臨床医学研究室の黒田です。
花粉症真っ只中の季節ですが、皆さんは花粉症いかがでしょうか?

私は発症しておりますので、マスクもしくは薬で乗り切っております。この花粉症の薬は、抗アレルギー薬の中でも、アレルギー反応の中心である物質「ヒスタミン」の体中の受容体をブロックする抗ヒスタミン薬が一般的で、私もフェキソフェナジンという物質の薬剤を飲んでいます。
この抗ヒスタミン薬の主な副作用には眠気があります。これはヒスタミンが脳内の活動にも関与していて、薬が脳内のヒスタミン受容体もブロックしてしまうために起こります。ヒトの論文では、第1世代と呼ばれる古い薬品ほど、脳内の活動を抑えてしまいますので眠気が強く、現在これらの第1世代の抗ヒスタミン薬は逆に睡眠導入薬として販売されています。第2世代の抗ヒスタミン薬は比較的眠気が出にくいのですが、眠気が出やすい人もいます。この抗ヒスタミン薬は個人差も大きくて、薬と人との相性があるようですので、色々試して自分に合った薬品を見つける必要があるそうです。
ちなみに、馬の蕁麻疹(写真)などのアレルギー疾患でもこれらは使われております。私が使っているフェキソフェナジンは馬では腸管から体の中に吸収されないので、錠剤での投与に効果がないことがわかっております。既報において効果が期待されるのはオロパタジンやセチリジンという抗ヒスタミン薬になります。

馬がこの薬で眠気を感じるかどうかはわかっていませんが、私が行った実験で、眠気の強い第1世代の抗ヒスタミン薬を馬に投与しても、眠気は見られませんでした。実際に治療で使ってもそのような症状は見られていないので、馬の脳内にはあまりヒスタミン受容体がないのかもしれません。
もう少し花粉の季節は続きますが、頑張って乗り切りましょう。
総務課の髙橋です。
以前もご紹介した競走馬リハビリテーションセンター見学ツアーですが、
お陰様でたくさんのご応募をいただいており、最終回は定員に達しました!
初回、第2回も、まもなく締切日となります。
ご興味のある方は、ぜひ詳細をご覧ください!!
詳細はこちら→JRAホームぺージ
微生物研究室の丹羽です。
JRA競走馬総合研究所では馬医療の発展・普及のためにいくつかの獣医系大学の大学院と連携機関として協定を締結しています。現在、JRAでは3名の研究者が、山口大学大学院共同獣医学研究科で主指導教員の資格を持ち、大学院での講義や博士課程の学生指導に参画しています。
去る1月29日に、山口大学で行われた学位論文発表の審査員(副査)として参加しましたので、そのことについてご紹介します。
通常、博士となるには学士(学部:4年間)、修士(大学院前期:2年間)、博士(大学院後期:3年間)の9年間の教育課程を経ますが、獣医では学士(6年間)、修士課程はなく博士過程(4年間)の計10年間の教育課程となります。今回、ご紹介する学位論文発表会は、この長い教育課程を終了し博士を目指す研究者の卵達にとって最後の関門です。
今回は、2名の学生の発表について審査を行ってきました。それぞれ、ヒトへの感染の恐れのある野兎病菌、社会問題となっている薬剤耐性菌に関する発表でしたが、審査を行う立場でありながら、自分自身にとっても大変勉強となる内容でした。
もちろん、お二人とも審査に無事合格し、来春からは博士として研究や獣医臨床の場で活躍される予定です。昔から博士号は「足の裏の米粒(研究者にとっては取らないと気持ち悪いが、とっても食えない)」と言われていましたが、これからの獣医学の発展に博士号の存在は不可欠だと感じさせる発表会でした。


