活躍馬情報(事務局)

8月12日土曜日の小倉5R(2歳新馬)で、

日高育成牧場で育成されたヒロシゲゴールド号が、

ゴール寸前で差し切り、優勝しました。

 

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8月12日 2回小倉競馬5日目 第5R  2歳新馬 ダ 1,000m

ヒロシゲゴールド号(エフテーストライクの15) 牡

【 厩舎:北出 成人 厩舎(栗東) 父:サウスヴィグラス 】

 

今後の活躍を期待しております。

育成馬ブログ 宮崎①

○1歳セリとJRA育成馬の入厩(宮崎)

 

●1歳セリについて

 

本年度の1歳セリは6月27日(火)に開催された

九州市場からスタートしました。

九州市場では15頭が上場され、

8頭が落札されました(売却率:53.3%)。

 

続いて開催された八戸市場は、上場馬40頭のうち31頭が落札され、

過去最高であった昨年の売却率(61.9%)を大きく上回る

77.5%の売却率となりました。

 

この要因として、馬セリ市場の好景気および

キョウエイギア号やミライヘノツバサ号など

近年の青森産馬の活躍はもちろんのこと、

それ以外にも昨年は60%であったノド(上気道)の内視鏡動画や

四肢のレントゲン写真などのレポジトリーの提出率が、

本年は90%にまで上昇したように、

関係者の情報開示への取り組みも要因のひとつとして挙げられます。

 

北海道で最初の1歳セリとなったのは、

今や「日本一のセリ」にとどまらず、

「世界でも有数のセリ」となった「JRHAセレクトセール」でした。

北海道の苫小牧市の「ノーザンホースパーク」において、

7月10日(月)に開催され、

上場馬242頭のうち216頭が売却されました(売却率は89.3%)。

新聞等による既報のとおり、

売却総額および売却率ともに過去最高という結果となりました。

 

7月セリの締めは、7月18日(火)に

北海道静内町で開催された「HBAセレクションセール」でした。

本年は226頭が上場され、

184頭が売却されました(売却率は81.4%)。

セレクションセールでも活発な競り合いが繰り広げられ、

売却総額および売却率ともに過去最高という結果となりました。

 

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写真1.九州市場において購買した本年度のJRA育成馬

第1号となったデンコウブルーの16(牝 父:アルデバラン)

【JBBA日本軽種馬協会様提供】

 

なお、JRAは九州市場において牝馬1頭(写真1)を、

八戸市場において3頭(牡2頭、牝1頭)を、

セレクトセール(1歳)において4頭(牡2頭、牝2頭)を、

そしてセレクションセールにおいて13頭(牡:6頭、牝:7頭)を

それぞれ購買しています。

 

いずれの1歳市場も多くのお客様が参加されており、

非常に盛況な印象を受けました。

このセリにおける盛り上がりは、

競馬産業全体を盛り上げていく活力となるように感じました。

 

 

●JRA育成馬の宮崎育成牧場への入厩

 

前述のJRAが購買した馬の中から、九州市場で購買した1頭、

八戸市場で購買した3頭およびセレクションセールで購買した3頭の

合計7頭が7月23日(日)に宮崎育成牧場に入厩いたしました。

 

セレクションセールで購買した3頭を乗せた馬運車は、

7月20日(木)の14時に北海道静内を出発し、

函館から青森間のフェリー経由で本州に渡り、

7月21日(金)の5時に八戸において八戸市場で購買した3頭を積み、

新潟競馬場に14時に到着いたしました。

 

北海道から宮崎への輸送は44時間にも及ぶため、途中、

新潟競馬場において1泊の休憩を挟んでから宮崎育成牧場へ向かいます。

新潟競馬場の厩舎では、馬達は最初のうちは落ち着きませんでしたが、

徐々に慣れ、寝藁の敷かれた馬房で長時間輸送の疲れを

癒しているように見えました(写真2)。

 

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写真2.新潟競馬場で一夜を過ごしてリラックスしている3頭の牝の育成馬

 

