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育成馬ブログ 宮崎①

○1歳セリとJRA育成馬の入厩(宮崎)

 

●1歳セリについて

 

本年度の1歳セリは6月27日(火)に開催された

九州市場からスタートしました。

九州市場では15頭が上場され、

8頭が落札されました(売却率:53.3%)。

 

続いて開催された八戸市場は、上場馬40頭のうち31頭が落札され、

過去最高であった昨年の売却率(61.9%)を大きく上回る

77.5%の売却率となりました。

 

この要因として、馬セリ市場の好景気および

キョウエイギア号やミライヘノツバサ号など

近年の青森産馬の活躍はもちろんのこと、

それ以外にも昨年は60%であったノド(上気道)の内視鏡動画や

四肢のレントゲン写真などのレポジトリーの提出率が、

本年は90%にまで上昇したように、

関係者の情報開示への取り組みも要因のひとつとして挙げられます。

 

北海道で最初の1歳セリとなったのは、

今や「日本一のセリ」にとどまらず、

「世界でも有数のセリ」となった「JRHAセレクトセール」でした。

北海道の苫小牧市の「ノーザンホースパーク」において、

7月10日(月)に開催され、

上場馬242頭のうち216頭が売却されました(売却率は89.3%)。

新聞等による既報のとおり、

売却総額および売却率ともに過去最高という結果となりました。

 

7月セリの締めは、7月18日(火)に

北海道静内町で開催された「HBAセレクションセール」でした。

本年は226頭が上場され、

184頭が売却されました(売却率は81.4%)。

セレクションセールでも活発な競り合いが繰り広げられ、

売却総額および売却率ともに過去最高という結果となりました。

 

Photo_2

写真1.九州市場において購買した本年度のJRA育成馬

第1号となったデンコウブルーの16(牝 父:アルデバラン)

【JBBA日本軽種馬協会様提供】

 

なお、JRAは九州市場において牝馬1頭(写真1)を、

八戸市場において3頭(牡2頭、牝1頭)を、

セレクトセール(1歳)において4頭(牡2頭、牝2頭)を、

そしてセレクションセールにおいて13頭(牡:6頭、牝:7頭)を

それぞれ購買しています。

 

いずれの1歳市場も多くのお客様が参加されており、

非常に盛況な印象を受けました。

このセリにおける盛り上がりは、

競馬産業全体を盛り上げていく活力となるように感じました。

 

 

●JRA育成馬の宮崎育成牧場への入厩

 

前述のJRAが購買した馬の中から、九州市場で購買した1頭、

八戸市場で購買した3頭およびセレクションセールで購買した3頭の

合計7頭が7月23日(日)に宮崎育成牧場に入厩いたしました。

 

セレクションセールで購買した3頭を乗せた馬運車は、

7月20日(木)の14時に北海道静内を出発し、

函館から青森間のフェリー経由で本州に渡り、

7月21日(金)の5時に八戸において八戸市場で購買した3頭を積み、

新潟競馬場に14時に到着いたしました。

 

北海道から宮崎への輸送は44時間にも及ぶため、途中、

新潟競馬場において1泊の休憩を挟んでから宮崎育成牧場へ向かいます。

新潟競馬場の厩舎では、馬達は最初のうちは落ち着きませんでしたが、

徐々に慣れ、寝藁の敷かれた馬房で長時間輸送の疲れを

癒しているように見えました(写真2)。

 

Photo_3

写真2.新潟競馬場で一夜を過ごしてリラックスしている3頭の牝の育成馬

 

翌日の10時に新潟競馬場を出発し、

日付が変わる頃に関門海峡を渡り、7月23日(日)の8時30分に

無事に宮崎育成牧場に到着しました(写真3)。

 

Photo_4

写真3.北海道からの長旅を終えて馬運車から降りる

マイネカプリースの16(牝:父クロフネ)

 

到着後には微熱を認める馬もいましたが、大事には至らず、

全頭放牧することができました。

セリ上場のために個体管理が行われていた馬達は、

元気良く放牧地内を疾走します(写真4)。

9月以降の「騎乗馴致」が始まるまでの間、

成長を待つとともに「群れで生きる草食動物」として

「馬」らしく管理したいと考えています。

 

Photo_5

写真4.宮崎競馬場の遺構である一等馬見所をバックに

放牧地を疾走する3頭の牡の育成馬の群れ。