「HBAトレーニングセール」に向けて(日高)
4月24日に中山競馬場で行われたJRAブリーズアップセールにおきましては、多くの皆様の参加および多頭数の御購買をいただき、誠にありがとうございました。御購買いただきました馬たちの競走馬としてのご活躍を心から期待しています。育成馬日誌の紙面をお借りし、あらためて御礼申し上げます。
ようやく桜が満開となった浦河は1年で最も美しい季節を迎えています。事務所近くに居を構える“エゾタヌキ”の夫婦も、厳しい冬を乗り越えた直後の3月には痩せ細っていましたが、冬眠明けのカエルやミミズなどの食物が豊富となる5月を迎え、“タヌキ”らしい体型に戻ってきました。
春を迎え“タヌキ”らしい体型を取り戻した“エゾタヌキ”の夫婦。
さて、JRAブリーズアップセールに体調が整わず間に合わなかった6頭につきましては、5月21日(月)および22日(火)の両日にJRA札幌競馬場で開催されるHBAトレーニングセールに上場いたします(JRAの馬は5月22日に上場)。今回の上場馬は、ブリーズアップセール直前に跛行等の理由によって順調に調教を行うことができなかった馬達です。
ブリーズアップセールから約1ヶ月と決して十分な期間ではないために、HBAトレーニングセールへの上場を見送った馬も4頭おりますが、今回の上場する6頭については、競走馬では普通に見られる疾病の発症が、偶然ブリーズアップセールと重なってしまった馬たちになります。これらの馬たちにとって、HBAトレーニングセールは競走馬としてのスタートラインに立つためのラストチャンスになります。
トレーニングセールに備えての併走調教。内:No. 211ダイコーダンスインの10(牡 父リンカーン)、外:No.210エムケイミラクルの10(牡 父ケイムホーム)
トレーニングセールに備えての併走調教。内:No. 212フレンドリータッチの10(牝 父ケイムホーム)、外:No.209アポロヘルムの10(牝 父タイキシャトル)
今回私たちが上場する馬たちにとって、セールは「単に売って終わりではなく」、「競走馬になるための過程」であることが大切と考えています。セール当日は、民間セールの雰囲気に合った走行ができるよう、馬たちと相談をしながらしっかりと鍛え、セールまで残り少ない日々の調教を進めているところです。
長い冬が明け、北海道は一年で最も素晴らしい季節を迎えています。皆様のご来場を心からお待ち申し上げています。
調教終了後は、馬の精神や生理状態をナチュラルに保つため、下馬してグラスピッキングを行います。馬は草を食べることで非常にリラックスします。左:No. 211エムケイミラクルの10(牡 父ケイムホーム)、右:No.208ワンモアベイビーの10(牡 父ケイムホーム)。