翌日の10時に新潟競馬場を出発し、

日付が変わる頃に関門海峡を渡り、7月23日(日)の8時30分に

無事に宮崎育成牧場に到着しました(写真3)。

 

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写真3.北海道からの長旅を終えて馬運車から降りる

マイネカプリースの16(牝:父クロフネ)

 

到着後には微熱を認める馬もいましたが、大事には至らず、

全頭放牧することができました。

セリ上場のために個体管理が行われていた馬達は、

元気良く放牧地内を疾走します(写真4)。

9月以降の「騎乗馴致」が始まるまでの間、

成長を待つとともに「群れで生きる草食動物」として

「馬」らしく管理したいと考えています。

 

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写真4.宮崎競馬場の遺構である一等馬見所をバックに

放牧地を疾走する3頭の牡の育成馬の群れ。

活躍馬情報(事務局)

7月30日日曜日の小倉1R(2歳未勝利)で、

日高育成牧場で育成されたジュンドリーム号が、

逃げ切りで見事に優勝しました。

 

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7月30日 2回小倉競馬2日目 第1R  2歳未勝利 芝 1,200m

ジュンドリーム号(ディアコトミの15) 牝

【 厩舎:西村 真幸 厩舎(栗東) 父:トビーズコーナー 】

 

今後のさらなる活躍を期待しております。

育成馬ブログ 日高①

●仔馬の内反肢勢

 

仔馬の肢勢は発育スピード、遺伝、放牧地の硬さなどによる環境など、

様々な影響を受けて変化していきます。

生後間もない子馬の異常肢勢は、成長に伴い治癒する場合もありますが、

重症例を放置することで、競走期のパフォーマンスに

悪影響を及ぼすことも少なくありません。

今回のブログでは、球節以下が体の内側に曲がる

「内反肢勢」について取り上げます。

 

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右後球節以下の「内反肢勢」

 

上記のとおり「内反肢勢」とは、

下肢関節が体の中心に向かって曲がる肢軸異常であり、

蹄尖が内を向く「内向肢勢」とは区別されます(図1)。

 

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図1.標準、内向、内反肢勢の違い

 

「内反肢勢」は成長に伴う自然治癒が期待できないため、

放置せずに装蹄療法などによる肢軸矯正を実施すべきです。

 

内反に対する肢軸矯正には、重症度にあわせて様々なものがありますが、

重要なことは「早期発見・早期治療」です。

 

これには仔馬の成長スピードが関係しています。

仔馬の肢の成長は体から一番遠い下肢部から始まり、

6ヶ月齢で球節以下の成長板は完全に閉鎖します。

このため、成長板閉鎖前であればある程度の効果が得られるものの、

その後は十分な効果が期待できません。

 

具体的な装蹄療法について説明します。

 

軽度であれば、内側蹄負面の多削による左右バランスの調整で

対処できますが、中程度から重度のものでは蹄の外側に

エクステンション(充填剤や特殊蹄鉄などを使用した張り出し)を

装着する方法がとられます(図2)。

ただし、エクステンションでも良化が見込めないような

重症例に対しては外科手術を行うこともあります。

 

仔馬の肢軸異常は

「昨日大丈夫だったから今日も大丈夫!」という事は一切ありません。

当場でも厩舎スタッフ・装蹄師・獣医師が毎日の馬体検査を行っています。

仔馬の肢軸異常は日常の微妙な変化を見逃さず

早期に対処することが重要だといえるでしょう。

 

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 図2.エクステンションを接着し装蹄療法を施した症例

育成馬ブログ 生産編①(その2)

●1歳馬のセールス・プレップについて(その4)

 

○グルーミング(手入れ)

 

ウォーキングマシンによる運動が行われない日は、

念入りなグルーミング(手入れ)が行われていました(図3)。

中でも最も力が入れられていたのが、ゴムブラシで全身を強く擦ることで、

古い体毛をできるだけ抜き、皮膚の血行を促していました。

最初の1週間は変化に気づかないレベルでしたが、

2~3週間続けていると明らかに新陳代謝が良くなり、

自然な艶が出てきました。

そのほか、セリの直前にはトリミングが行われ、

たてがみがきれいに整えられ、耳毛や距毛は短くカットされました。

 

