2018 JRAブリーズアップセール関連情報(事務局)

ツアー『育成馬を知ろう会in宮崎』開催のご案内

 

JRA馬事部 生産育成対策室では、

今年で7回目となります『育成馬を知ろう会in宮崎』を、

来る4月2日(月)に開催いたします。

 

この企画は、馬主の皆様に

"セリ市場に参加して馬を選択・購買する楽しさ”

お伝えするためのものです。

 

当日は、馬の見方の解説、

ブリーズアップセール上場予定馬の紹介、

全国セリ市場の紹介のほか、

JRA調教師との交流を目的として

「馬主・調教師懇談会」を開催する予定です。

ご参加いただくには事前のご応募が必要ですが、

詳細については下記(5.お問い合わせ)までお問い合わせください。

 

また、翌4月3日(火)には

実際に宮崎育成牧場での調教をご覧いただける

育成馬展示会も開催しますので、

参加をご希望の方は

「育成馬を知ろう会in宮崎」に引き続きご参加いただけます。

本ツアーはJRA馬主の方皆様にご応募いただけますが、

平成27年以降に馬主登録された方(新規馬主の方)を優先させて頂きます。

新規馬主の方には既に本年1月中にご案内を郵送しております。

 

【開催概要】

1. 開催日時 : 平成30年4月2日(月)13時30分頃~19時30分頃

⦁ 翌日の展示会は10時頃~13時頃までを予定しています。

2. 募集人数 :最大 50名程度(事前にご応募いただいた方のみ)

⦁ ご応募多数の際には抽選で決定いたします。

⦁ 平成27年以降に馬主登録された方を優先させていただきます。

3. 場所 : JRA宮崎育成牧場(宮崎空港から車で約25分)

〒880-0036 宮崎市 花ヶ島町 大原 2347

4. 費用 : 現地までの交通費および宿泊費は自己負担となります。

5. お問い合わせ: JRA馬事部 生産育成対策室

Tel 03-5785-7540 (担当:秋山・守山)

 

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馬の見方について講義と実地で解説 <育成場展示会のご案内>

 

3

ブリーズアップセール上場予定馬の紹介 

 

      

JRAブリーズアップセールに先立ち、

宮崎および日高育成牧場において、

上場予定育成馬の展示会を以下のとおり開催します。

関係者の皆様のご来場をお待ちしております。

 

★育成馬展示会(事前のお申し込みは不要です)

・宮崎育成牧場 平成30年4月3日(火)10時より開催

 電話:0985-25-3448

・日高育成牧場 平成30年4月9日(月)10時より開催

 電話:0146-28-1211

育成馬ブログ 生産編⑦

今回は、米国ケンタッキー州での

特に当歳から1歳にかけての冬期の飼養管理方法についてご紹介します。

 

●米国と日本の地理の比較

 

米国のサラブレッド生産の中心地であるケンタッキー州レキシントン地区は、

日本でいうと新潟市と同じ緯度に位置しています(図1)。

最も寒い1月で平均気温が最高5℃、

最低マイナス4℃と北海道日高地方と比べて温暖です。

 

Photo_13図1 生産の中心地レキシントンは新潟市と同じ緯度

  

●離乳後から明け1歳の管理

 

離乳後の放牧管理は、離乳前から引き続き24時間放牧が基本です(図2)。

ただし、11月に開催される当歳セリ(Keeneland November Saleなど)や

1~2月に開催される1歳セリ(Fasig-Tipton February Saleなど)に

上場される馬は昼放牧に切り替えられ、馬房内で馬服を装着し、

冬毛が伸びて見栄えが悪くならないように管理されていました。

放牧地内には

我が国では繁殖牝馬に用いられている草架(hay feeder)が置かれ、

中にはルーサン乾草が入れられていました。

JRA日高育成牧場では

危険防止および運動量の減少を防ぐため草架は使用していませんが、

米国の牧場ではこの時期の放牧地内での運動量は考えていない様子でした。

また、屋根付きの三面が壁に囲まれたシェルターのある放牧地もありました。

ケンタッキーの冬は北海道日高地方より温暖で、

気温は一時的にはマイナス10℃くらいまで下がることはありますが、

内陸に位置するため日中に気温が上昇し、

雪が降っても1週間程度で融けてなくなります。

感覚的には北海道より冬が2ヶ月短いイメージでした。

 

