馬の温泉だより

こんにちは。

函館は朝晩はすっかり肌寒くなりました。ついこの間まで暑いと思っていたのに・・・。もう夏も終わりで一気に冬の気配になってきそうです。

昨日９月２３日は函館競馬場の退厩日でした。１２０日間続いた入厩期間も終わってみるとあっという間。少し寂しさを感じます。まだ札幌開催はあと２週間ありますので、皆さん遊びにいってくださいね。

今年は本当に多くの馬が温泉に来てくれました。前回のブログで温泉が盛況だった理由を書くと予告したので、今日はそのことについて書きますね。

夏季の馬温泉場の窓ガラスには、温泉利用馬で競馬に勝った馬を貼り出しています。温泉に来てください！っていう一種の宣伝なんですが、今年は本当にたくさんの勝ち馬を貼らせていただきました。

その中でも、この一枚は宣伝効果抜群！グラスゴッド号が勝った「北海ハンデキャップ」は単勝万馬券。その上グラスゴッド君は顔まで（耳や目まで）温泉につかる程の温泉大好き馬（写真がないのが本当に残念）。勝った次の週から温泉利用馬が一気に増えました。

厩舎内の噂話って本当に広まるのが早いんですよね。温泉に入ると勝てる！なんてジンクスみたいなところもありますが、温泉利用馬が温泉でリラックスしてレースで頑張ってくれたと考えるとこちらもうれしくなってきます。

夏の温泉はまた来年！ですが、来年もたくさん入浴しに来てくださいね。

【おまけ】トレセン行きの馬運車にメジロドーベル号を見つけました。女馬の馬運車もあったんですね。知りませんでした。そして、この馬運車にはドーベルの仔、メジロダイボサツ号が乗って美浦に向かって出発しました。ちょっと粋な計らいですね。

こんにちは。いわきは今週いっきに寒くなり20度をきってしまいました。。

さて、今週は急性期のリハビリということでＲＩＣＥ処置をしているところをお見せしたいと思います。

まず、Ｒ・・ＲＥＳＴ　（休養）ですので、馬房内休養の写真

・・・・馬房にいるだけっ？・・・そのとおりです。馬房から出さないだけで運動制限になるのです。つまり、休養。。眠そうなカジノドライヴさん、モデルありがとうございました。。（ちなみに彼は無事ここを卒業しました。）

次に　Ｉ・・Ｉcing（冷却）　の画像です。

前膝（腕節）にぐるぐるなにか巻いてありますね。ここから水道水がでており、肢を冷やしています。氷やアイスノンなどを使う方法もありますが、最近は冷えがもちやすいということで水が良く使われています。理由はまた今度の機会に。。ちなみにこの方はゴールドヘラクレスさんでした。

次に　Ｃ・・Ｃompression（圧迫）の映像です。

とその前に圧迫に使うものをお見せしましょう。

まずは中敷き。。左のふわふわの包帯状のものをくるくると分厚く巻いたり、中に綿花が入った布団状の布をまず肢に巻きます。

次に包帯。。左が収縮型の包帯、中が普通の包帯、右がテープ状の包帯です。通常巻くときは左のもの、圧迫を強く掛けたいときは中や右を組みあわせたりします。

では巻いている写真。。

布団状の布と伸縮包帯の組み合わせ。ちょっとふわっとしてるのがわかります！？

次にＥ・・Ｅlevation（挙上）といいたいのですが、通常の状態で馬では寝転んで肢をあげとくなんてことができないので。。難しいですね。。。　

代わりにIcingとCompressionを兼ねた湿布の写真を。。。

・・・　ちょっと。。いっしょ？・・ではないです。

布団状の布がふわっとしてないのがお分かりになりますか？・・・

これは、湿布といって冷やして腫れないように巻くもので、アルコール（イソプロピルアルコール）や薄めた消毒薬などを布に染ませて巻きます。冷却主体だとアルコール、傷があって保護しながら腫れないようにするには消毒薬を選びます。腫れが出にくいということで結構使われているんですよ。。。モデルのフェラーリピサさんありがとうございます。元気にプールを泳いでおります。。

