ローソニア感染症の研修(タイ王国)-観光編-
微生物研究室の丹羽です。
本年7月、ローソニア感染症の抗体検査法やその原因菌であるLawsonia intracellularis (LI)の培養法を習得するため、ローソニア感染症研究の第一人者であるタイ国立チュラロンコン大学のWattanaphansak博士の研究室に約3週間の技術研修を受けてまいりました。前回は研修先での暮らしについてお話をしましたが、今回は研修中に訪れることができた観光スポットについてご紹介したいと思います。
1. バンコク
タイ人の約90%は仏教徒であり、バンコクには三大寺院と呼ばれるワット(寺院)・プラケオ、ワット・ポー、ワット・アルン、新たに注目されているワット・パクナムなど数多くの寺院が存在しています。それぞれに異なった趣のある寺院でした(写真1)。また、バンコク市内にはチュラロンコン大学のメインキャンパスもあり、獣医学部もその中に位置しています。
2. アユタヤ
アユタヤは、14〜18世紀まで栄えたアユタヤ王朝の中心部であり、アユタヤ王朝時代の遺跡と象乗りが観光の目玉となっています。ビルマ軍との戦争ですべての仏像の頭部から上が切断されたワット・マハタートという遺跡内には菩提樹の根に覆われた仏頭はあり、とても神秘的な光景でした。
3. ナコンパトム
研修先となったナコンパトムは今でこそ自然豊かな小都市ですが、タイ国内で最も歴史のある街です。中心部には世界一高い仏塔であるプラ・パトム・チェディがあります。また、衝撃的かつ絶品のエビ(火山エビ)料理を提供する「グンオッププーカオファイ」というレストランが有名です。
4. ホアヒン(番外)
国土の全体が熱帯に属するタイにはコブラを始め数多くの毒蛇が生息し、人や家畜に大きな被害をもたらしています。それらの毒蛇の脅威から身を守るためにはヘビ毒に対する抗体が必要となりますが、抗体の作製には馬が用いられることがあります。タイではシリントーン王女が理事長となり、赤十字社が運営しているQueen Saovabha Memorial Instituteが馬を使用して抗体を作製しています。パタヤと並ぶ海辺の観光スポットであるホアヒンの近郊に位置し、ヘビ毒抗体産生用の馬が飼養されている牧場を見学することができました(写真4)。
いかがだったでしょうか?
最後に、研修先でのローソニア感染症に関する最新の研究手法や研究室のメンバーの心温かい気遣いに触れ、研修前は国名ぐらいしか知らなかったタイ王国が、もう一度必ず訪れてみたい国になったことをお伝えし、本研修に関するブログを終わりにしたいと思います。