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ちょっと風変わりな歩行訓練?

 福島浜通り地方の天気。最近、ちょっとおかしいですね。すばらしい秋空になったと思ったら、台風でもないのに、ものすごい風と雨が吹き荒れたりして・・・。船の事故や遭難の事故をよく聞くような気もするし。何か落ち着かないですね・・・。

 さて、今回の施設紹介ですが、最近このリハビリメニューを開始したばかりのライト君をモデルにご紹介しましょう。風変わりと言っても、そんなに変わってるわけではないのですが・・・名前が「ウオータートレッドミル」(またまた名前が長いのでWTと略しますね。)と言います。トレーニングジムなどに通っている方は、なんとなくわかるかもしれませんね。そうですね・・・水中に沈めたルームランナーと言えばイメージがわくでしょうか。

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 まずは準備をしているところです。馬ははじめて見る場所や建物に入っていくことを、とても嫌います。ライト君はまだ始めて1週間もたっていませんので、「今からWTに入るよ」と十分に心構えをさせ、同時に水の冷たさや水しぶきに慣れさせる必要があるんです。写真は脚元についている砂などを洗い落としているところです。その間の時間を利用して、ライト君にWT室内の風景を見せてあげます。

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 ゆっくりと入っていきます。温泉は脚だけが湯に浸かりますが、WTはそれより少し深めでお腹が当たるぐらいの深さになります。入っているのは普通の水です。温度は人のプールと同じくらいでしょうか・・・。初めは抵抗しますが、すぐに慣れて自分から入るようになる馬がほとんどです。

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 写真ではわかりませんが、青と黄色の境界線から後ろに、馬が乗っても十分に余裕のある長さのルームランナーが底面に設置してあり、操作盤(いつも私が操作しています)が写真の右側にあります。メニューは、常歩(なみあし=普通に歩く)5分。次に速歩(はやあし=二拍子でゆっくり走る)5分。最後に常歩5分の計15分です。写真は常歩をしているところ・・・最初は水しぶきに驚いたりしますが、だんだん慣れていきます。

 曳き運動、騎乗運動とリハビリが進んで、いよいよ馬場に入ろうかという時、「久しぶりの馬場入りだけど、大丈夫かなあ・・・少し負担のかからない環境で走らせてみたいなあ」と考えます。そんな時に使用するのがこのWTなんです。浮力がかかるので、全体重かけることなくゆっくり走ることが出来ます。また、適度に肢を冷やす効果もあります。たとえば骨折。特に関節部分の骨折は、ゆっくり休養させても予想以上に熱がひかず、リハビリの段階を進める判断が難しくなりますが、そんなときにもWTが利用されます。負担の軽いWTで歩かせてみて、熱が悪化しないか、レントゲン検査で異常が認められないか確認するんですね。よく、トレーニングジムでは、プールでウオーキングしている人の姿を見ますよね。そんな人たちに効果の程を聞いてみたり、実際に自分でやってみるとライト君の気持ちもわかるかもしれませんね!

 WTは平日の13時から実施しています。(都合により予定変更や中止もありますので、ご了承ください。)ライト君や他の馬たちの奮闘ぶりを、是非見に来て応援してやってください。(ASHI)

 では、「きゅう舎の皆様へ」

 WTを話題にしましたので・・・腕節の骨折後、いつまでも熱が取れずに困ることありませんか?あくまでも私見ですが、WTはそんな馬たちに効果があるようです。常磐でリハビリはいかがでしょうか?お待ちしております。

馬場も秋色・・・

 「1、2、3、シンジラレナ~イ」。優勝した北海道日本ハムファイターズ。北海道出身の私にとっても、駒大苫小牧に続いて、とてもうれしいニュースでした。そんな北の大地はきっと冬の足音が聞こえてきている頃。でもここ常磐はまだまだ秋色って感じですよ。そんな気分を伝える風景は・・・やはり馬場でしょうか。

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 常磐の馬場はダートコースで1周400m。トレセンに比較すれば、かわいらしいものです。懸命のリハビリ生活を耐えて、ようやく立ち直った競走馬たちが久しぶりに砂の感触を味わう場所、つまり復帰すべく次回出走を目指してのスタートラインがこちらの馬場なのです。

 つい、1ヶ月ほど前までは、青々としたみどりの葉が生茂っていた木々。それぞれ時間差をつけながらだんだん黄色くなり、とてもカラフルな色合いの風景となっております。「湯治場日誌」の方では、過去に向こう正面の桜をご紹介しています。そちらの方も見てくださいね。こちらの方にも、来年の4月になったら季節の便りとして載せる予定です。

