« 2012年6月 | メイン | 2012年8月 »

P1050675

震災復興のキーワードとしてすっかり定着し

2011年を表す漢字ともなった

「絆」

最近は風化しつつあるようにも感じますが

こんな帽子が出来上がったので、久しぶりに考えてみました

 

どうやら「絆」の語源は

「馬などの動物を繫ぎとめておく綱」

のようです

意外にも馬と関連のある言葉でびっくりしたのですが

ということは「絆」って、これ?

P10506671

いやいやいや、やっぱり「絆」ってここの関係だよね

P10506672

と思うわけですが、言葉の意味を深く考えてもしょうがないので

「絆」とは「断つことの出来ない人と人との結びつき」

ということで理解しました

 

さて、冒頭の帽子

これは、常磐支所で研修しJRAの厩務員として巣立っていった研修生たちが立案してくれたものです

正面はこんな感じでいわき色たっぷりになってます

P1050647  

巣立ってからも、いわきに思いを寄せてくれているのは

まさに「絆」によるものと思っています

 

常磐支所でのリハビリにおいて、研修生たちの存在はなくてはならないものです

 

私たちは

リハビリメニューを作成し

定期的な検査、治療、装蹄等をするだけです

 

後は研修生たちのがんばりにかかっています

 

朝から馬房掃除をして

P1050665

準備運動をして

P1050656

騎乗調教をして

P1050244

ウォーキングマシーンに連れて行き

P1050659

プールにも行かなくちゃ

P1050674

温泉に入れて

P1050651

治療が必要な馬もいるし

P1050631

一日休まることがありません

 

そんな研修生たちの頑張りがあるからこそ

長期間のリハビリを行い、競走復帰を目指し

喜びや悲しみを共有できるんだと思います

 

そんな研修生たちですが

今年もめでたく2名が競馬学校に合格し

常磐支所を巣立っていくことになりました

 

彼らとも深い絆が結ばれることを願っています

 

「絆」を感じながら

今年の夏は、この帽子で暑さをしのぎ

涼しくなったら、このベストを着て仕事をしようじゃないか

P1050644

 

☆常磐支所からのお知らせ☆

常磐支所では現役競走馬を世話しながら、JRA厩務員を目指す研修生を随時募集しています。

詳しくはこちらのリンクをご覧ください

http://www.equinst.go.jp/JP/onsen/onsendayori.html

函館競馬終了! メジロライアン来場!! そして、“おぎやはぎ”も!?

 こんにちは、函館競馬場からHですpig

世間ではこれから夏休みが始まるようですが、今年の函館夏競馬は先週で終わってしまいましたimpact

開催期間中の競走馬診療所は結構忙しいのですが、終わってしまうとさびしいものですねweep

やっぱり、6週間はちょっぴり短く感じてしまいます。

ただ、函館記念が行われた最終日には3連休の中日であったこともあり、数多くのお客様に来場いただき、一昨年のグランドオープン以降の入場者レコードでしたhappy01

私H含め職員一同、ヒデキ(?)感謝・感激 sign02

6週間という短い期間でしたが、ご来場いただいた皆様、馬券を購入して応援していただいた皆様、どうもありがとうございました。

  

さて、話は変わって、先週お知らせしたとおり、7月14日の土曜日に函館競馬場でメジロライアン号の展示イベントが行われました。

2

ライアンのイベントは2007年から毎年行われており、競馬場改装時を除き今年で5回目sign01

5年前には軽快な走りを見せてくれたライアンも、今年で25歳になったそうです。

さすがに以前のようなハリはありませんが、まだまだ見た目は若いですねぇgood

2_2

今年の4月に盟友のメジロパーマーが急死したので、ショックで落ち込んでいるんじゃないかと心配していたんですが、函館で元気な姿を見せてくれましたhappy02

2_3

内容は昨年と同様、鈴木淑子さんと奥平真治元調教師のご案内でパドックを周回し、横山典弘ジョッキーを背に本馬場入場してファンの皆さんに堂々たる姿を披露horse

2_4

2_5

これまでのように馬場を疾走することはできませんでしたが、多くのファンの前でその雄姿を見せてくれましたhappy01

2_6

ライアンの本馬場入場は5レース終了後と最終レース終了後の2回行われ、2回目は恒例の抽選で選ばれたファンの方々との口取り写真撮影会が行われました。

お天気の方も、お昼には曇りがちの天気でしたが、午後から日差しが射してきて夕方には快晴になり、絶好の口取り日和にsun

2_7

撮影会に参加された方々は、お待ちいただいている間は少々興奮気味、ライアンの横に並んだ時は皆さん満面の笑顔になって、少し早い夏の思い出になったんじゃないでしょうかnotenote

