育成馬ブログ 日高③

○  本年もよろしくお願いいたします(日高)

 

日高育成牧場から本年最初の投稿となります。

昨年に引き続き、

同ブログならびにJRA育成馬をよろしくお願いします。

 

今年も1月5日の金杯から中央競馬がスタートしましたが、

この日の京都12レースで

JRA育成馬のオールインワン号が3勝目をあげ、

幸先の良いスタートを切る事ができました。

オーナーはじめ関係者の皆さま、おめでとうございます!

 

さて、JRA育成馬たちは

この年末年始を放牧とウォーキングマシン運動で過ごしました。

短期休養でリフレッシュした育成馬たちは

4日から通常調教を再開しています。

今回は、育成馬達の近況と年末年始のトピックスをお伝えします。

                       

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写真1.調教後のクーリングダウンで屋内馬場の外周を歩く育成馬。

トレーニング後に日高の澄んだ空気を吸うと人馬共にリラックスできます。

  

 

育成馬の近況

 

まずはJRA育成馬の近況をお伝えします。

昨年内は騎乗馴致を開始した時期ごとに

3群にわけて調教を行っていましたが、

全馬の足並みが揃った現在は皆が同じメニューをこなしています。

 

基本メニューは

屋内800mトラックをキャンター1周(縦列:ハロン22秒程度)した後、

手前を変えてキャンター2周(2列縦隊:ハロン20秒程度)する調教です。

12月以降はこれに加えて週2回の坂路調教も行っています。

 

1月現在、坂路調教日には

屋内800mトラックでウォーミングアップ

(キャンター2周:ハロン22秒程度)をしてから、

1000m坂路1本(ラスト3ハロンを20-20-20秒)を駆けあがっています。

 

調教時には定期的に心拍数の測定と血中乳酸値の測定を行い、

馬の体力を見た目(客観的データ)だけでなく

科学的指標でも判断するようにしています。

当初はハロン20秒のイーブンペースのキャンターで

息を切らして汗まみれになっていた馬たちも、

現在は爽やかな顔をして登坂できています。

心拍数や血中乳酸値の値からも馬の成長が伺えるので、

間もなく次のステップに進むことができそうです。

 

 

動画1.坂路調教映像。先頭馬は馬場の中央を真直ぐ走行し、

後続馬は前馬の真後ろでじっと我慢して走行することを目標にしています。

先頭を走るのはオウバイの15(牡、父:トーセンホマレボシ)。

 

  

浦河および荻伏軽種馬生産振興会青年部の視察

 

続いて年末年始のトピックスを紹介します。

昨年12月6日、浦河・荻伏地区の青年部メンバーによる

育成馬見学会が行われました。

当日は青年部メンバーがピックアップした

21頭の育成馬を比較展示し、

あわせて800m馬場での調教風景も見ていただきました。

生産者やコンサイナーである青年部メンバーと

様々な意見交換を行うことができ、

私たちにとってもとても良い刺激になりました。

是非また見に来ていただければと考えています。

 

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写真2.育成馬の展示風景。3~4頭にわけた比較展示を行いました。

 

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写真3.調教風景。角馬場で準備運動を行った後、

800m馬場で調教を視察してもらいました。

  

 

BTC利用者との意見交換会

 

続く12月8日、当場で恒例となった

“BTC利用者との育成に関する意見交換会”を開催しました。

テーマは前年のアンケート結果から

「若馬のゲート馴致について」を選びました。

当日は競馬開催時に発走委員として執務しているJRA職員も出席して、

①JRA育成馬のゲート馴致

②トレセン入厩に向けたゲート練習

についての話題提供を行ってから会場の参加者と意見を出し合いました。

 

今回、特に白熱した意見交換が行われたのは、

ゲートから馬を後退させて後扉から出す

「後出し馴致の活用法」と、

「ゲートが怖くなってしまった馬の矯正方法」です。

ゲート馴致に対する考え方や

ゲート試験に向けたアプローチは様々ですが、

育成に携わる参加者同士で意見交換を行う非常に有意義な時間となりました。

 

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写真4.意見交換会当日の風景

  

 

騎馬参拝

 

元旦翌日の1月2日、

こちらも恒例となった「騎馬参拝」が行われました。

人馬の無病息災を祈願するため、

日高育成牧場から西舎神社まで乗馬に騎乗して参拝します。

今年は好天に恵まれ、

多数の参拝者が見守る中を全馬無事に参拝することができました。

人馬ともに怪我のない1年になることを祈っています。

 

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写真5.騎馬参拝に臨む人馬

  

寒さも厳しくなって参りましたが、

是非ともJRA育成馬の姿を見にお越しください。

日高育成牧場では、皆様のご来場をお待ちしております!