 機会を見つけて後ほどちゃんとご紹介しますが、常磐にはミミという名前のポニーちゃんがいます。ミミは支所の入り口で皆様を出迎えるかんばん娘。ミミは時に放し飼い状態で放牧されておりますが、そんなミミの案内で、あけびの実を見つけることが出来ました。(写真のバックはあけびとは関係ありません)

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まだ、熟してない実を2つに割ってみました。私は「あけび」を手にとって見るのがはじめてなんです。(誰ですか?世間知らずなやつだなあ、と言ってるのは・・・その通り・・かな)「湯治場日誌」では「常磐動物王国」ってのをやってますが、「植物ばんざい」ってのもやってみたいですね。でも苦手なんだなあ~、植物は・・・。

って、今回の投稿も完成か・・・と、思っていたら、ミミの担当者が、しっかり熟したあけびを持ってきてくれた(ありがとうございます!)ので、こちらも写真を載せておきます。ではでは。(ASHI)

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では、最後に「きゅう舎関係者にお知らせコーナー」を。

 蟻洞でお悩みの愛馬はいませんか。ストレスのかからない環境の整った常磐でじっくり治療に専念してみては・・・。連絡お待ちしております!!

チャプチャプと歩けば

 先日の台風並みの低気圧。常磐支所のある福島県浜通り地方にも襲ってきました。それほど強烈な雨ではなかったのですが、降る時間が長く、また風も強かったため、支所内の各施設に枯れ木が散乱して大変でした。馬たちは興奮することもなく嵐が去るのを静かに待っていたようですが・・・。皆様の地方では被害はありませんでしたか?最近は自然災害が当たり前のように起こりますよね。天候は競馬にも影響を及ぼしますので、ホント、穏やかに毎日が過ぎてほしいと願うばかりです。

 さて、今回はウオーターウオーキングマシンをご紹介しましょう。常磐支所には屈腱炎や骨折など脚元の病気のため入所してくる馬が多いのですが、彼らがまず最初に経験するリハビリ施設がこのウオーターウオーキングマシンなのです。ちょっと、名前が長いので「WWM」と省略して書くことにしますね。

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 WWMを撮ってみました。大きさはちょうど、遊園地のメリーゴーランドくらいの大きさでしょうか(BGMに映画「タイヨウのうた」で主演したYUIのMerry Go Roundを流しながら読んでいただくと楽しく読んでいただけるかな・・・)。と、言ってもメリーゴーランドもいろんな大きさのものがありますよね。こちらのWWMは直径が12メートルぐらいで4つの部屋に仕切られています。

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 馬場での調教が終わって、WWMに入場しているところです。皆、慣れているので抵抗なく入っていきます。

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 こちらは、騎乗運動を終えて入ったところ。各スペースに1頭ずつ馬を入れて準備が整ったらスイッチオン!

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 深さ約40センチに水を敷いた円形コース。仕切りが回転すると、各馬が促されるようにゆっくりと歩き始めます。チャプチャプ・・・と。水の抵抗感があって、適度な負荷がかかることと、肢を冷やす効果があり、初期のリハビリとしては最適のものなんです。また、ある程度調教が出来るようになった馬が、馬場から戻ってクーリングダウンをするのにも使用しています。

 さて、こちらの施設、支所内の奥にあるため、残念ながら見学はできません。ごめんなさい。でも、温泉に入っているところや馬場で調教しているところは見ることが出来ますので・・・。各馬のリハビリメニューは午前中に組まれていますので、お早めにご来場ください!!(ASHI)

 そして、最後に「きゅう舎関係者にお知らせ」コーナー。

 入きゅう馬を心待ちにしております。トレセン診療所で手術を実施した馬も大歓迎です。適切なリハビリメニューを組んで実施していきますので、連絡お待ちしております。!!

プール調教が終了です

 このコーナーが始まって間もないというのに、タイトルに「終了です」とはどういうことだ?という声が聞こえてきそうですね。

常磐の施設を少しずつご紹介していこうと思っているわけですが、今回はプールです。昭和50年からスタートしたプール調教。屋外施設のため、利用期間が限られているのです。毎年5月下旬から10月初旬まで。今年も10月6日に最終日をむかえることとなりました。さすがに水も冷たくなってきましたから・・・。ということで、こんなタイトルです。  

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さて、馬のプールって?と、想像できない方もいらっしゃると思いますので、写真を撮ってみました。まずは水に入ろうとしているところ・・・「水冷たいよ。今日はやめとかない?」と係員に言っているのでしょうか・・・少し抵抗していますね。しかし、これも大事な調教の一つ。避けるわけにはいかないんだな・・・。本当は馬場で思い切り走らせてあげたいんですけどね。常磐の馬たちは皆脚元に不安を抱えてるんです。だから、馬場での調教は控えめにして、脚元に負担がかからないプールで泳いでもらって、筋肉と心肺機能を少しでも維持させよういうのが狙いで行ってる調教なんですよ!

