競走馬の熱中症予防
運動科学研究室の胡田です。
お盆が過ぎ、暑さのピークは過ぎたかと思いますが、まだまだ暑い日が続いております。
夏に注意しなければならないことといえば熱中症ですね。
さて、この熱中症ですが、人だけでなく、馬ももちろんかかります。
近年、35℃以上の猛暑日といわれる日数は年々増加傾向にあり、夏季に屋外で行われるスポーツでは、この熱中症への対策は不可欠となっています。もちろん、競馬も例外ではありません。
熱中症の予防には、上昇した体温を速やかに下げることが重要です。そのため、競走馬ではレース後にシャワーによる水冷を行うことを推奨しています。
これは、暑い環境で運動を行った直後からの体温の変化のグラフです。
運動が終わった直後は41℃を超えていた馬でも、冷たいシャワーをかけ続けることで10分後には38℃(馬の平熱)まで低下していることが分かります。
一方、冷却を行わなかった馬では、30分後も依然として体温が40℃近いままであることから、シャワーによる水冷がいかに効果的であるかが分かるかと思います。
現在では、競馬場の様々な場所にシャワーが設置されており、競走後に速やかな水冷を行えるようにすることで、熱中症対策を行っています。
この後も厳しい残暑が続くことが予想されますが、皆様も体調には十分お気をつけてお過ごしください。