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図2 ケンタッキーの牧場での冬期の管理

 

●繁殖とイヤリングの草地の違い

 

細かい話ですが、同じ生産牧場でも

繁殖牝馬用の放牧地と離乳後の当歳馬や1歳馬用の放牧地に

蒔いている牧草の種類が異なっていました。

具体的には、トールフェスクという牧草を妊娠馬が食べると、

胎盤に異常(シストの形成)が起こることが報告されており、

繁殖牝馬用の放牧地には

フェスク類は蒔かないこととされていました(図3)。

一方、フェスク類は寒さに強く冬でも放牧地を緑に保てるという理由で

当歳馬や1歳馬用の放牧地には積極的に蒔かれていました。

 

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図3 繁殖の放牧地には胎盤の異常を引き起こすフェスクを蒔かない

育成馬ブログ 日高⑥

●育成馬の蹄鉄について

 

日高育成牧場では9月に騎乗馴致を実施し、

おおむね1ヵ月後には坂路調教を開始します。

その後、徐々に速度を上げていき、

12月からはハロン18秒程度の負荷をかけるトレーニングを実施しており、

2月からはさらに負荷をかけていく予定です。

 

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屋内坂路馬場での3頭併走によるスピード調教

(左)アンムートの16(父 キンシャサノキセキ)、

(中央)セイウンクノイチの16(父 キングズベスト)、

(右)ユリオプスデイジーの16(父 ケイムホーム)

 

育成馬のような若馬に対して調教強度を増していく過程で生じる問題として、

蹄の著しい摩滅や挫跖などの疾病発症が上げられます。

これらを防ぐ目的で育成馬全頭に対し12月下旬から装蹄を行っています。

そこで、今回は育成馬の「蹄鉄」に関するお話をしようと思います。

 

一言に蹄鉄といってもさまざまな種類がありますが、

乗用馬などに装着する「鉄製の調教蹄鉄」(写真1)と、

育成馬や競走馬などに装着する「アルミニウム製の兼用蹄鉄」(写真2)の

おおむね2種類に分けられます。

 

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写真1(調教蹄鉄)

 

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写真2(兼用蹄鉄)

 

一昔前までは、競走馬がレース出走時にだけ装着する

「競走ニウム(勝負鉄)」というものもありましたが、

現在では調教でもレースでも使用できる兼用蹄鉄が普及し、

レースに出走する競走馬のほぼ全頭が装着しています。

なぜ育成馬や競走馬に装着する蹄鉄は、

乗用馬のそれと種類が異なるのでしょうか。

それは馬たちの運動の違いに大きく関係しています。

乗用馬と違い、育成馬や競走馬は速いスピードで走ることを求められます。

このため、軽量の蹄鉄を装着することにより、

馬の肢や蹄にかかる負担を軽減させ、安全に走行させることができるのです。

 

また、育成馬の調教を進めていく中で蹄のトラブルは付き物です。

特に多いのは「挫跖(ざせき)」と言い、

蹄底や蹄叉などといった直接的に地面と触れる部分に

小石や不整地などで異物を踏みつけ起こる炎症です。

また、走行中に後肢の蹄が前肢の蹄底にぶつかることで起こる

「追突」を発症することも少なくありません。

このような場合、鉄板を用いた鉄橋蹄鉄(写真3)を装着することで、

踏着時の蹄の痛みを緩和します。

 

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写真3(鉄橋蹄鉄)

 

