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育成馬ブログ(日高②)

新年の育成牧場

 

○ 休み明けの調教に注意

 
日高育成牧場のスタッフも新しい気持ちで新年を迎えることができましたが、牧場関係者にとってこの時期は育成馬の調教や繁殖牝馬の出産準備といったことに気が抜けない時期でもあります。どの牧場もそうですが、生き物を飼養していることからゆっくりお正月というわけにはいきません。日高育成牧場でも、年末年始はシフトを組んで馬の健康チェックや手入れ、ウォーキングマシンによる運動、パドック放牧に伴う集放牧、馬房清掃といった管理を行いました。歩様が乱れた馬や治療が必要な馬にとっては、調教にスムーズに合流するための馬体のケア期間でもありました。
大みそかも元日も当番業務を行ってくれたスタッフにとっては、いつもと変わらない休日だったかもしれませんが、育成馬たちは「2歳馬」となり少しずつ競走馬になる日が近づいてきています。
 

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写真1)パドックで砂浴びならぬ「雪浴び」をする育成馬

 

ひとつ大人になったはずの育成馬たちですが、休み明けの調教には注意が必要です。休日にウォーキングマシンによる運動や放牧による精神的なリフレッシュを行っていても、馬の走りたい気持ちと体力が有り余っていることから、休み明けの騎乗には気を使います。騎乗者も普段以上に馬の反応に注意を払わなければならないため、新年最初の騎乗は正月気分どころではありません。

年始の北海道各地では除雪が追い付かないほどの積雪があり、交通機関の大きな乱れや一部では停電もあったようです。日高育成牧場のある浦河周辺でもマイナス10度くらいまで気温が下がりましたが、幸いにも積雪は例年より少し多い程度で、年始の調教スケジュールに大きな影響はありませんでした。
一般的に馬は寒さに強いといわれておりますが、極度に寒い環境での調教は下気道など馬体への影響が気になります。しかし、現実的には騎乗者ほうが先に寒さに堪えられなくなるようで、この季節は騎乗者の意見も聞きながら、人は防寒対策を万全に、馬はウォーミングアップをしっかり行ってから調教をするように心がけています。

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写真2)冬の調教は寒さとの戦いでもあります

 

○ 騎馬参拝で安全祈願

 
日高育成牧場では近くの神社に乗馬で参拝する行事「騎馬参拝」に参加しています。毎年1月2日に行われるこの参拝は、10数頭の馬がJRA日高育成牧場を出発して約1時間かけて西舎神社に参拝し、人馬の無病息災を願う地域の恒例行事です。本年は、当場で乗馬指導を受けている日本ハムファイターズのマスコットB☆Bも参加してくれました。
人馬の無事とコロナの収束も祈願してきましたので、育成馬たちのこれからの調教も無事に進んでいってくれることでしょう。

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写真3) 浦河恒例の騎馬参拝