2図3 セリ上場馬のグルーミング(手入れ)

 

 

○セールス・プレップにおける日米の考え方の違い

 

育成牧場で行われることが多いわが国のセールス・プレップと異なり、

生産牧場で行われるケンタッキーのセールス・プレップでは、

考え方が異なるように感じました。

すなわち、日本ではセールス・プレップが“後期育成の入り口”と

位置づけられ、ランジングを行うなど馬を従順にしていくことで

ブレーキングへの移行をスムーズにするという意図があるのに対し、

米国のセールス・プレップは“中期育成の延長”という考え方で、

放牧時間を極力短縮しないなど1歳馬の自然な成長を

促したいという意向が感じられました(図4)。

どちらにもメリットとデメリットがあると思いますが、

わが国においても生産牧場でセールス・プレップを行う際には、

ケンタッキーの自然な成長を促すやり方を

参考にしてみるのも一考の価値があるのではないでしょうか。

 

1図4 日米でセールス・プレップの位置づけが異なる

 

(おわり)

育成馬ブログ 生産編①(その1)

※今回から本年度のJRA育成馬日誌の連載が

スタートとなりますが、今回の記事は5月31日掲載

育成馬ブログ 生産編⑨(その2)」の続きとなります

合わせてご覧ください

 

●1歳馬のセールス・プレップについて(その3)

 

○飼料

 

先月に引き続き、ケンタッキーで行われている

1歳馬のセリに向けての準備(セールス・プレップ)について

ご紹介します。

 

セリに上場される馬は、

ボディ・コンディション・スコア(BCS)の調整のため、

馬房内で個別に濃厚飼料が与えられます。

ダービーダンファームでは、

McCauley Bros.社製の「Option 14 Pelleted」という

大粒のペレットが1日2回与えられていました(図1)。

1回の量は太っている馬(BCSが6.0以上)で1.5kg、

痩せている馬(BCSが4.5以下)で2.0kgでした。

ケンタッキーでは放牧地に生えている牧草の栄養価が高いため、

太っている馬には放牧時に口篭が装着されていました。

反対に痩せている馬は、

他州からの入厩時などで一時的に散見されましたが、

夜間放牧されている内に自然とBCSが回復していきました。

ダービーダンファームは“Honesty(正直、誠実)”を

スローガンにしており、

BCSが5.0前後の自然な馬体を目指していました。

そのほか、毛艶を良くするため米糠油や

各種サプリメントが与えられていました。

 

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図1 1歳馬用の飼料

 

○ウォーキングマシンの使い方と馬体洗浄

 

セリに上場される1歳馬の管理は、

一日おきにウォーキングマシンを

使った運動および馬体洗浄をする日と(図2)、

後述するグルーミングをする日に分かれていました。

 

ウォーキングマシンによる運動は、

常歩のストライドを伸ばしてセリの下見時に

活発な印象を与えることを目的として行われていました。

具体的には、常歩ではついて行けず半分程度は速歩に

なってしまう程度の速度でウォーキングマシンを回して、

徐々に馬が体の使い方を覚えて大きく常歩で歩けるようになったら

さらに速度を上げるということを繰り返していました。

理想を言えば人が引いて(ハンドウォークで)馬の常歩の速度を

コントロールするのがベストでしょうが、

少ない人手で活発に歩ける馬を作るのには

有効な方法だと感じました。

 

ウォーキングマシンで運動した後は、

汗をかいた馬体をシャンプーで洗い、

その後ワックスをかけ毛艶を出していました。

後述するようにゴムブラシで馬体をしっかりマッサージして

血行を良くし、自然な毛艶を出すことが理想ですが、

米国ではそれに加えて飼料(米糠油)やワックスも使って

人工的にも馬を磨くというやり方が行われていました。

 

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図2 ウォーキングマシンによる運動と馬体洗浄

 

(つづく)

活躍馬情報(事務局)

