬場

誕生とも深い関わりのある「宮崎神宮」の権禰宜によって、人馬の安全を祈願

する入厩に関わる神事および馬場清め式を執り行っていただきました。神事当

日は晴天に恵まれ、厩舎および馬場のお祓いを受けるとともに、玉串を捧げて、

人馬が事故なく安全に調教を行えるように祈念いたしました。

 現在、牡は500m馬場でのハッキングでの騎乗が可能となり、牝はドライ

ビングを中心に騎乗馴致を実施しています。次号では騎乗馴致の様子をお伝え

しようと思います。

 

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「神武天皇」をご祭神としていることで知られている「宮崎神宮」の

権禰宜による「入厩神事」の様子