地上最高のアウトドアショー ~スタンピード~
こんにちは、カルガリー大学で研究留学中の運動科学研究室の高橋です。
今回は、ここカルガリーで伝統となっている馬を用いた行事をご紹介します。カルガリーは石油の街として発展してきましたが、牧畜業から始まった街でもあります。そのため、毎年7月上旬の10日間、カウボーイの精神と文化をお祝いするスタンピードというお祭りがあります。愛称は「The Greatest Outdoor Show on Earth」と呼ばれ、100万人以上が国内外から来場すると言われています。100年以上前から続くカルガリーの伝統的なお祭りです。
数百頭の馬がダウンタウンの街を行進するパレード(図1)を皮切りに、激しい動きをする馬の上に綺麗な姿勢でどれだけ留まっていられるかを競うロデオや、樽を指定された順番に回ってくるバレルレース、4頭のサラブレッドが1つの馬車を曳き、コースを1周するチャックワゴンレースなど馬にまつわるイベントもたくさんあります(図2, 3)。チャックワゴンレースはスタンピードのメインイベントの1つで、夜の8時頃から毎日開催されます。
図1.ダウンタウンのパレードの1コマ
図2. ロデオやチャックワゴンレースの会場
図3. 1周1000m程の比較的小さめのトラック
これらのウマのイベントの他にも、移動遊園地が設営されたり、様々なアーテイストのライブコンサートもあるので、どの世代にも楽しめるイベントとなっていました。
余談ですが、樽を指定の順番に回るバレルレースは主にクオーターホースが走ります。最高速度は時速50-60km程度まで迫りますが、スタートからゴールまで20秒程度というとても短い運動時間にも関わらず、運動誘発性肺出血(EIPH)はよく起こるようです。当研究室の杉山が執筆したJRA平地競走における鼻出血のリスク因子に関する論文(Sugiyama et al., Animals 2023)でも短距離レースで鼻出血の発症が多いので、短い運動に特徴的な何かがEIPHや鼻出血発症に関わっているのかもしれませんね。以下がJRA平地競走の鼻出血発症要因に関する論文のリンクです。興味がある方はぜひご一読ください。