 

育成馬ブログ 生産編③「その2」

おとなしい馬?or うるさい馬? その2

 

ブルーシート馴致を実施して、

当場の子馬5頭を刺激に対する反応で

大きく2つのグループに分けることができました。

 

今回は「刺激に対する反応」という

性格の1面のみにフォーカスしていますが、

結局のところ「おとなしい」と表現されている馬は、

「様々な刺激に対する反応が少ない、もしくは遅い」

「多くの刺激を過去に受けており、鈍感になっている」

「人に従順」

「活力(元気)がない」

などのうちのどれか、もしくはいくつかが重複しているのかもしれません。

 

一方、「うるさい」と表現される馬は、

「様々な刺激に対する反応が敏感で早い」

「様々な刺激に対する経験に乏しい」

「こわがり」

「テンションがあがりやすい」

「人の指示に従わず自己主張してくる」

「人の指示を理解できない」

「活力(元気)がある」

などがあげられるかもしれません。

  

このように考えると、

馬の性格を「おとなしい」と「うるさい」の

単純な二元論では分けられないことが理解できますし、

いくつかの性格に関しては、

生まれ持った性質である一方で、

残りのそれはトレーニングや人の接し方で

反対側の性格に変えることも可能です。

 

競走馬や将来競走馬になる育成馬にとって

必要な性格を上から選択していくと、

「人に従順」

「活力(元気)がある」

などは異論がないかもしれません。

 

それでは「刺激に対する反応」については、いかがでしょうか? 

観光用の乗馬であれば、

乗馬未経験者が騎乗する機会が多いため、

むしろ「反応が遅い、鈍感」の馬が適しているのかもしれません。

 

しかし、競走馬は

「素早くゲートから出る」

「ゴール前一瞬のスピードで前の馬をとらえる」

など、どちらかというと刺激に対しては敏感で反応が素早く、

状況によってはテンションが上がり易い性格も1つの武器になりえます。

 

このため、このようなサラブレッド特有の

「反応の過敏さ」と上手くつきあっていくことが、

競走馬や育成馬を取り扱う人間には求められるのです。

 

例えば、騎乗馴致やゲートなど

競走馬になるために避けて通れないいくつかのステップについては、

個々の性格を考慮して、

馬によっては他の馬よりも、

ゆっくり時間をかけて経験させることが重要です。

 

また、馬の過敏な反応に人間が呼応しないことも重要です。

怖がって反応している馬に対して、

扱う人間が同じように過敏に反応してしまっては、

さらに馬の恐怖は増幅されます。

このため、人間は泰然自若として、

落ち着いた態度で接することで、

馬を落ち着かせることが必要となります。

むしろ、馬は恐怖を感じる状況で、

落ち着いた態度をとる人間をリーダーとして認めます。

 

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馬の過敏な反応に人間が呼応しない

 

 

そういう意味では、恐怖を感じている馬に対して、

人間が短気を起こして怒ることは

全くもって逆の事をしているといえます。

このようなことから、

サラブレッド競走馬を取り扱う人には、

個々の馬の性格や馬が何を感じているのかを把握し、

それに応じた対応をとることができる

一定の技量と豊富な経験、

そして冷静で落ち着いた態度が必要なのかもしれません。

 

「うるさい馬」とは本当はどのような性格か、

なぜ「うるさく」感じられるのか、

今一度、馬と向き合って考える時間を設けてみてはいかがでしょうか。

 