7月9日日曜日の福島3R(3歳未勝利)でのジェイジーノ号の出走により、

2016 JRAブリーズアップセールにおいて売却したすべての馬が、

中央競馬での出走を果たしました。

 

なお、これまでも売却したすべての頭が中央競馬での出走を

果たしたことはありましたが、

今回についてはそれに加えて上場したすべての馬が

中央競馬での出走を果たすという快挙も果たしました。

 

この結果は、購買いただいた馬主のみなさまや

管理する厩舎スタッフのみなさまをはじめ、

関係するすべてのみなさまの多大なるご尽力のおかげであり、

厚くお礼申し上げます。

 

今後もJRA育成馬をよろしくお願いします。

活躍馬情報(事務局)

6月17日土曜日の函館5R(2歳新馬)で、

日高育成牧場で育成されたベイビーキャズ号が、

1番人気に応えて見事に優勝しました。

同馬は日高育成牧場で生産されたJRAホームブレッドで、

現2歳世代のホームブレッドの初勝利となりました。

 

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6月17日 1回函館競馬1日目 第5R  2歳新馬 芝 1,000m

ベイビーキャズ号(スノーボードロマンの15) 牡

【 厩舎:矢野 英一 厩舎(美浦) 父:アルデバラン 】

 

今後の活躍を期待しております。

活躍馬情報(事務局)

6月10日土曜日の東京5R(メイクデビュー東京:2歳新馬)で、

日高育成牧場で育成されたプレトリア号が優勝しました。

同馬は本年4月に開催された2017 JRAブリーズアップセールで取引馬で、

初戦での見事な勝ち上がりとなりました。

 

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6月10日 3回東京競馬3日目 第5R  メイクデビュー東京 芝 1,400m

プレトリア号(ダイワエタニティーの15) 牡

【 厩舎:中川 公成 厩舎(美浦) 父:ヨハネスブルグ 】

 

なお、この勝利が同世代のJRA育成馬の初勝利となりました。

今後の活躍を期待しております。

育成馬ブログ 生産編⑨(その2)

●1歳馬のセールス・プレップについて(その2)

 

○放牧地の違いとの広さの目安

 

セリに上場されない馬は20エーカー(約8ヘクタール)程度の

大きな放牧地に集団で放牧されます。

一方、セリに上場される馬は、牝馬に関しては放牧時間が

短縮(24時間から12~13時間)されるだけで、

同じく大きな放牧地に集団で放牧されます。

牡馬に関しては、ケンカして噛み付くなどして外傷を負い、

セリ上場に支障をきたす恐れがあるため、

1頭ずつ1ヘクタール以下の小パドックに放牧されます(図3)。

 

放牧地の広さを決める際の目安に

“1 acre, 1 horse(ワンエーカー、ワンホース)”という言葉が使われています。

これは馬1頭当たり1エーカー(約0.4ヘクタール)以上の

広さが必要という意味です。

この基準より広い放牧地が用意できれば、

馬は栄養面でも運動面でも支障をきたすことなく

すこやかに成長することができると考えられています。

 

1図3 放牧の違いと放牧地の広さの目安

 

 

ケンタッキーにおけるGPSを用いた調査

 

昼夜放牧をすることのメリットの一つとして、

馬が放牧地内を移動することで運動量が増え、

体質が強くなることがあげられます。

では、24時間放牧から夜間放牧(12~13時間)に放牧時間が短縮されると、

運動量にどのような影響があるのか、

ケンタッキーの牧場で放牧されている1歳馬に

GPS装置を取り付けて調査を行いました。

その結果、小パドックに放牧されている場合を除き、

大きな放牧地の馬は放牧時間を短縮しても、

移動距離すなわち運動量は変わらないことがわかりました(図4)。

まだ馬体に成長の余地がある1歳馬にとって、

夜間放牧をしながらセールス・プレップを行うことは

体質を強くしながら成長を促すことができるという

メリットがあると言えるかもしれません。

 

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図4 ケンタッキーにおいてGPSを用いて1歳馬の移動距離を調べた結果

 

次回は飼料や手入れ(グルーミング)についてご紹介します。