育成馬ブログ 日高②
○ 寒くても元気いっぱい!(日高)
日高育成牧場のある浦河町では、
例年よりかなり早い10月20日に初雪が降りました。
その後も道路上に「根雪」はないものの、
11月末には終日気温があがることなく
最低気温が氷点を下回る毎日です。
寒さが日々厳しくなっている北海道から、
元気いっぱい調教に励む育成馬の近況をお伝えします。
●育成馬の近況
JRA育成馬の近況をお伝えします。
最初に馴致を終了した第1群(牡23頭)は、
屋外1600mダート馬場での縦列調教(1周:ハロン20秒程度)を
繰り返し実施しています。
屋内800m馬場に比べて
外部からの様々な刺激を受けやすい屋外馬場で、
落ち着いた縦列走行ができています。
この時期の調教の基礎である、
①前に(Go forward)
②真っ直ぐ(Go straight)
③落ち着いて(Go calmly)
走行することができ、力強さも感じられるようになってきました。
動画1.屋外1600m馬場で駈歩調教を行う牡馬。
先頭からムツミマーベラスの15(父:ヴァーミリアン)、
サワヤカブランの15(父:ルーラーシップ)、
フローラルホームの15(父:バゴ)、
ルカダンスの15(父:エイシンフラッシュ)、
カネトシフィオーレの15(父:プリサイスエンド)。
また、10月に入って馴致を開始した第2群(牝22頭)は、
これまで屋内トラックにおいて、
ハロン26-24秒程度で1周(縦列)+2周(2列縦隊)
の調教を繰り返してきました。
当初は真っ直ぐ走れない、
または馬群を気にして落ち着かない馬もいましたが、
現在は綺麗な隊列で安定した(真っ直ぐ:Go straight)走行ができています。
11月中旬からは順次、
屋外1600mダート馬場でのキャンターも開始しています。
動画2.屋内800m馬場で駈歩調教を行う牝馬。
先頭内レディーロックフォードの15(父:ヨハネスブルグ)、
先頭外マイネレーヌの15(父:ビクトワールピサ)、
2列目内マイネナデシコの15(父:ゴールドアリュール)、
2列目外アサクサコンソメの15(父:ハービンジャー)。
最後に馴致を開始した第3群(牡11頭、牝4頭)も
極めて順調に調教が進んでいます。
既に800m屋内トラックでの基礎固めは終了しており、
年内に無理なく1・2群と合流できそうです。
●トレッドミルを導入しました
この11月、日高育成牧場育成馬厩舎に
馬用トレッドミルが導入されました。
既存の研究用トレッドミルに比べ簡易なタイプですが、
育成厩舎横に設置されたことで
日常管理の中での使用が可能となりました。
現在は主に疾病からの立ち上げが必要な
育成馬のリハビリ用に使用していますが、
次年度からは騎乗馴致前の基礎体力作りへの
応用なども検討しています。
これから様々なデータをとりつつ、
より良い使用方法を検討しようと思います。
新しい知見が得られた際には同ブログでも報告します。
写真1.トレッドミル運動でのリハビリに臨む育成馬。
胸に巻いているのはハートレートモニターで、
運動中の心拍数をモニタリングします。
動画3.トレッドミル運動中の育成馬。
人が騎乗せずに落ち着いてまっすぐ走ることができるので、
運動器疾患からのリハビリにとても有効です。
●育成馬検査を実施しました
11月8日・9日にJRA馬事部生産育成対策室の職員が来場し、
育成馬検査を行いました。
例年11月と翌年の1月に実施するこの検査は、
育成馬の成長度合いや調教状態を把握することを目的に実施しており、
あわせてベストターンドアウト賞の審査も実施しています。
この検査で実施するベストターンドアウト賞の審査基準は、
「馬のしつけと手入れが行き届き、かつ人馬の一体感を感じさせる
展示・引き馬・調教が行えていること」です。
育成馬の視察でお客様や生産牧場の関係者が来場した際に、
気持ちよく見て頂く準備ができているか否かを確認し、
受賞できなかった人馬には何が不足していたのか、
これまでの日々を振り返る良い機会となります。
お客様に馬を見ていただけるチャンスを最大限に活かすため、
今後も継続していきたいと考えております。
写真2.育成馬検査風景。悪天候のため、
今回は角馬場横の通路で馬を展示しました。
寒さも厳しくなってきましたが、
是非ともJRA育成馬の姿を見にお越しください。
皆様のご来場をお待ちしております!