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2026年3月

2026年3月13日 (金)

馬の全身麻酔における新薬「レミマゾラム」の可能性

臨床医学研究室 黒田です。


今回は、当研究所で実施した最新の研究の中から、次世代の鎮静・麻酔薬として期待される「レミマゾラム(Remimazolam)」に関する知見をご紹介します。

■ 人間の内視鏡検査でも活躍する新薬
レミマゾラムは、ベンゾジアゼピン系と呼ばれる種類の麻酔薬で、人間の医療現場ではすでに広く活用されています。特に胃カメラなどの内視鏡検査や短時間の手術において、「麻酔からの覚醒が極めて早く、かつ安全性が高い」という点が大きなメリットとされています。この「目覚めの良さ」という特徴は、実は人間以上に、馬の医療において極めて重要な意味を持ちます。

■ 馬の麻酔管理における「覚醒時」の課題
馬の全身麻酔において、最も神経を遣う場面の一つが、手術終了後の「起立(立ち上がり)」です。
麻酔薬が体内に長く残ってしまうと、体意識が朦朧とした状態で立ち上がろうとして転倒し、体の大きい馬では骨折などの重大な事故につながるリスクがあります。そのため、理想的には麻酔薬がすぐに体からなくなって速やかに麻酔から覚めることが求められています。

■ 研究の結果:従来薬を大幅に上回る「代謝スピード」
本研究では、サラブレッドを対象にレミマゾラムと従来のミダゾラムを投与し、薬物動態(血中濃度の推移)を詳細に比較・解析しました。解析の結果、レミマゾラムは体内で非常に速やかに代謝されることが明らかになりました。

Photoレミマゾラムとミタゾラムの血中消失動態

■ 安全な外科手術の実現に向けて
今回の基礎研究により、レミマゾラムは馬においても「必要な時にしっかり効き、速やかに消失する」という優れた特性を持つことが裏付けられました。

今後、他の麻酔薬との併用における安全性や、長時間の手術での反応を詳しく検証していく予定です。この研究が進むことで、より安全で馬に負担の少ない麻酔管理体制が確立されることが期待されます。

当研究所では、これからも最新の科学的知見を応用し、馬たちの健康と安全を守るための研究を推進してまいります。  

〈外部リンク〉:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41055126/                            

2026年3月10日 (火)

異動という名の出会い

企画調整室の桑野です。

 3月は我が社の人事異動の月です。異動は、組織にとって新しい体制づくりや活性化のために欠かせないものですが、そうは言っても残る人にも異動する人にも慣れ親しんだ仲間との別れの月です。ちょっとの期間でも一緒に働いた仲間には情が移ると言いますか、仲間意識が生まれると申しますか、一種の連帯感が生まれますので、ちょっと寂しい気持ちになる季節です。

 一方、新しい出会いもやってくることで、新たな視点を持つチャンスも到来します。異動される方にとっては不安もあるでしょう。ところが、JRAの職員は一同、自分の経験が増え、視野を広げられる機会と捉えており、実に前向きな姿勢を保っております。素晴らしいことです。

 新しい方が来たら、早速、意気揚々と業務に取り掛かる姿を見ることになるでしょう。私、老兵も、心構えを新たに、若い方達の足を引っ張らないように新規事業に取り組んでいかないと。そのような心づもりで、太った腹の下で腰の帯を締め直しているところですwww。

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3月初めての週では異動された方達が座っていた机がもの悲しいです。でもすぐに新しい方が来て、また活発になります。こうして月日は目まぐるしく移っていきます。