。。。さて、実際のＲＩＣＥ処置お分かりになりましたでしょうか？リハビリシリーズの次の機会には修復期をおはなしします。

ブログの次回は、馬の温泉いろいろ話　その１をお送りします。（すみません。ばらばらで。。。。）

☆常磐からのお知らせ☆

常磐支所では現役競走馬を世話しながら、ＪＲＡ厩務員を目指す研修生を募集しています。詳しくはこちらのリンクをご覧下さい

　　　　　　　　　↓

http://www.equinst.go.jp/JP/onsen/onsendayori.html

先週の結果

先週は3頭出走してくれました。

9/18（土）

ストラヴィンモカ号　中山　3Ｒ　5着

9/19（日）

ルイスビスティー号　中山　3Ｒ　8着

9/20（祝）

アラシヲヨブオトコ号　阪神　6Ｒ　5着

今週の常磐卒業馬の出走予定

9/25（土）

ナイスオペラ号　　　中山　10Ｒ　・・・・・・・・菊花賞目指してがんばって！！

ダンディーズケア号　中山　11Ｒ

フェスティヴハッピ号　阪神　6Ｒ

メイショウバーモス号　阪神　7Ｒ

9/26（日）

アイティアビー号　札幌　4Ｒ　

レットイットライド号　中山　9Ｒ

ブライトアイザック号　中山　10Ｒ

こんにちは。Ｎです。いわきもだいぶ涼しくなり、夜に窓を開けて寝ると寒いぐらいになってきました。

さて、今週は競走馬のリハビリの中でも、急性期のお話をしたいと思います。

『急性期』といってもまあなんだかよくわからないですよね。

では、先週の表を少し見てみましょう

急性期は、怪我をしてすぐの状態で、痛みがあったり、腫れてきたりして動かすとさらに怪我が悪くなる時期のことをいいます。馬では基本的に馬房内で休養することになります。

屈腱炎だとこの写真のように腫れます。

この時期にする処置として　ＲＩＣＥ処置　と書いてありますが、これは人の救急処置に使われている言葉で英語の頭文字をとっています。

Ｒest（休養）　Ｉcing（冷却）　Ｃompression（圧迫） 　Ｅlevation（挙上）の略です

残念ながら、E　は馬ではなかなかできませんけどね。。。

では、来週はＲＩＣＥ処置の実際を写真でお見せします。。

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http://www.equinst.go.jp/JP/onsen/onsendayori.html

先週の結果

先週は4頭出走してくれました。

9/11（土）

アイティアビー号　新潟　6Ｒ　9着　　スノーライダー号　中山　12Ｒ　10着

9/12（日）

レットイットライド号　中山　9Ｒ　7着　　スズジュピター号　中山　10Ｒ 　6着

今週の常磐卒業馬の出走予定

9/18（土）

ストラヴィンモカ号　中山　3Ｒ　

9/19（日）

ルイスビスティー号　中山　3Ｒ　

9/20（祝）

アラシヲヨブオトコ号　阪神　6Ｒ　　（アラシ君卒業後初出走がんばって）

こんにちわ。函館競馬場馬の温泉とともにどんどんブログを盛り上ていきましょう。

さて、今回はリハビリ舞台裏ということでプールを取り上げたいと思います。

昨年のプール開きの映像です。ごらんのとおりきれいなプールで気持ちよさそうに泳いでますね。このプールきれいに保つためにはいろんなメンテナンスが必要です。

まず日頃のお手入れ。

底にたまった沈殿物を専用の掃除機で吸い取っているところです。泳いでる最中にボロをすることがよくあるので、水は循環ポンプできれいに浄化してますが、沈殿物は吸い取るしかありません。今年のように暑い夏だと藻が生える可能性があるので塩素をいれることもあります（人間のプールよりは塩素はきつくありませんが。。。）

次は、年1回のお化粧直し、まずはお掃除

水の量が500トンも必要で満杯にするには3日かかるため、冬場は水を抜かずプールを開始する約1ヶ月前から水を抜きます。まず、水流で汚れを落とします。

次に修復します。プールのすぐ近くを泳ぐことがあるため、壁面がかなり崩れているのがお分かりになると思います。少しずつはがしてペンキを塗ります。

完成です。きれいにお化粧できました。

このプール今年は10月中旬？（まだ決まっていません）まで実施しています。お近くにお寄りの際は是非お立ち寄り下さい。

常磐支所のご案内→→　http://www.equinst.go.jp/JP/onsen/onsen-kengaku.html

来週は、競走馬のリハビリ　その２　急性期　のお話です。

先週の結果

先週は３頭出走してくれました。

9/4（土）

ルイスビスティー号　新潟　3Ｒ　15着　　ナイスオペラ号　新潟　10Ｒ　10着

9/5（日）

フェスティヴハッピ号　小倉　3Ｒ　15着

今週の常磐卒業馬の出走予定

9/4（土）

アイティアビー号　新潟　6Ｒ　

スノーライダー号　中山　12Ｒ　

9/5（日）

レットイットライド号　中山　9Ｒ

スズジュピター号　中山　10Ｒ

こんにちは。最近常磐支所のブログ更新が頻繁に行われているのを見て、すこし焦りぎみです。内地はまだまだ暑い日が続くようですが、函館はやっとさわやかな陽気が戻ってきました。

新スタンドグランドオープンとなった函館開催も無事に終わり、いわゆる「うらはこ」（裏函：札幌開催中の函館の競走馬滞在期間のことです）となりました。「裏」といっても、滞在頭数は現在５００頭超！週の半ばの水曜・木曜は札幌よりも頭数が多いんですよ。

