育成馬ブログ 宮崎⑤
○ブリーズアップセール用育成馬写真の撮影(宮崎)
宮崎では「スポーツランドみやざき」の名の下、
初春の風物詩となっているプロ野球球団のキャンプが
2月1日からスタートしています。
昨年同様、
巨人、ソフトバンク、オリックス(宮崎市)、
広島、西武(日南市)
の5球団がキャンプインしています。
昨年、セリーグを制した広島に続いて、
本年もこれらの中から優勝チームが誕生することを
期待せずにはいられません。
さらに、2月下旬にはWBC日本代表「侍ジャパン」の合宿
および強化試合が行われる予定もあります。
宮崎がキャンプ地として選ばれる理由は、
気温では沖縄に及びませんが、
「日本のひなた」というキャッチフレーズのとおり晴天率が高く、
特に2月の日照時間は那覇市の約2倍であるという点です。
キャンプが始まると、県内外から多くの観光客が訪れ、
宮崎の街は活気づきます。
写真① 日南市南郷スタジアムでキャンプ中の西武ライオンズの選手たち。
野球選手も坂路調教が効果的なようです。
●育成馬の近況
さて、宮崎育成牧場の
JRA育成馬22頭の近況をお伝えいたします。
最初にウォーミングアップとして
500mトラック馬場で直線をキャンター、
コーナーを速歩という調教を左右3周ずつ実施しています。
この調教は、同じ環境で同じ調教を実施することによって
メンタル面の安定を図ることを目的としています。
一方、1600m馬場では、
3月からの本格的なスピード調教に向けて、
現在は基礎体力養成を主眼に調教を実施しています。
1列縦隊で20~18秒/ハロンのペースでの
2000mのステディキャンターを基本調教としています。
また、週1回実施している強調教時には、
同様に2000mの距離を走行しますが、
普段とは異なるパターン、
つまり、2列あるいは3列縦隊で
ラスト3~4ハロンをハロン16秒/ハロンのペースでの
調教を実施しています。
このように1週間の調教の流れをパターン化して、
馬が“オン”と“オフ”の切り替えを
馬自らできるように工夫しています。
写真② 左)ウォーミングアップとして実施している
500m馬場での直線キャンター、コーナー速歩調教。
右)1600m馬場における牝馬群の2列縦隊でのキャンター。
動画① 2月上旬の1600mダートコースでの調教動画
●ブリーズアップセール用写真の撮影
ここからは、4月25日(火)に中山競馬場で開催される
ブリーズアップセール用の育成馬写真の撮影について
触れさせていただきます。
一昨年までは、可能な限り直近の
育成馬の姿を写真で見ていただこうという趣旨で、
セリ名簿と写真カタログを個別に作成していました。
しかし、昨年からは、お客様の利便性を考えて、
セリ名簿に育成馬の写真を掲載させていただいております。
そのため、育成馬の写真撮影の時期が
一昨年から1ヶ月ほど早くなり、
2月初旬から撮影を開始しております。
写真③ 写真撮影を行うエムエヌメロディーの15
(牝、父:エスポワールシチー)
様々な写真撮影のテクニックがありますが、
馬の良さを引き出す写真を撮影する最も重要な要素は
天候と言っても過言ではありません。
太陽の光と風が味方してくれなければ、
どれだけ手入れをして、どれだけきれいに立たせても
インパクトのない写真になってしまいます。
そういった意味では、冒頭で述べましたとおり、
晴天率が高い「日本のひなた」宮崎は、
撮影テクニックを補ってくれる
太陽の光が見方をしてくれており、
順調に撮影を終えることができました。
毎日育成馬を見ていると、
成長の様子を感じることはできませんが、
昨年9月の入厩時の写真と比較すると、
5ヶ月間トレーニングを行い、
1歳時の子供らしさが抜けてたくましくなっていることを
実感することができます。
写真④ アンキャニーの15(牝、父:ロードカナロア)の
左)昨年9月中旬の写真、右)2月上旬の写真
育成馬の写真撮影を始めると
セールが近づいてきたことを実感いたします。
私たちが育成馬に手をかけられる時間は
セールまでの残りわずかな時間となります。
この限られた時間を育成馬のために費やしたいと思います。