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  どうですか、一所懸命泳いでいるのが写真で伝わるでしょうか?1周40メートル、深さ3メートルの円形水槽です。前肢を犬かきのように動かし、後肢を力強く蹴って泳ぎます。水の中に入ると、胸の部分にも水圧がかかりますから、呼吸するにもいくらか努力が必要になる。これが心肺機能を鍛えることにつながるんです。そして激しく肢を動かさないと沈むので、みんな必死。肩や腰の筋肉の鍛錬にもなります。中には泳ぎが苦手な馬もいます。一定のリズムで前肢を動かしていれば問題ないんですけど、休んだり不規則だったりすると、体がだんだん立ってきて、いわゆる立ち泳ぎの状態になりパニックに陥るんです。そんな時は素早く曳いてプールから出します。平均3周程度を1周30~40秒のスピードで泳ぐことになります。

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ほっとして、出てきたところです。このあと、整理運動をして、温泉で疲れを取り馬房にもどります。「お疲れ様!」「疲れた~、さあ、風呂入って、ご飯食って・・・」と言ってるかどうか知りませんが・・・。来年も5月下旬、葉桜の季節に再開予定です。見学も出来ますので興味のある方はいらして下さい。お待ちしております。(ASHI)

またまた、最後に「勝手にきゅう舎関係者の方にお知らせ」コーナー!

常磐でもショックウエーブの治療をリハビリの中に取り入れる準備をしております。入きゅうを考えている愛馬に適応する治療か?等いろいろな、ご相談承ります。よろしくお願いします。

温泉だよりスタートです

 日誌を書いている今日は雨。このところ、雨の日が増えてきているような気がします。職員との会話の中にも、「今年は雨が多いね」「そうだよね」というやりとりが多くなった感じがしますね。常磐支所の馬たちも、「足元が悪い日が多いよね」「そうだね」なんて会話をしてるのかもしれません。さわやかな秋晴れを期待したい10月です。

 さて、皆様はじめまして!温泉だより担当のASHIと申します。湯治場日誌でご存知の方もいるのではないかと思います。これから私の日誌をご覧になる方が増える・・・かもしれないんですよね。緊張するなあ・・・。これまでは、気まぐれに、馬には関係ないことまで書いてきた私ですが、これを機会に気分を・・・変えることなく、今までのスタイルを貫いて、勝手なことを書いてしまう私をどうか許してくださいね!これからはJRAHPと元来の湯治場日誌両方を意識して書かなければならないということで、私が担当になってから既に紹介した話題をもう一度・・・という場面もあるかもしれません。湯治場日誌読者の皆様、どうぞご了承願います。

 というわけで、最初はやっぱり温泉のご紹介から・・・ということになります。

まずは常磐温泉の泉質と性状です。

 含硫黄ナトリウム塩化物・硫酸塩泉 無色透明微弱硫化水素臭味。 

(漢字が並んでしまいました!)

これではわからないので、入った瞬間の感じ方を言ったほうが良いですね。とにかくじわじわと暖かさが伝わってくる感じです。無色透明となっていますが、少し淡青色に濁った感じに見えます。臭いは硫黄臭を軽く感じます。長時間入っていると、僅かですが肌に刺激を感じます。あがると体がぽかぽかしていい気分ですね。疲れを癒す競走馬にとっても、とても気持ちの良いものでしょう!

次に浴槽とシャワー

 シャワーは水圧を高くして、肩腰のお好みの箇所に集中して当てることができるようにしています。馬の体をすっぽりお湯に浸からせるわけにはいかない(浮かんで暴れてしまう)ので、肩や腰にはシャワーを使います。各馬のリハビリメニューにあわせた温泉以外の調教施設を利用した後にリラックス、疲労回復を目的に使用しています。馬たちの顔を見ると効果抜群って感じですね。

そして入浴

 温度は38度~40度。時間は15分前後です。

 人が入るには少しぬるめです。皮膚が薄く、お肌もデリケートな馬にはちょうどいい温度なんですね。

 

と、こんな感じで・・・書いていきたいと思ってます。馬とは関係ない話もいっぱいするかもしれません。常磐の良いところを語り、季節を感じることの出来る便りにしていけたらなあ、と思ってます。皆様、どうぞよろしくお願いします!!

 

 さて、最後にこれをご覧になっている、きゅう舎関係者の皆様!今年の常磐はかなり入きゅう頭数が少なくなっております。入きゅうを検討している愛馬がおりましたらご一報ください。お待ちしております。湯治場日誌の方には、入きゅう状況、空き馬房数も掲載しておりますのでご利用ください。と、最後は業務連絡までしてしまいました・・・。さてさて、これからどんな話題が飛び出すことか・・・乞うご期待?ではでは。