【ご意見・ご要望をお待ちしております】

JRA育成馬ブログをご愛読いただき誠にありがとうございます。

当ブログに対するご意見・ご要望は

下記メールあてにお寄せ下さい。

皆様からいただきましたご意見は、

JRA育成業務の貴重な資料として活用させていただきます。

アドレス jra-ikusei@jra.go.jp

活躍馬情報(事務局)

12月24日の阪神2R(2歳未勝利)で、

日高育成牧場で育成されたマイブルーヘブン号が優勝しました。

ダート替わり初戦の、通算3戦目で初勝利をあげました。

 

D3s_4588201612242r

12月24日 5回阪神競馬8日目 第2R  2歳未勝利 ダ 1,800m

マイブルーヘブン号(ウルトラペガサスの14) 牡

【 厩舎:高橋 義忠 厩舎(栗東) 父:ルーラーシップ 】

なお、両馬は本年4月に開催された

2016年JRAブリーズアップセールで取引されました。

今後のさらなる活躍を期待しております。

育成馬ブログ 生産編③「その1」

おとなしい馬?or うるさい馬? その1

 

競走馬や育成馬の個々の性格を語る際に、

彼ら(彼女ら)を取り扱う人が

「おとなしい馬」と「うるさい馬」

の二元論で表現することが時々あります

(以前と比較して随分と少なくなった気がしますが)。

果たしてこれは正しい表現方法なのでしょうか?

 

おそらく、もっと多くの表現方法があるはずですし、

たとえ1頭の馬でも、

場所や状況に応じて雰囲気や態度が異なることもあると思います。

今回の当欄では、馬の様々な性格に関して、

人間がどのように向き合っていったら良いのか、

当場の子馬達の現在の様子を紹介しながら、

考えていきたいと思います。

 

本年産のJRAホームブレッド5頭は

12月現在で8~9か月齢、

離乳後に現在の放牧地に移動してきてから

3か月以上が経過しました。

 

前回のブログで紹介したように、

どの馬も「集放牧時の駐立や常歩検査の練習」、

「後膝レントゲン馴致」を問題なくこなします。

  

毎月1回実施しているノドの内視鏡検査も、

軽く鼻をつまむだけで素直に受け入れてくれます。

鼻粘膜を傷つけるほど強引に内視鏡を挿入しない限り、

痛みを伴う検査でもないので、

鼻捻子を使用しませんし、枠馬にも入れません。

  

 

当歳馬の内視鏡

  

このように、こちらの要求の多くを受け入れてくれる子馬達にも、

さらなる経験を積ませたいとの考えから、

新たにブルーシートを用いた引き馬を始めました。

 

これは、いつもの集放牧の際に、

ブルーシートの上を歩かせるという単純なものですが、

歩く際のシートのガサガサした音や、

時折風に煽られて膨れ上がるシートに

恐怖を感じて近寄らない馬もいるほどで、

彼らにとって難易度は低くなさそうです。

  

しかし、実施後2週間が経過すると、

面白い傾向を観察することができました。

当たり前のことかもしれませんが、

5頭(①~⑤)それぞれの反応が異なるのです。

 

 

当歳ブルーシート馴致

  

①全く反応せずに躊躇なく通過

②多少気にするが躊躇なく通過

③警戒心強く近寄らず、怖がりながら通過

④警戒心強く、なかなか近寄らず、一歩一歩慎重に、怖がりながら通過

⑤警戒心かなり強く、全く近寄らず、一歩一歩慎重に、怖がりながら通過

  

この5頭をあえて2つのグループに分けると、

①と②のように

「新たな刺激に対して恐怖を感じることが少なく、

受け入れが早いグループ」と、

③~⑤の馬のように

「新たな刺激に対して恐怖を感じやすく、

テンションがあがりやすいグループ」になるかと思います。

  

つづく

活躍馬情報(事務局)

12月17日の阪神1R(2歳未勝利)で、

日高育成牧場で育成されたダブルスプリット号が優勝しました。

デビュー以来惜敗が続いておりましたが、通算6戦目で初勝利をあげました。

 

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12月17日 5回阪神競馬5日目 第1R  2歳未勝利 ダ 1,200m