このように、

個々の馬の肢や蹄の状態に応じた蹄鉄を装着することが重要ですので、

目の前にいる馬に一番合った蹄鉄を選び、

イメージ通りに装蹄を行う柔軟な考え方と、

それに伴った技術が必要になります。

特に育成馬の場合、

騎乗馴致初期は跣蹄馬(蹄鉄を装着していない、いわゆる「はだし」の状態)

で調教を進めていきます。

また、成長期でもあり、

馬体に伴って蹄も大きく成長する重要な時期なので、

慎重かつ的確な装削蹄を行う必要があります。

 

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装蹄風景

育成馬ブログ 宮崎⑤

●育成馬検査の実施について

 

1月下旬には、強い寒気が日本付近に流れ込み、

日本海側のみならず関東も大雪による被害に見舞われました。

首都圏での大雪による交通機関の混乱の様子を見ると、

改めて自然の猛威の怖さというものを感じずにはいられませんでした。

 

九州では大雪の被害こそ少ないものの、

台風による被害には警戒が高まります。

昨年9月の台風18号では大分県を中心に被害が著しく、

土砂災害の影響で日豊本線の一部区間が不通となりました。

復旧には約3ヵ月もの期間を要し、

昨年12月18日にようやく全線開通となりました。

これに伴い、北九州から宮崎方面への特急の運転も再開され、

代替ルートを運行していた豪華観光寝台列車「ななつ星」を

毎週水曜日の調教中に再び見ることができるようになりました。

宮崎神宮駅に近づくと鳴らされる大きな警笛を耳にすると、

被災地の復興への願いが込められているように感じずにはいられません。

 

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毎週水曜日の調教中に見ることができる「ななつ星」と育成馬

 

○育成馬の近況

 

宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。

最初にウォーミングアップとして500mトラック馬場で直線をキャンター、

コーナーを速歩という調教を左右3周ずつ実施しています。

 

その後は1,600mトラック馬場に場所を変えて、

一列縦隊で1,600mのステディキャンターを実施しています。

ハロン20秒程度のイーブンペースで走行し、基礎体力を付けるとともに、

馬群の中で落ち着いて走れることを目標に調教しています。

 

12月には深管骨瘤(第3中手骨の繋靭帯付着部における炎症)に起因する

跛行馬が散見されたとお伝えしましたが、

それらの馬も徐々に調教を再開しております。

 

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1,600m馬場において一列でのキャンターを実施する2群牝馬

 


YouTube: 【動画】育成馬日誌宮崎17-18⑤

1月下旬の1,600mダートコースでの調教動画

 

 

○育成馬検査

 

1月中旬には育成馬検査が実施されました。

育成馬検査とはJRA生産育成対策室の獣医職員が

日高および宮崎育成牧場で繋養している育成馬の

市場での購買時からの馬体の成長程度

および調教進度状況などをチェックする検査のことです。

今回の検査を基にして、

4月に開催されるブリーズアップセールの上場番号が決定されます。

 

検査は2日間かけて実施され、

初日は育成馬の展示を中心に馬体の確認が行われました。

この時期にしては天候に恵まれ、

緊張感漂う中、育成馬の展示が行われました。

検査と同時に、手入れやトリミングのみならず、

展示のハンドリングを含めた「ベストターンドアウト賞」の審査も行われ、

牡牝それぞれの最優秀馬が選ばれました。

 

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育成馬検査の展示の様子

 

翌日は小雨の降る中、各馬の調教進度状況の確認が行われました。

前述したとおり順調ではない馬もおりましたが、

今後の調教に関するアドバイス等をいただき、無事に検査が終了しました。

 

今回の検査を通して、

個々の馬の発育および調教進度状況を再認識することができました。

また、4月24日(火)に開催されるブリーズアップセール

およびこれに先立つ4月初旬の育成馬展示会のためのみならず、

馬主、調教師、牧場関係者などのお客様の来場に備えて、

馬を展示し、見ていただくという姿勢を再確認する機会にもなりました。

 