2_8

その後、フジテレビ土曜深夜に放送されている『なまうま』の撮影で来場されていた“おぎやはぎ”さんと松尾翠アナウンサーが乱入punch

2_9

ちゃっかり、皆さんで記念写真を撮られていましたcamera

2_10

2_11

なまうま出演者・スタッフ一同にも、心の中に温かい何かを感じていただけたと思いますheart04

最後は、息子さんの横山和生ジョッキー・四位ジョッキーも交えて、関係者全員で記念写真を『カシャッ』sign01sign01

2_12

毎年のことですが、とても清清しい1日になったと感じましたsun

今回も、函館競馬場に駆けつけて下さった横山典弘ジョッキー、この日のために事前にライアンの騎乗練習をしてくださったレイクヴィラファームの皆様、イベントを盛り上げてくださった奥平真治元調教師・鈴木淑子さんはじめ関係者一同様、本当にお世話になりました。

皆様への感謝の気持ちでいっぱいですhappy01

そして、“メジロライアン”様、昼と夕方の本馬場入場だけでなく、それ以外の時間もふれあいパドックでファンの皆様の前に雄姿を見せてくれて、本当に一日ご苦労様でした。

牧場に帰ってゆっくり休んでくださいhappy02

2_13

年も年なので来年また函館に来る確約はできないと思いますが、元気なようだったらまた会いましょう。

本当にアリガトね、ライアンさんsign03

  

先週で函館競馬は終わりましたが、今週から夏の北海道競馬・札幌シリーズが始まりますsun

まだまだ興味の尽きない競馬が続くと思うので、皆さんご期待くださいgood

函館にもあと5週間競走馬が滞在するので、これからは彼らが札幌競馬で活躍できるように “馬温泉spa” 頑張りま~~すscissors

2_14

それでは、函館競馬場からHでしたpig

もう一つの函館競馬場にしかないもの、それは・・・

こんにちは、函館競馬場からHですpig

7月も中旬になり、世間ではこれから夏休み気分になってくるころですが、今年の函館競馬は今週でおしまい。

結構忙しかったですけど、電撃の6週間はやっぱり短いですねweep

少々センチな気分にもなってしまいますが、最後の1週もよろしくお願いしますhappy02

   

ところで、以前のブログで函館競馬場が唯一とか一番のものをいくつか紹介しましたが、憶えていらっしゃいますか?

おさらいとして、

     馬温泉があるsign01

     ダッグアウトパドックがあるsign01sign01

     海に近いsign01sign01sign01

     空港に近いsign01sign01sign01sign01

以上の4つをご紹介させていただきましたが、実は他にもあるんです。

それが、

  

     馬用の手術室があるsign03    なんですgood

JRA施設の中で、手術室は両トレセン・競走馬総合研究所(本所)・日高育成牧場にもありますが、競馬場内にあるのは函館だけscissors

おそらく、地方競馬場を入れても函館競馬場だけだと思います。

今回は、その手術室についてご紹介させていただきます。

  

