馬の温泉だより

「あ～あ、お前はどうして、落ち着きがないのかなあ」

という、担当のメグルくんの心の叫びが聞こえてきそう・・・。最近、トレッドミルをはじめたばかりのチャムちゃんの入浴中。

　「温泉に入っているときは、可愛い顔するんですけどね・・・。」

と、メグルくん。トレッドの最中はあっちもこっちも気になって、落ち着きがありません。運動中も、何かを見ては大騒ぎするチャムちゃんであります。おてんば娘って感じです。

　気がついてみると、在きゅうしている馬たちの半数が牝馬なんです。昨年がせいぜい２～３頭だったので、今年は多いかもしれません。その牝馬を見て喜ぶのが男たち。騒ぐ男たちを見ては心落ち着かないのが女の子。チャムも

「もう少し、静かにならないのかしら・・・」

なんて、思っているのかもしれません。

そんな彼女も温泉はお気に入りのようで、口で遊んだり、脚でバシャバシャしたり楽しそうに入っています。穏やかな気持ちで毎日を過ごしてくれたらなあと思います。メグルくんの言うことをよく聞いてリハビリに励んでね、チャムちゃん！（ASHI）

　北日本を中心に寒波の襲来がありましたね。常磐は雪は降りませんでしたが、寒い日が続いております。寒い方が馬たちは元気なのですが・・・。風邪気味だった私も少し良くなりましたので、２歳の元気組に負けないようにしないと・・・。

　さて、トレッドミルではター君がリハビリに励んでおります。

彼はとってもおしゃべりです。

　「うるさいねえ、誰としゃべってるの？」

なんて、つい言ってしまうのですが・・・彼が鳴くとどこからか返事が聞こえてくるんですよ。

終わり頃になると次の馬が後ろでスタンバイするのですが、それを見てまた鳴きます。

　「もう少しで終わるから待ってろよ。」

とでも言ってるのでしょうか・・・。でも初めての馬が来た時に鳴くのを見ると

　「トレッドは面白くないぞ～、やめたほうがいいぞ～！」

なんて、告げ口しているのではないかと心配になります。

　｢頼むから余計なこと言わないでね。」

何だか知らんぷりって感じです。

先日面白かったのが・・・

トレッドが終わるとチャイムが流れるんです。私はストップウォッチ片手に操作をしているので、チャイムが鳴るまで何秒か正確にわかるのですが、その日のター君は、時間を知ってか知らずか、５秒前に鳴き始めてチャイムが鳴る寸前に鳴きやむという離れ技？をやりました。

「お前、チャイムが鳴るのがわかったの？」

ただの偶然でしょうけどね。おしゃべりの意味がわかればきっと面白いかも・・・でも永遠の謎ですね。今のところは・・・。まあ、だいたいは、

「いつになったら終わるの」「いつまでやらせる気？」

と聞こえることが多いです・・・。

マイペースなター君は今日も温泉に入って１日を終えようとしています・・・。（ASHI）

　昨日は冷え込んだ常磐。吐く息も白く、大温度計も終始一桁を表示しておりました。常磐職員も風邪気味の人が多くて、この私も鼻のかみすぎで、赤くひりひりしております。

　こんな日こそありがたいのが温泉ですね。久々の「いい湯かな」はバインくんにモトくんです。

運動場で、ちょっと疲れた顔のトミーくんを発見。

「大人しそうだな・・・可愛くて仕方がないだろ」

「はい、毎日楽しんでます」

なんて、会話を交わしたのですが・・・実はバイン君はとっても神経質。毎日元気いっぱいで周りを気にしては大暴れしているものですから、あちこちからトミー君の声が響いてくる・・・これは裏返しの会話というわけでして・・・。