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育成馬検査における「ベストターンドアウト賞」の審査で最優秀馬に選ばれた

シーアクトレスの16(写真左 牡 父:アドマイヤムーン)と

マイネカプリースの16(写真右 牝 父:クロフネ)

育成馬ブログ 生産編⑥(その2)

前回は繁殖牝馬の獣医療についてお話をしましたが、

今回は子馬の獣医療についてお話します。

 

○子馬のロドコッカス肺炎

 

子馬の感染症の中でも、特に多かった印象だったのがロドコッカス肺炎です。

子馬が発熱した場合には必ず獣医師によるエコー検査が実施され、

肺に膿瘍ができていないか確認されます。

また、発熱の有無にかかわらず、生後6週齢で

全頭エコーによる肺のスクリーニング検査を行っている牧場も多くありました。

膿瘍が発見された際にはロドコッカス菌による肺炎と診断され、

リファンピシンとクラリスロマイシン(注)という

抗菌薬の経口投与による治療が一般的でした(図3)。

注:クラリスロマイシンは我が国でも過去に使用されていましたが、

  日本の馬に投与すると重度な下痢を発症しやすいため、

  現在は同系統(マクロライド系)のアジスロマイシンという

  抗菌薬が使用されています。

 

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図3 ロドコッカス肺炎が疑われる子馬には肺のエコー検査

 

○子馬の肢軸異常に対する処置

 

子馬の肢軸異常に関しては、月1回獣医師が牧場に来場し、

子馬全頭の肢軸をチェックしていました。

そこで必要と判断された子馬に対しては、成長板と呼ばれる骨が

成長する部分をまたいで螺子を入れる矯正手術が実施されます。

球節は当歳の3~4ヶ月齢で

第三中手骨および中足骨遠位の成長板の成長が停止するため、

手術の判断はその前(おおよそ2ヶ月齢まで)になされていました。

腕節は1歳が手術適期とされていましたが、

重度な肢軸異常がある場合は球節と同時に手術が実施されます。

そして、手術の4~6週間後に

肢軸の矯正度合を確認してから螺子が抜去されます(図4)。

 

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図4 獣医師がチェックし、必要と判断された子馬は肢軸矯正手術を受ける

 

○ケンタッキーの馬産まとめ

 

ケンタッキーの馬産について図5にまとめます。

まず分娩は積極的に介助し、

母馬に全頭に鎮痛剤を投与するなど

お産を軽くして早く次の妊娠に備えるという考え方がなされていました。

また、獣医学的知識を活かした適切な診断・治療が行われていました。

早期に昼夜放牧を開始し、

丈夫な体質の馬を作るという考え方がなされていました。

さらに肢軸異常は早期発見・治療し、

将来競走馬となった時の故障を防ぐという措置が行われていました。

これらをまとめますと、

ケンタッキーの馬産の特徴は

肥沃な土壌と温暖な気候を活かした合理的な飼養管理と言えます。

5回に亘って連載してきたケンタッキーの馬産について以上となります。

ご愛読ありがとうございました。

 

Photo_5図5 肥沃な土壌と温暖な気候を活かした合理的な飼養管理が特徴

育成馬ブログ 生産編⑥(その1)

前回から引き続き「ケンタッキーの馬産」について

紹介していきたいと思います。

最終回となる今回は、繁殖牝馬と子馬の獣医療についてお話します。

 

○繁殖牝馬は基本的に全頭陰部縫合(キャスリック)

 

陰部縫合いわゆるキャスリックは、

子宮内に空気が入るのを防ぎ受胎率を向上させる手技の一つで、

日本では陰部のコンフォメーションが悪い場合など

必要な馬のみに実施されています。

ケンタッキーでは、オーナーがアメリカ人の牧場では

基本的に繁殖牝馬全頭に対して実施されていました。

一方、オーナーがアメリカ人以外の牧場では、

日本と同様必要な馬のみに実施されていました。

通常、縫合は分娩後および種付後に獣医師が行い、

切開は分娩前および種付前にマネージャーが実施します(図1)。

 