今年も『馬温泉所』にはたくさんの馬が訪れてくれました。ここ数年は温泉入浴馬が増えてきており、週末の活躍を見るのが楽しみになっています。温泉馬が増えてきた理由としては、入浴の良い効果が知れ渡り、また実感してもらっているところが大きいと思いますが、今年はまた違う理由もあるように思います。そのことについてはまた今度書きますね。

さて、今日は今年温泉に来てくれた２頭の馬について書かせてもらいます。１頭目はカネヒキリ号です。先日現役引退を発表し種牡馬入りが決定しました。

競馬に詳しい皆様はご存知だと思いますが、カネヒキリ号の現役生活は輝かしい競走成績を残した一方で怪我との戦いの日々でした。私が獣医師としての立場から見ていても、その度重なる復活は何か人知を超えた奇跡のようなものに感じられました（もちろんその奇跡はリハビリに携わった人たちの努力の賜物なんですが）。８月１２日の門別競馬「ブリーダーズゴールドカップ」が最後のレースとなってしまいましたが、今後は種牡馬としての活躍が期待されています。良い仔をたくさん出してくださいね。

写真は、レース後に温泉療養に来た時のカネヒキリ号です。８歳という年齢ですが、他の馬を見ては喜んで鳴くという子供っぽいところもありました。（種牡馬向きかも）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

今回紹介するもう１頭はトウカイメロディ号です。先週の札幌日経オープンで、古馬オープン勢を完封し函館・札幌で３連勝、菊花賞に向けて今もっとも勢いのある３才馬です。３才の夏に力をつけてくる馬を『夏のあがり馬』と呼び、菊花賞を制した例では古くはアカネテンリュウ（私は生まれてませんが・・・）、メジロマックイーン、最近ではマンハッタンカフェやオウケンブルースリなどもこのタイプの出世を遂げています。ただこのタイプの馬は菊花賞時にはダークホース的な扱いを受けることが多いのですが、トウカイメロディ号は前出の馬の菊花賞時に比べて実績がすでに抜きん出ていることから、もう菊花賞の主役の１頭と言っていいでしょう。函館温泉所一同？応援していますよ。

トウカイメロディ号です。初めて温泉に入ったときはやんちゃなしぐさも見せましたが、今ではとてもリラックスして入浴しており、気に入ってもらえている様子です。

こんにちわ。Ｎです。今日から始まる新シリーズ「競走馬のリハビリ」。

第1回は『リハビリって何？』をお送りします（というか、いつも新シリーズですが。。。）

さて、「リハビリ」って聞くと、人間だと病気怪我で歩けなくなった人が社会復帰するために松葉杖をついてがんばったり、ご老人が機能回復のために行ったりというイメージですが、競走馬の場合はスポーツ選手が怪我したと考えていただくとわかりやすいと思います。。骨折にしろ屈腱炎にしろ、ほとんどの馬はそのまま歩けますしね。

では、リハビリとは何か？

簡単に言うと、「なるべく早く元どおりに動けるようにすること。」です。

そのために何をするのかということになるのですが、怪我の時期によってすることが違います。怪我した直後は「休養」がリハビリになりますし、怪我がよくなってくると馬場調教がリハビリになります。休養・治療・運動をいかに組み合わせて早く元の能力へ戻すかが課題です。

どのようにするのかを簡単に図に示します。

傷の強度に合わせて少しずつ運動を負荷するのがお分かりかと思います。

この図で実際どのようにやっていくかというのは、第2回に述べたいと思います。

常磐からのお知らせ

さて、夏休み特別企画として行っていました『プール最速馬を探せ』は8月一杯で終了しました。おかげ様で100名の方に予想していただき、31名の方が正解されました。中には初めてマークカードを塗りつぶした方も多数おられ、予想の楽しさを味わっていただけたと思います。

また、場内のウォークラリークイズ『馬の温泉　ウォーキングクエスチョン』は引き続き実施しておりますので、馬の温泉に立ち寄られた際には是非お試し下さい。

常磐支所のご案内→→　http://www.equinst.go.jp/JP/onsen/onsen-kengaku.html

来週は、リハビリの舞台裏　お化粧直し　のお話です。

先週の結果

先週は３頭も出走してくれました。

8/28（土）

ラグタイムバンド号　札幌６Ｒ　１４着、ゲンパチタキオン号　札幌９Ｒ　10着

8/29（日）

ジェイケイセラヴィ号は札幌９Ｒ　キーンランドカップ（Ｇ３）で2着に入りました。直線で先頭に立つ勢いでしたが。。。惜しい～。次回に期待です。

今週の常磐卒業馬の出走予定

9/4（土）

ルイスビスティー号　新潟　3Ｒ

ナイスオペラ号　新潟　10Ｒ

9/5（日）

フェスティヴハッピ号　小倉　3Ｒ