« 活躍馬情報(事務局) | メイン | 育成馬ブログ 生産編②「その2」 »

育成馬ブログ 生産編②「その1」

・離乳後、当歳馬をしつけるための「3つの方法」

 

離乳直後の当歳馬は、

「母馬」という絶大な安心感を喪失するため、

少なからず精神的に不安定な状態に陥ります。

このため、馬によっては

離乳後に取扱いが困難になる場合もあり、

これまで以上に人に対する信頼感や

安心感を育む努力が必要になります。

  

一方、放牧地で十分な青草を食べながら、

他の馬たちと一緒に自発的な運動をすることが、

この時期の子馬の健康な成長にとって必要不可欠であるため、

必然的に人間と接する時間は限られます。

このため、短時間で効果的な躾を実施することが求められます。

  

そこで、今回の育成馬ブログでは、

離乳後の当歳に対して日高育成牧場で実施している

「集放牧の時間を利用した躾」について、

3つの方法をご紹介します。

毎日継続して、これらを実施することで、

人馬の信頼関係をしっかり構築していくことができます。

  

1.間隔を離した引き馬

 

集放牧時、群のままで前の馬との間隔をつめる引き馬では、

馬は落ち着いて歩きます。

しかし、場合によっては、引いている人ではなく、

前の馬をリーダーとして認識しています。

このため、前の馬との間隔を空けることで、

引いている人がリーダーとなり、人馬の関係を構築します。

「常に馬の意識を人間に向けさせること」を念頭に置き、

前に歩かない馬や、逆に前に行きたがる馬の場合、

引いている人が馬のスピードをコントロールしましょう。

 

Photo 

前の馬との間隔を空けた引き馬

  

2.駐立・常歩展示の練習

 

集放牧時に、

放牧地と厩舎の途中で駐立・常歩展示の練習をします。

重要なことは、必ず1頭で実施することです。

落ち着くからといって、

他の馬を近くに残しておくことは、「全く意味がありません」。

馬が寂しがったとしても、

人間がリーダーとなって安心感を与えましょう。

 

駐立および常歩展示、

いずれの場合であっても重要なことは、

「人と馬の距離感」です。

特にリード(引き綱)はゆったりと保持し、

決して短く保持して

無理矢理抑え付けることがないように気を付けましょう。

ここでも同様に、

馬の意識を人間に向けさせることがポイントになります。

 


YouTube: 駐立展示の練習

 

 


YouTube: 常歩展示の練習

 

つづく