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図1 繁殖牝馬は基本的に全頭陰部縫合(キャスリック)

 

○子宮内膜炎の診断と治療

 

繁殖牝馬の不受胎の原因になる子宮内膜炎については、

すべての症例で子宮スワブが採材され、

細菌培養検査および抗菌薬感受性試験を実施し、

検出された細菌およびその細菌に対して

有効な抗菌薬を同定した上で治療が行われていました。

図2のグラフは

ケンタッキー州内の馬病院での子宮スワブ検査で検出された細菌ですが、

日本と同じく連鎖球菌および大腸菌が多いことがわかります。

 

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図2 子宮内膜炎に対しては全ての症例でスワブ検査が行われていた

 

(つづく)

育成馬ブログ 日高⑤

●ボディコンディションスコア(BCS)

 

日高育成牧場では、育成馬(当歳~2歳)と

繫殖牝馬に対して毎月1回(後期育成では月2回)の

ボディコンディションスコア(BCS)の評価を行うことで、

栄養状態の把握および給餌量の設定をしています。

今回のブログでは、このBCSについて説明します。

 

1bcs

後期育成馬に対するBCS評価は毎月2回実施している。

 

○BCSとは?

 

「調教中の育成馬に対して、今の飼料の量は足りているのだろうか?」

このような疑問は、育成馬の飼養管理者にとっては

常日頃から頭を悩ませるものです。

 

飼料の給与量について考える際には、

その馬にとって適切なエネルギー量(カロリー)を

与えているか否かが重要ポイントの1つになります。

人間と同様に消費量を上回るエネルギーを与えた場合には太りますし、

不足する場合には痩せていくことになります。

もちろん、単なる見た目の問題だけではなく、

エネルギーの過不足はその馬自身の健康状態や

調教のパフォーマンスなどにも影響を及ぼします。

このため、個々の馬に応じて適切なエネルギー量を与える必要があり、

それを見極めるために重要な指標の1つが

ボディコンディションスコア(BCS)なのです。

 

BCSは脂肪の付き具合を数値化したもので、

脂肪がほとんど無く、削痩している状態の1点から、

極度の肥満の9点までの数値を用います。

例えば、馬の脂肪の付き具合を評価する場合に

「太っている」「やせている」という言葉ではなく、

「BCS8」「BCS3」という数値で表します。

 

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○BCSの見方

 

馬のBCSは、馬体の6つの部位

「頸(くび)」「き甲」「肩後方」「肋部」「背~腰の脊椎」「尾根」を

対象としており、

これらの部位を観察して、実際に触ることにより、

脂肪の付き具合を確認します。

 

BCSを測定するためのポイントは、

これら6部位の骨の構造を理解することです。

やせている馬、すなわちBCSが低い馬は骨が見える、

もしくは骨を容易に触ることができます。

一方、太っている馬、すなわちBCSが高い馬は、

骨が見えない、もしくは触ることができません。

背中の場合には背骨、肋部の場合には肋骨が「見えるかどうか」を確認し、

もし見えない場合であれば「触れるかどうか」を確認します。

例えば、「肋骨が見えないが、容易に触ることができる」のであれば、

BCS5になります。

 

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4bcs

肋部のBCS5(普通):肋骨は見分けられないが触ると簡単にわかる。

 

さらに、骨の周囲の脂肪の厚さや量を感触で判断します。

例えば、脂肪がある程度ついているものの、

厚みがそれほどない場合には

弾力感をイメージする「スポンジ状」という言葉で表現されます。

一方、それよりも脂肪量が多く、

触ると沈み込むような感触を持つ場合には「柔軟」と表現されており、

「スポンジ状」よりも高いスコアとして評価します。

 

○BCS(ボディコンディションスコア)

 

BCS 1 (削痩)

