函館の夏は終わり...去る馬・来る馬
こんにちは。最近常磐支所のブログ更新が頻繁に行われているのを見て、すこし焦りぎみです。内地はまだまだ暑い日が続くようですが、函館はやっとさわやかな陽気が戻ってきました。
新スタンドグランドオープンとなった函館開催も無事に終わり、いわゆる「うらはこ」(裏函:札幌開催中の函館の競走馬滞在期間のことです)となりました。「裏」といっても、滞在頭数は現在500頭超!週の半ばの水曜・木曜は札幌よりも頭数が多いんですよ。
今年も『馬温泉所』にはたくさんの馬が訪れてくれました。ここ数年は温泉入浴馬が増えてきており、週末の活躍を見るのが楽しみになっています。温泉馬が増えてきた理由としては、入浴の良い効果が知れ渡り、また実感してもらっているところが大きいと思いますが、今年はまた違う理由もあるように思います。そのことについてはまた今度書きますね。
さて、今日は今年温泉に来てくれた2頭の馬について書かせてもらいます。1頭目はカネヒキリ号です。先日現役引退を発表し種牡馬入りが決定しました。
競馬に詳しい皆様はご存知だと思いますが、カネヒキリ号の現役生活は輝かしい競走成績を残した一方で怪我との戦いの日々でした。私が獣医師としての立場から見ていても、その度重なる復活は何か人知を超えた奇跡のようなものに感じられました(もちろんその奇跡はリハビリに携わった人たちの努力の賜物なんですが)。8月12日の門別競馬「ブリーダーズゴールドカップ」が最後のレースとなってしまいましたが、今後は種牡馬としての活躍が期待されています。良い仔をたくさん出してくださいね。
写真は、レース後に温泉療養に来た時のカネヒキリ号です。8歳という年齢ですが、他の馬を見ては喜んで鳴くという子供っぽいところもありました。(種牡馬向きかも)
今回紹介するもう1頭はトウカイメロディ号です。先週の札幌日経オープンで、古馬オープン勢を完封し函館・札幌で3連勝、菊花賞に向けて今もっとも勢いのある3才馬です。3才の夏に力をつけてくる馬を『夏のあがり馬』と呼び、菊花賞を制した例では古くはアカネテンリュウ(私は生まれてませんが・・・)、メジロマックイーン、最近ではマンハッタンカフェやオウケンブルースリなどもこのタイプの出世を遂げています。ただこのタイプの馬は菊花賞時にはダークホース的な扱いを受けることが多いのですが、トウカイメロディ号は前出の馬の菊花賞時に比べて実績がすでに抜きん出ていることから、もう菊花賞の主役の1頭と言っていいでしょう。函館温泉所一同?応援していますよ。
トウカイメロディ号です。初めて温泉に入ったときはやんちゃなしぐさも見せましたが、今ではとてもリラックスして入浴しており、気に入ってもらえている様子です。