しか～し、温泉はというと、これが大人しいんですよ。可愛い顔して入っているでしょう。ジ～っと入っているタイプですね。

　反対側に回ってみると、こちらではモト君が入浴中。こちらは「あ～、気持ちいいなあ」というよりは、はしゃぎながら入っている感じでした。

「どうかしたの？」

というような目で見られたところを撮りました。

「最近は、長めに入れてくれるからいいよね。」

なんて言ってくれているように見えました。２頭とも温泉大好き度は・・・◎で！！

明日もいい湯かな？（ＡＳＨＩ）

　今朝の起床は午前３時でした。１頭の卒業馬を送るためにちょっと早めの朝・・・。当然、外は真っ暗闇・・・常磐は周辺の街灯が少ないので、特別暗く感じます。今日はいつもより暗いなあと思っていたら、雨が降ってきました・・・。とっても冷たい雨。きゅう舎では早起きの馬たちの鳴き声にせかされて、きゅう務員さんたちがせっせと朝ごはんの支度をしています。

　「今朝は体温が高めだったんですが・・・」

こんな日は、そんな相談がよく来ます。

　「少し寒いから、運動は軽めにしようか・・・」

　そんな風に気を遣うこともしばしば・・・。リハビリ、調教のペースをころころ変えることは良くないですし、だからと言って無理すると熱を出したり、お腹をこわしたりする・・・。デリケートなんですよ彼らは。

　馬場の調教は雨でも当然行いますが、彼らの足元が気になるのも雨の日。何しろリハビリ中ですから、馬場の状態に合わせて運動量を調整したり、メニュー終了後のケアについても一言添えたりします。雨の日に関節などに熱を持ったりするのは要注意。絶対に無理をさせません。雨が当たって晴れている日よりも冷えているのが当たり前ですから、状態の判断に雨の日は有効という考え方もあります。

「なんだか、いつもより大人しいよなあ、今日は・・・」

　っていうのも、気になります。風邪をひきかけてるのかなあ、ただ機嫌が悪いのかなあ・・・。まあ、彼らは答えてくれませんので・・・。

「様子がおかしかったら教えて」

　と、いうことになります。

こっちの心配はよそに馬たちはマイペース。１日のリハビリスケジュールのため奮闘しているきゅう務員さんも大変です。

「さ～て、見回りに行ってくるか！！」

今日の雨・・・やみそうにないかな・・・。（ASHI）

きゅう舎関係者の皆様へ

常磐、ただいま満員御礼！！状況によっては少しお待ちいただく場合もあるかもしれません。（昨年はなかったのですが・・・）ご了承ください！！（ASHI）　

　ひらひらと葉が落ちて、なんとなく物寂しくなる季節。１１月ですよ、もう。早いですね１年は。毎年、言ってるかなあ・・・この台詞。

しか～し、きゅう舎の馬たちはというと元気な鳴き声が響いているんですよ！！この時期は２歳馬が増えてくるんですね。気がつくと、４分の１が２歳馬で占められていました。

　２歳馬は何と言っても顔つきが子供っぽくて、可愛いのがいいですよね。馬房でも運動中でも、とにかく落ち着かなくて

「あっぶねえ！蹴られるとこだったよ・・・」

「わかった、わかった、今飼い葉やるから・・・待てよ（キムタク風）」

とか、きゅう務員たちの声が聞こえてくるのもこの時期の特徴でしょうか・・・。

「へえ、あの○○の子供かあ・・・言われてみるとそっくりだよな」

「懐かしいなあ。こいつの父ちゃんの現役時代はすごかったよなあ」

なんて話も出てきたりします。

　彼らは体が柔らかいのも特徴。皆さんは目がかゆい時ってどうしますか・・・って、当然指でこすりますよね。馬は前肢は届かないから壁などにこすりつけます。でも中には・・・後肢の蹄でこすることも出来るのです。「どうやって？想像できない・・・」っていう人も多いと思いますが、それをはじめてみた時は私もびっくりしましたよ。

「やわらかいなあ・・・」

だから若い頃、先輩に

「馬の横に立っていても危ないから後肢の動きに注意しろよ」

といわれたものです。競馬場では２歳の新馬戦が行われています。やんちゃな彼らの仕草をじっくり観察するのも面白いかもしれませんよ。（ASHI）

きゅう舎関係者の皆様へ

「常磐は２歳馬の入きゅうが増えてにぎわっています。入きゅうのお問い合わせは常磐に直接お願いいたします。また、再生医療に関する入きゅう馬も７頭を数えています。こちらについてもお問い合わせは常磐まで！」（ASHI）