これが函館競馬場の手術室です。

Photo

中央に置かれた手術台+マットの上に馬を寝かせて、手術をします。

人の手術室を大きくしたような感じと言えば想像つきやすいでしょうか。

写真には写っていませんが、この周りに検査機器や肢の固定具などが用意されています。

また、馬の手術室には人の手術では必要のない施設が併設されています。

それがこれ、倒馬室&回復室です。

Photo_2

写真だとわかりづらいですが、プロレスのリング(約6メートル四方)ぐらいあります。余計わかりづらいかもしれませんが・・・

左側の大きいドアのようなものが、倒馬用のスイングドアです。

この部屋は、手術の際麻酔をかける専用の部屋で、同時に手術後麻酔からさめた馬を起こす時にも使います。

それでは、この手術室での競走馬の手術の模様をご紹介いたします。

今回ご紹介するのは、函館競馬に出走し残念ながら左腕節の骨に剥離骨折が見られた馬の手術で、『内視鏡下骨片摘出手術』を行ったものです。

まず、麻酔薬やその他の薬剤を血管内に投与するためのカテーテルを頸静脈に留置し、

Photo_3

準備をしている間に、術部の毛をバリカンで刈ります。

Photo_4

その後、倒馬&回復室に馬を連れて行き、スイングドアの間に馬を入れて、馬に麻酔を静脈投与します。

Photo_5

スイングドアを閉めその間に馬を入れ、麻酔薬を投与して馬を倒します。

初期の麻酔がかかったら、

吸入麻酔を行うための気管チューブを口から挿入した後、手術室に馬を運びます。

ところで、皆さんはあんなに大きい馬をどうやって運ぶと思いますかsign02

実は、下の写真のようにクレーンで吊り上げて手術台の上にのせるんですhappy02

Photo_6

一見危なそうにも見えますが、ちゃんと麻酔がかかっていれば馬も人も危険なことはありません。

手術台にのせた後は、気管チューブを吸入麻酔器につないで、

Photo_7

手術部位を消毒します。

Photo_8

手術する人と器具はこんな感じ。

Photo_9

テレビとかで見る人の手術と見比べると手術する人の格好や道具は似ているでしょ。

それもそのはず、馬の手術で使う道具は多くが人用の手術器具を利用しています。

吸入麻酔が安定してきて準備が整えば、手術開始です。

まず、手術部位以外を“オイフ(覆布)”と呼ばれる滅菌された布(紙)で覆います。

Photo_11 

手術する部分のみを露出させて、それ以外の部分をオイフで覆います。

Photo_12

完成するとこんな感じ。

手術準備ができたら、まずは触診で関節鏡と手術器具を挿入する部分を確認し、器具を入れていきます。

Photo_13

器具を挿入する部分を確認して、最初にメスで切開した部分から関節鏡を挿入し、

Photo_14

モニターで画像を見ながら摘出する骨片を確認し、手術器具を挿入します。

関節鏡と手術器具の準備ができたら、モニターで確認しながらいろいろな器具を使って遊離骨片を持ち上げた・りつまんだり・引っかいたりして取り出します。

Photo_15

時にはノミとカナヅチを使って骨を削ることもあるので、そばで見ているとまるで大工作業のようです。

遊離骨片を摘出して周りの軟骨部分を修復できたら、レントゲンで手術部位に取り残した骨片がないことを確認して、関節鏡と器具を挿入した部分を縫合して、包帯を巻いたら手術終了となります。

終了後は、手術室に運んだ時と同じように、馬をクレーンで吊って回復室に運びます。

Photo_16

馬が麻酔から醒めるまで4050分、馬を起こす時にも細心の注意が必要になるのですが、私も作業を手伝っていたので、今回は写真でご紹介することができませんでした。スミマセン。

今回の手術で切開した傷の大きさは箇所とも1~2cmで、順調ならばその傷口は1週間ほどでくっつくので、通常手術の8日後に退院となります。

腕節の剥離骨片を摘出した部分は、新しく軟骨が再生されるまでしばらく時間がかかるので、レース復帰までは数ヶ月を要します。

このように、馬が骨折した場合の手術やリハビリは結構大変なもんなんですよ。

ただ、治療に携われた馬が無事に走ってくれると嬉しい気持ちも大きいんですけどね。

  

また機会があれば、馬の治療について紹介させていただきますので、お楽しみにscissors

 

  

話は変わって、明日1年ぶりにメジロライアンの展示イベントがあり、本日函館競馬場に無事到着しましたsign03

昨年よりも少々年を取った感じもありますが、とりあえず元気な姿を見ることができて、よかったよかったhappy01

Photo_17

明日は何とか天気も味方してくれそうで、皆さんの前でライアンの雄姿をお見せできると思いますので、是非函館競馬場にいらしてください。

皆さんに、お会いできるのを楽しみにscissors

函館競馬場からHでしたpig