山口大学の最寄り駅は「湯田温泉駅」。
いかにも風情のある駅舎ですが、大学の施設は立派です。
総務課の髙橋です。
すでにホームページ等でもお知らせしていますが、今春、株式会社JTB様とタッグを組み、
競走馬リハビリテーションセンターの見学ツアーを開催します!
昨年も同時期に開催しましたが、参加したお客様より大変ご好評をいただいたことから、
本年も引き続き開催する運びとなりました。
「馬の温泉」で知られるリハビリ施設の見学のほか、本会獣医師によるウマを学べる馬学講座、
福島競馬場での競馬観戦(バックヤードツアー付)など、1泊2日の内容となっております。
詳細はJRAホームページからご確認ください。
たくさんのご応募、お待ちしております!!
微生物研究室の片山です。
微生物研究室では、馬の細菌感染症の病性鑑定を行っています。
昨年はJRAのトレーニング・センターなどから89件もの細菌検査の依頼がありました。平成31年も年明け早々、栗東トレセンから細菌検査の依頼がありました。
細菌検査は、まず現場で病馬の病変部から検査サンプルが採取され、当研究所に宅配便で送付されます。このサンプルを培地に塗布して原因の細菌を分離し、何と言う名前の細菌なのかを決めます(菌種の同定)。そしてこの原因菌に対して、どの抗菌薬が最も増殖を阻止できるかを調べます(抗菌薬感受性試験)。細菌感染症の治療で最も重要なことは、一番有効な抗菌薬をできるだけ早く投与することですので、これら一連の検査は迅速に行い、現場の獣医師に結果を速やかに知らせることが求められます。
当研究所では写真のような『マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI-TOF MS)』と言う検査機器を少し前に導入して、病原性細菌の同定時間短縮に取り組んでいます。
MALDI-TOF MS (ブルカー社製)
測定時の画面 (大腸菌のピークスペクトル)
従来の同定方法では1日以上の時間を要しましたが、MALDI-TOF MSでは1分以内に分離細菌の菌種を同定できます。ヒト医療では本装置は既にかなり普及して利用されていますが、馬医療では馬特有の細菌種を同定するための内部データが十分ではなく、当研究室では現在その点を補完するための研究を病性鑑定と合わせて実施しています。
総務課の高橋です。
先週日曜日は、年末の風物詩、日本中が競馬モードの「有馬記念」でした。
私は首都圏の某ウインズで、一日中ビギナーの方々に馬券の買い方などをご案内しておりました。
普段は競馬に接しない方も、この日ばかりはひっきりなしに訪れては、初めての馬券購入にドキドキし、
常連の方々も、いつも以上にあーでもない、こーでもないと悩み、それぞれ「夢」を買っていかれました。
いちファンから職員に立場が変わって久しいですが、有馬当日はいまだに気分が高揚します。
それだけ、特別なレースなのですよね。
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開催執務については、以前、企画調整室の太田もこのブログで紹介していましたが、
我々事務職も、全国の競馬場・ウインズに出張して、馬券の発売やお客様対応に務めています。
当然、お客様が多ければ多いほど忙しいですし、乗り切っても疲れが一気に押し寄せてきます。
でも、「外しちゃったよ~」なんて言いながら満面笑顔で帰路につく方を拝見すれば、
「ああ、自分たちが作っている競馬で、こんなにも楽しんでくれたんだ」と達成感で満たされます。
レース前のドキドキ・ワクワクが顔一面に表れて。
スタートすれば、真剣な眼差しで心の底から声援を送り。
ゴール後に広がる、本気の歓喜と、本気の落胆。
これだけ多くの人の「夢」に接し、間近で見ることができる仕事は、そうそうないんじゃないでしょうか。
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ラスト1日。
そして来年も。
中央競馬を通じて、皆さんが「夢」を見るお手伝いができれば幸いです。
ぜひ今後とも、競馬場に、ウインズに足を運んでください!
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さて、研究所の仕事納めも近付いてきました。
玄関では、門松の準備が進んでいます。
皆様、どうぞよいお年をお迎えください。
素敵な初夢、見られるといいですね。
分子生物研究室の坂内です。
12月8日から13日まで、馬の国際間移動に関する会議に出席するため、
香港の沙田(シャティン)競馬場へ出張してきました。
会議の前日(9日)には、香港ジョッキークラブが主催する国際競走が行われ、日本からも9頭が出走しました。
とても華やかな雰囲気の中、1日にG1レースが4つも組まれている大イベントです。

こうした国際競走の背景には、感染症など馬の衛生に関する国同士の合意が欠かせないわけですが、
今回参加した会議ではそうしたルール作りに関することが話し合われます。
ジャパンカップを始めとするJRAの国際競走を盛り上げるために、衛生を確保しつつ、
より多くの国から馬が来てくれるように私たちは取り組んでいます。

臨床医学研究室の笠嶋です。
本日は福島県いわき市にある競走馬リハビリテーションセンターで屈腱炎で療養中のウマに幹細胞を移植しに行きます。
この治療法は「再生医療」と言われ、屈腱炎というケガで傷ついた腱組織を万能細胞の一つである幹細胞の力を借りて再生しようとする治療法です。
幹細胞は移植予定のウマの骨髄液から分離して、今日まで2週間培養を続けて数を増やしてきました。そして、写真は移植当日の朝に幹細胞を準備しいている様子です。
現在、懸命にリハビリに励んでいる競走馬の下へ、今から幹細胞を持って向かいます。この治療法で1頭でも多くの競走馬がターフに復帰できることを願いつつ・・・。