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もう一つの函館競馬場にしかないもの、それは・・・

こんにちは、函館競馬場からHですpig

7月も中旬になり、世間ではこれから夏休み気分になってくるころですが、今年の函館競馬は今週でおしまい。

結構忙しかったですけど、電撃の6週間はやっぱり短いですねweep

少々センチな気分にもなってしまいますが、最後の1週もよろしくお願いしますhappy02

   

ところで、以前のブログで函館競馬場が唯一とか一番のものをいくつか紹介しましたが、憶えていらっしゃいますか?

おさらいとして、

     馬温泉があるsign01

     ダッグアウトパドックがあるsign01sign01

     海に近いsign01sign01sign01

     空港に近いsign01sign01sign01sign01

以上の4つをご紹介させていただきましたが、実は他にもあるんです。

それが、

  

     馬用の手術室があるsign03    なんですgood

JRA施設の中で、手術室は両トレセン・競走馬総合研究所(本所)・日高育成牧場にもありますが、競馬場内にあるのは函館だけscissors

おそらく、地方競馬場を入れても函館競馬場だけだと思います。

今回は、その手術室についてご紹介させていただきます。

  

これが函館競馬場の手術室です。

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中央に置かれた手術台+マットの上に馬を寝かせて、手術をします。

人の手術室を大きくしたような感じと言えば想像つきやすいでしょうか。

写真には写っていませんが、この周りに検査機器や肢の固定具などが用意されています。

また、馬の手術室には人の手術では必要のない施設が併設されています。

それがこれ、倒馬室&回復室です。

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写真だとわかりづらいですが、プロレスのリング(約6メートル四方)ぐらいあります。余計わかりづらいかもしれませんが・・・

左側の大きいドアのようなものが、倒馬用のスイングドアです。

この部屋は、手術の際麻酔をかける専用の部屋で、同時に手術後麻酔からさめた馬を起こす時にも使います。

それでは、この手術室での競走馬の手術の模様をご紹介いたします。

今回ご紹介するのは、函館競馬に出走し残念ながら左腕節の骨に剥離骨折が見られた馬の手術で、『内視鏡下骨片摘出手術』を行ったものです。

まず、麻酔薬やその他の薬剤を血管内に投与するためのカテーテルを頸静脈に留置し、

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準備をしている間に、術部の毛をバリカンで刈ります。

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その後、倒馬&回復室に馬を連れて行き、スイングドアの間に馬を入れて、馬に麻酔を静脈投与します。

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スイングドアを閉めその間に馬を入れ、麻酔薬を投与して馬を倒します。

初期の麻酔がかかったら、

吸入麻酔を行うための気管チューブを口から挿入した後、手術室に馬を運びます。

ところで、皆さんはあんなに大きい馬をどうやって運ぶと思いますかsign02

実は、下の写真のようにクレーンで吊り上げて手術台の上にのせるんですhappy02

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一見危なそうにも見えますが、ちゃんと麻酔がかかっていれば馬も人も危険なことはありません。

手術台にのせた後は、気管チューブを吸入麻酔器につないで、

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手術部位を消毒します。

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手術する人と器具はこんな感じ。

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テレビとかで見る人の手術と見比べると手術する人の格好や道具は似ているでしょ。

それもそのはず、馬の手術で使う道具は多くが人用の手術器具を利用しています。

吸入麻酔が安定してきて準備が整えば、手術開始です。

まず、手術部位以外を“オイフ(覆布)”と呼ばれる滅菌された布(紙)で覆います。

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手術する部分のみを露出させて、それ以外の部分をオイフで覆います。

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完成するとこんな感じ。

手術準備ができたら、まずは触診で関節鏡と手術器具を挿入する部分を確認し、器具を入れていきます。

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器具を挿入する部分を確認して、最初にメスで切開した部分から関節鏡を挿入し、

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モニターで画像を見ながら摘出する骨片を確認し、手術器具を挿入します。

関節鏡と手術器具の準備ができたら、モニターで確認しながらいろいろな器具を使って遊離骨片を持ち上げた・りつまんだり・引っかいたりして取り出します。

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時にはノミとカナヅチを使って骨を削ることもあるので、そばで見ているとまるで大工作業のようです。

遊離骨片を摘出して周りの軟骨部分を修復できたら、レントゲンで手術部位に取り残した骨片がないことを確認して、関節鏡と器具を挿入した部分を縫合して、包帯を巻いたら手術終了となります。

終了後は、手術室に運んだ時と同じように、馬をクレーンで吊って回復室に運びます。

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馬が麻酔から醒めるまで4050分、馬を起こす時にも細心の注意が必要になるのですが、私も作業を手伝っていたので、今回は写真でご紹介することができませんでした。スミマセン。

今回の手術で切開した傷の大きさは箇所とも1~2cmで、順調ならばその傷口は1週間ほどでくっつくので、通常手術の8日後に退院となります。

腕節の剥離骨片を摘出した部分は、新しく軟骨が再生されるまでしばらく時間がかかるので、レース復帰までは数ヶ月を要します。

このように、馬が骨折した場合の手術やリハビリは結構大変なもんなんですよ。

ただ、治療に携われた馬が無事に走ってくれると嬉しい気持ちも大きいんですけどね。

  

また機会があれば、馬の治療について紹介させていただきますので、お楽しみにscissors

 

  

話は変わって、明日1年ぶりにメジロライアンの展示イベントがあり、本日函館競馬場に無事到着しましたsign03

昨年よりも少々年を取った感じもありますが、とりあえず元気な姿を見ることができて、よかったよかったhappy01

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明日は何とか天気も味方してくれそうで、皆さんの前でライアンの雄姿をお見せできると思いますので、是非函館競馬場にいらしてください。

皆さんに、お会いできるのを楽しみにscissors

函館競馬場からHでしたpig