Spring lamb(スプリング・ラム)の季節になりました
企画の桑野です。
さて、競走馬総合研究所(総研)では、毎年恒例のヒツジたちの毛刈りシーズンがやってきました。
毛刈りの時は霰もない姿で毛刈りおじさんに身を任せます
すっかり綺麗になってスッキリ顔
春を過ぎて梅雨に入りかけるこの季節、イギリスをはじめ北半球の牧野では、春になって一気に茂った栄養豊かな牧草を食した子羊たちが丸々と太って美味しくなるのをご存知でしょうか?スプリング・ラムと呼ばれる良質の子羊肉は、この時期、イギリスではちょっとお高くなり、贅沢な食材として人気があります。ロンドンの有名デパート“ハロッズ”でも、この時期の子羊を取り扱っており、肩肉がkgあたり24ポンド(5000円弱)で売られています。
左図;イギリスの広大な平原にでは羊たちがのんびり草をはむ
右図;ロンドンのハロッズで売られているラム肉の例
ラムの定義は、生後1年未満の子羊の肉を指します。実際は、こんな小さな羊では肉量も少ないですし、そもそもかわいそうで食べられません。流通しているラム肉は1歳から2歳未満の大きくなった子羊で、その肉は正確には英語でホゲットと呼ばれます。2歳を過ぎた肉がマトンです。マトンは臭みが出てくるのでお嫌いな方が多いでしょう。
さて、ラム肉には、含まれているビタミンの種類が多く、必須アミノ酸と呼ばれる体に必要なアミノ酸も豊富で、さらに牛肉や豚肉に比べるとカロリーも低いことから健康や美容に良いと言われています。のみならず、ラム肉の脂肪は動脈硬化を起こすトランス脂肪酸(悪玉脂肪酸)が非常に少なく、ラードやマーガリンを食べるよりずっと健康に良いことも知られています。最近の健康志向から、日本でもラム肉は見直されてきており、農水省の発表では平成30年以降は羊の国内飼育頭数が微増傾向にあるそうです。
日本の羊の飼育頭数は北海道が群を抜いて多く、国内頭数の60%を占めています。そのためか、北海道では普通のスーパーにお手頃な価格でラム肉が売られています。次いで飼育頭数が多いのが岩手県、次いで長野県、その次が総研のある栃木県なのですが、私は栃木県内でラム肉が売られているのをほとんど目にしたことがありません。栃木県内で飼育されている羊は、取引先が東京のような都会なのかもしれませんね。高級志向なのでしょう。お手頃価格で売っていたら…と、ちょっと北海道の皆様が羨ましいです。
なお、総研は食べるために羊を飼っているのではありません!