馬の発汗による体温調節
運動科学研究室の胡田です。
本格的な夏が到来し、暑い日が続いていますね。
ということで、本日は夏における馬の体温調節機能についてのお話です。
体温調節に欠かせない機能として知られる発汗ですが、
暑いときに多量に汗をかく動物というのは意外に少なく、
人や馬くらいなのだそうです。
確かに犬や猫は暑くても肉球が少し汗ばむ程度ですね。
みなさんは競走馬や乗馬で、写真のような白く泡立った汗は
見たことありませんか?
白い汗の成分はラセリンと言って、石鹸などの界面活性剤に
似た成分が含まれています。
馬は被毛が多く、体についた水が広がりにくい性質を持っていますが、
このラセリンによって汗が泡立つことで、汗が体全体に広がりやすくなり、
熱を効率よく放出できるというメカニズムを備えています。
一方で、汗には水分だけでなく様々なミネラルも多く含まれるため、
汗をかいた後には適切な水分、電解質の補給を欠かさないように
気を付けることが大切です。
皆さんも水分や電解質不足には十分気をつけて夏をお過ごしください。