・脊椎(胸椎、腰椎)の突起や

 肋骨、股関節結節、座骨結節は顕著に突出している。

・き甲、肩、頸の骨構造が容易に認められる。

・脂肪組織はどの部分にも触知できない。

 

BCS 2 (非常にやせている)

・脊椎(胸椎、腰椎)の突起や

 肋骨、股関節結節、座骨結節などが突出している。

・き甲、肩、頸の骨構造がわずかに認められる。

 

Bcs2

 

BCS 3 (やせている)

・肋骨をわずかな脂肪が覆う。

・脊椎の突起や肋骨は容易に識別できる。

・股関節結節は丸みを帯びるが容易に見分けられる。

 座骨結節は見分けられない。

・尾根は突出しているが、個々の椎骨は識別できない。

・き甲、肩、頸の区分が明確である。

 

Bcs3

 

BCS 4 (少しやせている)

・肋骨がかすかに識別できる。

・背に沿って脊椎の突起が触知できる。

・尾根周囲には脂肪が触知できる。

 

Bcs4

 

BCS 5 (普通)

・肋骨は見分けられないが触れると簡単にわかる。

・背中央は平ら。

・き甲周囲は丸みを帯びるようにみえる。

・肩はなめらかに馬体へ移行する。

・尾根周囲の脂肪はスポンジ状。

 

Bcs5

 

BCS 6(少し肉付きが良い)

・肋骨上の脂肪はスポンジ状。

・背中央にわずかな凹みがある。

・き甲の両側、肩周辺や頸筋に脂肪が蓄積し始める。

・尾根周囲の脂肪は柔軟。

 

Bcs6

 

BCS 7(肉付きが良い)

・個々の肋骨は触知できるが、肋間は脂肪で占められている。

・背中央は凹む。

・き甲周囲、肩後方部や頸筋に脂肪が蓄積する。

・尾根周囲の脂肪は柔軟。

 

Bcs7

 

BCS 8(肥満)

・肋骨の触知は困難。

・背中央は凹む。

・き甲周囲は脂肪で充満。肩後方は脂肪が蓄積し平坦。

・尾根周囲の脂肪は柔軟。

 

Bcs8

 

BCS 9 (極度の肥満)

・肋周辺を脂肪が覆う。

・背中央は明瞭に凹む。

・尾根周辺、き甲、肩後方および頸筋は脂肪で膨らむ。

・ひばらは隆起し平坦。

 

【ご意見・ご要望をお待ちしております】

JRA育成馬ブログをご愛読いただき誠にありがとうございます。

当ブログに対するご意見・ご要望は下記メールあてにお寄せ下さい。

様からいただきましたご意見は、

JRA育成業務の貴重な資料として活用させていただきます。

 

アドレス jra-ikusei@jra.go.jp

活躍馬情報(事務局)

1月14日日曜日の中山5R(3歳未勝利)で、

宮崎育成牧場で育成されたモルフェオルフェ号が、

先手を奪って軽快に逃げ、うれしい初勝利をあげました。

 

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1月14日 1回中山競馬5日目 第5R  3歳未勝利 芝 1,600m

モルフェオルフェ号(スマッシュの15) 牝

【 厩舎:大江原 哲 厩舎(美浦) 父:オルフェーヴル 】

 

今後のさらなる活躍を期待しております。

育成馬ブログ 宮崎④

●本年もよろしくお願いいたします

 

宮崎育成牧場から本年最初の投稿となります。

昨年に引き続き「JRA育成馬日誌」をよろしくお願いいたします。

今冬は北海道を中心として全国的に11月後半から平年よりも気温が低く、

厳しい冬となっています。

南国宮崎も例外ではなく、朝夕の冷え込みは昨年よりも厳しく、

温度計が氷点下近くを示す日も少なくありません。

 

○育成馬の近況

 

