【競馬学校】教官のひとりごと~騎手課程26期生 はじめての参観日
戦後初、64年ぶりに牝馬としてダービーに優勝したウオッカの快挙の余韻が残る競馬界ですが、今週は「東京競馬場5週連続GⅠ」の最後を飾る安田記念。
競馬学校で入国検疫を受けていた香港勢4頭は、今朝10時35分に東京競馬場へ向けて出発しました。競馬学校では国際交流競走に出走するため来日した外国馬の調教の模様と、広報発表用の関係者の方の談話をプレスリリースしていますが、談話での彼らの自身に満ちた言葉どおりに、それぞれの持ち味を生かしたレースぶりで日本のファンを沸かせてほしいものです。今日のスポーツ各紙では、香港馬の話題を大きく取り上げているものがあったようですね。
さて、今日の話題は「授業参観」。騎手課程26期生(1年生)の保護者の皆さんにとっては、4月の入学式以来の競馬学校訪問ですので、この間、生徒とは電話で話すことはあっても、直接顔を合わすことはなかったわけです。それだけに、どれだけ上手く馬に乗れるようになったかと期待しておいでになったことと思います。
まず、覆馬場(屋内)で基本馬術の実技訓練の模様をご覧いただきました。保護者の方は、教官の「基本馬術は今後走路に出るための基礎として非常に重要ですが、この時期我々が一番大事だと思っているのは、現時点での騎乗技術の巧拙ではなく、教官の指示・注意に対する反応です。教官は、きちんと大きな声で「はい」と返事をすることで、生徒が指導を理解しているかどうかを判断し、次の指示へとつながるわけです。それが上達には欠かさないのです。」といった説明に真剣に耳を傾けておられましたが、さすがに約2ヶ月ぶりの対面。我が子の訓練の番になると、その姿をカメラにおさめられる様子が見られました。
続いては、教官と保護者との面談です。競馬学校に入学して間もないこの時期、我々が一番心配するのが「お菓子」をはじめとする食べ物のこと。自分できちんと栄養・体重管理ができるかが、卒業まで強い意志を持って臨んでいけるかどうかの分岐点になります。
例外なく毎年1年生の春には、休日の外出時にお菓子などを食べ過ぎたことにより体重超過でペナルティを受ける生徒が出ていますので、保護者の方もこのことを十分理解していただき、親元を離れて心配する余り、過度に愛情を注がないということも、親のサポートのひとつであるということを中心に説明させていただきました。
世間の常識に照らせば厳しすぎるのでは?と思われるでしょうが、これができないことには、3年後に中央競馬の騎手としてデビューするのが難しいというのが現実なのです。