ダブルスプリット号(ハートノイヤリングの14) 牡

【 厩舎:西園 正都 厩舎(栗東) 父:アイルハヴアナザー 】

また、翌日曜日の中山1R(2歳未勝利)では、

日高育成牧場で育成されたミスパイロ号が優勝しました。

ダート替り初戦で中団から差しきり、通算5戦目の初勝利となりました。

 

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12月17日 5回中山競馬5日目 第1R  2歳未勝利 ダ 1,200m

ミスパイロ号(ブイアスカの14) 牝

【 厩舎:浅野 洋一郎 厩舎(美浦) 父:パイロ 】

 

なお、両馬は本年4月に開催された

2016年JRAブリーズアップセールで取引されました。

今後のさらなる活躍を期待しております。

育成馬ブログ 宮崎③

○育成馬の肺拡散能試験(宮崎)

 

南国宮崎でも11月下旬になってから、

最低気温が10℃を下回る日も見られるようになり、

育成馬の管理も夜間放牧から昼放牧に変更しています。

冬を迎えたとはいえ、日中は暖かいと感じる日も多く、

育成馬達は秋に播種したイタリアンライグラスが繁茂した

放牧地で1~2時間の放牧を満喫しています。

 

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     写真① 放牧地には10月に播種したイタリアンライグラスが繁茂しています。

 

育成馬の近況

 

宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。

9月上旬から騎乗馴致を開始している1群(牡馬10頭)は、

500mトラック馬場での速歩およびハッキングを実施し、

その後1600mトラック馬場において

1600mのキャンターを1列縦隊で実施し、

手前を変えて2000mのキャンターを2列縦隊で実施しています。

 

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写真② 1600m馬場で2列縦隊でのキャンターを実施する1群牡の育成馬。

 

一方、10月上旬から騎乗馴致を開始している2群(牝馬12頭)は、

牡同様に500mトラック馬場での速歩およびハッキングを実施し、

その後1600mトラック馬場において

1600mのキャンターを一列縦隊で実施し、

手前を変えて1800mのキャンターを1列縦隊で実施しています。

 

スピードは1群および2群ともにハロン22~24秒程度と

ゆっくりとしたキャンターですが、

年内は落ち着いて真っ直ぐ走行させることを主眼に置いて

調教を進めていきたいと考えています。

 

   
動画① 12月上旬の1600mダートコースでの調教動画

 

育成馬の肺拡散能試験

 

さて、JRA育成業務の目的のひとつは

育成研究の成果を普及することであり、

様々な研究に取り組んでいます

宮崎育成牧場では、

昨年から競走馬総合研究所と共同で

育成馬の肺拡散能測定に関する研究を行っています。

 

肺拡散能とは、肺におけるガス交換の指標であり、

有酸素運動能力を規定する因子のひとつと考えられています。

測定は枠場内において、

馬に風船付きのマスクを装着(写真③)し、

40~60秒間、風船内の測定用のガス(0.3%一酸化炭素)を

呼吸させて測定値を得ます。

 

育成馬の肺拡散能を測定することは、

成長やトレーニングにより

有酸素運動能力に変化があるかどうかを知る上で重要であり、

さらには競走馬におけるプアパフォーマンスの原因や

有酸素運動能力との関連性を明らかにするための

新たな知見につながる可能性もあります。

 

今回の研究では枠場に馴らす、

さらにはオレンジ色の風船付きのマスクの装着、

すなわち新規刺激に馴らすという

育成馬に対する馴致というも役割もあり、

一石二鳥となっています。

  

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写真③ 枠場内にて肺拡散能を測定する育成馬

(アップルティーの15 牝 父:エイシンフラッシュ)

2017 JRAブリーズアップセール開催のご案内(事務局)

〇2017 JRAブリーズアップセール開催のご案内

 

2017 JRAブリーズアップセールの開催日程が決定いたしました。

開催日等の概要は以下の通りです。

 

開催日時:2017年4月25日(火)

       ※4月24日(月)は前日展示会を実施

会場:中山競馬場

主催:日本中央競馬会

上場候補馬:80頭程度

売却方法:セリ方式(事前に騎乗供覧および実馬展示を実施)

申込資格:JRAの馬主の方で購買登録を済ませた方

(一般の方のご来場はお断りしております)

 

 

詳細はJRAホームページをご覧ください。

http://jra.jp/training/bus.html

来年もJRAブリーズアップセールをよろしくお願いいたします!