宮崎育成牧場所属のJRA育成馬の近況をお伝えいたします。

初にウォーミングアップとして500mトラック馬場で直線をキャンター、

コーナーを速歩という調教を左右3周ずつ実施しています。

その後は1600mトラック馬場に場所を変えて、

一列縦隊で1200m、そして二列縦隊で1600m、

合計2800mのキャンターを実施しています。

当初の計画では、昨年の同時期と同様に

合計3600mのキャンターを予定しておりましたが、

深管骨瘤(第3中手骨の繋靭帯付着部における炎症)に起因する

跛行馬が散見されたため、

例年よりも走行距離およびスピードを抑えて調教を実施している状況です。

 

Photo

写真① 1600m馬場での調教風景(左:牡、右:牝)。

昨年よりも強度を抑えて調教を実施しています。

 

前年よりも運動強度を抑えて慎重に調教を実施しているにもかかわらず、

跛行馬の発症頭数が増加している現状を鑑みると、

育成馬の調教とは個々の馬を観察して、

その馬に合わせた調教負荷を課さなければならないということを

再認識することができました。

負荷をかけなければ故障を発症するリスクは軽減されるものの、

十分なトレーニング効果は得られないということを理解しつつ、

競走馬としてデビューするまでには

十分な時間があるのではと自問自答しながら、

「急がば回れ」の格言のとおり調教を進めていきたいと思っております。

 

12月下旬の1600mダートコースでの牡の調教動画

 

○競馬セミナー

 

さて、宮崎育成牧場は日高育成牧場とは異なり、

牧場内に利用者登録制の「ウインズ宮崎」が併設されており、

馬券(勝馬投票券)を購入して競馬を楽しんで頂くことができます。

実は宮崎県は民放テレビ局が2局しかなく、

日曜日の15時からフジテレビ系列で放送されている

JRAの競馬中継を見ることができない

全国でも数少ない一部の地域に該当しているため、

競馬に対する馴染みが薄い状況が課題となっていました。

この状況を打開するために、

2016年1月よりAMラジオ放送局である

宮崎放送(MRTラジオ)において

日曜日の15時から「GOGO競馬サンデー!」が

放送されるようになりました。

 

このご縁もあり、多くの方に競馬を楽しんで頂くことを趣旨として、

MRTさん主催の競馬セミナーを有馬記念の前日に開催いたしました。

当日は抽選で当選された30名ものお客様をお招きして、

MRTの瀬藤アナウンサーの進行で、

当場の職員による馬の基礎知識、競馬の基礎知識、

出産から競走馬になるまで等の

「馬学講座」および「馬券の買い方」に関する座学を実施した後、

実際に馬券を購入して

阪神カップ(G2)などのレースを楽しんで頂きました。

 

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MRTの瀬藤アナウンサー(右)の進行で行われた

競馬セミナーにおける「馬学講座」の様子

 

メインレースの阪神カップでは人気馬が上位に入ったことも手伝い、

見事に単勝やワイドなどで的中された方がいらっしゃいました。

最後は瀬藤アナを含めた参加者全員で有馬記念の予想をして、

前日発売馬券を購入後に解散となりました。

参加者の中には的中馬券を購入されていた方も見受けられましたので、

見事にクリスマスプレゼントを手にされたものと思われます。

 

実際に競馬ファンの皆様と触れ合う機会を得ることによって、

馬というのはファンの皆様に支えられて

成り立っているというのを実感することができました。

この気持を忘れずに育成業務にも励んでいきたいと思います。

活躍馬情報(事務局)

1月6日土曜日の中山2R(3歳未勝利)で、

日高育成牧場で育成されたトーセンゼロス号が、

中団から徐々にポジションを上げて、

最後は突き放して見事な勝利を挙げました。

 

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1月6日 1回中山競馬1日目 第2R  3歳未勝利 ダ 1,800m

トーセンゼロス号(エリモエポナの15) 牡

【 厩舎:池上 昌和 厩舎(美浦) 父:エンパイアメーカー 】

 

今後のさらなる活躍を期待しております。