活躍馬情報(事務局)

12月3日の中山1R(2歳未勝利)で、

日高育成牧場で育成されたトロピカルスパート号が優勝しました。

通算4戦目、ダート替わり3戦目での勝ち上がりとなりました。

 

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12月3日 5回中山競馬1日目 第1R  2歳未勝利 ダ 1,200m

トロピカルスパート号(タヒチアンメモリの14) 牝

【 厩舎:高橋 文雅 厩舎(美浦) 父:フリオーソ 】

さらに同日の中京で行われた10R寒椿賞(500万下)では、

日高育成牧場で育成されたシゲルベンガルトラ号が優勝しました。

後方待機策から差しきって快勝し、

JRA育成馬としてはこの世代最初の2勝馬となりました。

 

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12月3日 4回中京競馬1日目 第10R  寒椿賞 ダ 1,400m

シゲルベンガルトラ号(ローズヘイローの14) 牡

【 厩舎:服部 利之 厩舎(栗東) 父:プリサイスエンド 】

 

なお、両馬は本年4月に開催された

2016年JRAブリーズアップセールで取引されました。

今後のさらなる活躍を期待しております。

育成馬ブログ 日高②

○  寒くても元気いっぱい!(日高)

 

日高育成牧場のある浦河町では、

例年よりかなり早い10月20日に初雪が降りました。

その後も道路上に「根雪」はないものの、

11月末には終日気温があがることなく

最低気温が氷点を下回る毎日です。

寒さが日々厳しくなっている北海道から、

元気いっぱい調教に励む育成馬の近況をお伝えします。

  

育成馬の近況

 

JRA育成馬の近況をお伝えします。

最初に馴致を終了した第1群(牡23頭)は、

屋外1600mダート馬場での縦列調教(1周:ハロン20秒程度)を

繰り返し実施しています。

屋内800m馬場に比べて

外部からの様々な刺激を受けやすい屋外馬場で、

落ち着いた縦列走行ができています。

 

この時期の調教の基礎である、

①前に(Go forward)

②真っ直ぐ(Go straight)

③落ち着いて(Go calmly)

走行することができ、力強さも感じられるようになってきました。

 

動画1.屋外1600m馬場で駈歩調教を行う牡馬。

先頭からムツミマーベラスの15(父:ヴァーミリアン)、

サワヤカブランの15(父:ルーラーシップ)、

フローラルホームの15(父:バゴ)、

ルカダンスの15(父:エイシンフラッシュ)、

カネトシフィオーレの15(父:プリサイスエンド)。

 

また、10月に入って馴致を開始した第2群(牝22頭)は、

これまで屋内トラックにおいて、

ハロン26-24秒程度で1周(縦列)+2周(2列縦隊)

の調教を繰り返してきました。

当初は真っ直ぐ走れない、

または馬群を気にして落ち着かない馬もいましたが、

現在は綺麗な隊列で安定した(真っ直ぐ:Go straight)走行ができています。

11月中旬からは順次、

屋外1600mダート馬場でのキャンターも開始しています。

 

 

動画2.屋内800m馬場で駈歩調教を行う牝馬。

先頭内レディーロックフォードの15(父:ヨハネスブルグ)、

先頭外マイネレーヌの15(父:ビクトワールピサ)、

2列目内マイネナデシコの15(父:ゴールドアリュール)、

2列目外アサクサコンソメの15(父:ハービンジャー)。

 

最後に馴致を開始した第3群(牡11頭、牝4頭)も

極めて順調に調教が進んでいます

既に800m屋内トラックでの基礎固めは終了しており、

年内に無理なく1・2群と合流できそうです。

  

トレッドミルを導入しました

 

この11月、日高育成牧場育成馬厩舎に

馬用トレッドミルが導入されました。

既存の研究用トレッドミルに比べ簡易なタイプですが、

育成厩舎横に設置されたことで

日常管理の中での使用が可能となりました。

 

現在は主に疾病からの立ち上げが必要な

育成馬のリハビリ用に使用していますが、

次年度からは騎乗馴致前の基礎体力作りへの

応用なども検討しています。

これから様々なデータをとりつつ、

より良い使用方法を検討しようと思います。

新しい知見が得られた際には同ブログでも報告します。

   

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写真1.トレッドミル運動でのリハビリに臨む育成馬。

胸に巻いているのはハートレートモニターで、

運動中の心拍数をモニタリングします。

 

 

動画3.トレッドミル運動中の育成馬。

人が騎乗せずに落ち着いてまっすぐ走ることができるので、

運動器疾患からのリハビリにとても有効です。

  

育成馬検査を実施しました

 

11月8日・9日にJRA馬事部生産育成対策室の職員が来場し、

育成馬検査を行いました。

例年11月と翌年の1月に実施するこの検査は、

育成馬の成長度合いや調教状態を把握することを目的に実施しており、

あわせてベストターンドアウト賞の審査も実施しています。

 

この検査で実施するベストターンドアウト賞の審査基準は、

「馬のしつけと手入れが行き届き、かつ人馬の一体感を感じさせる

展示・引き馬・調教が行えていること」です。

育成馬の視察でお客様や生産牧場の関係者が来場した際に、

気持ちよく見て頂く準備ができているか否かを確認し、

受賞できなかった人馬には何が不足していたのか、

これまでの日々を振り返る良い機会となります。

お客様に馬を見ていただけるチャンスを最大限に活かすため、

今後も継続していきたいと考えております。

 

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写真2.育成馬検査風景。悪天候のため、

今回は角馬場横の通路で馬を展示しました。

 

寒さも厳しくなってきましたが、

是非ともJRA育成馬の姿を見にお越しください。

皆様のご来場をお待ちしております!

育成馬ブログ 生産編②「その2」

3.後膝のレントゲンの馴致

 

市場レポジトリーでは、

購買者から後膝のレントゲンが求められるようになりました。

もちろん、上場しない場合であっても、

この部位の撮影を実施する機会は少なくありません。

 

一方、後膝や股間にレントゲンのカセットが触れて馬が蹴り上げて、

撮影者や撮影補助者が大怪我をするケースも少なくありません。

このため、まだ体が小さく、力が弱い当歳のこの時期に

後膝のレントゲンの馴致を実施することをおすすめします。

 

敏感な馬については、最初はタオルパッティングから実施し、

徐々にカセットに慣れさせていきましょう。

 


YouTube: 後膝レントゲン検査の馴致

 

(※タオルパッティングを用いた方法については、こちらをご覧ください)

http://blog.jra.jp/ikusei/2016/03/post-84bd.html

  

 

当歳馬の躾の基本的な考え方

 

以上の躾の基本的な考え方は、

「人間が馬に求めていることは、

危険なものでも痛みを伴うものでもないと、馬に納得させること」です。

  

例えば、レントゲンのカセットが股間に触れたところで、

痛みを感じる馬はいません。

これまで触られたことが無い部位であり、

本能的に「何か痛い目に遭うのではないか」と、

恐怖を感じているだけです。

 

他の馬と離れて不安を感じるのは、

自分だけ群と離れて、守ってくれる馬がおらず、

痛い目に遭わされるのではないかと、

恐怖を感じているだけです。

  

このため、人間が馬に対して

「カセットが股間に触れても痛くないこと」

「1頭だけで残されても人間が安心感を与えてくれること」

を納得させることが、

人馬の信頼関係の構築に繋がります。

  

紀元前の哲学者クセノフォンは、

「馬を群衆に慣れさせる方法は、

馬を群衆のいるところに連れていき、

騒音や目に見えるものすべてが

怖いものではないということを教えることだ」と言っています。

2000年以上、

連綿と世界中のホースマンに受け継がれてきた

馬の躾の基本方針ですね。

                          

【ご意見・ご要望をお待ちしております】

JRA育成馬ブログをご愛読いただき誠にありがとうございます。

当ブログに対するご意見・ご要望は

下記メールあてにお寄せ下さい。

皆様からいただきましたご意見は、

JRA育成業務の貴重な資料として活用させていただきます。

アドレス jra-ikusei@jra.go.jp