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2006年11月

【競馬学校】フリードニア=新品のトラック?

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  上の写真は、昨日から馬場入りを開始したフリードニア(牝4・フランス)です。「10月のアメリカ遠征時の状態に戻ってきている感触があった。」(クロード・ルノワール調教助手(写真下・左、騎乗も)談)とのこと。レースまではあまり日にちがありませんが、明日移動する東京競馬場での調整ぶりが、ジャパンカップでの走りを左右しそうです。

 さて、国際きゅう舎には、海外遠征馬の関係者と寝食を共にしてお世話をしてくださる通訳の方がついており、フリードニアは、田村純子さん(写真下・右)が担当されています。田村さんは、昭和ひとケタ生まれ(お歳を聞いてスミマセン)で通訳歴30年以上という大ベテラン。Photo_27

 しかしながら、競馬学校国際きゅう舎での仕事は初めてということで「楽しく良い経験をさせてもらっています。主役が馬ということで、競馬や馬に関する用語が難しく、辞書で調べてもなかなか言い回しがわからないことがあって、少し苦労しました。フリードニアはとっても可愛い馬で、いつの間にか馬の体調などを気遣ったりしています。何とかがんばって、ジャパンカップでは3着ぐらいにはなってほしいですね。ルノワールさん(調教助手)は、冗談がうまくいつも笑わせてもらいました。すっかりきゅう舎の一員になったような気分です。」と感想を語っておられました。

 エミリー・マシューズきゅう務員(写真中)も「田村さんは元気で好奇心が強く、フリードニアの性格に似ているかな。私たちは一日中ずっと親切にしてもらっています。」と感謝の言葉。

ちなみに、田村さんの話では、きゅう舎スタッフは、普段はフリードニアのことを「ベルカミオン(Bel Camion)」という愛称で呼んでいるとのことです。「新品のトラック=無垢な娘さん」という意味だそうで、調教場のあるシャンティー地区独特の言い回しなのだそうです。

 

【競馬学校】教官のひとりごと~騎手課程23期生 第2回模擬レース

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騎手課程23期生が第2回模擬レースを行いました。左の写真は、生徒が自分たちでお互いの騎乗馬を評価し合って作った自家製の「競馬専門紙」。 結果はその通りになったかというと…丸田恭介騎乗の『人気薄』(5)オーセシボンが、早め先頭から押し切り、いったん先頭に立った藤岡康太騎乗『人気』の(4)メイショウタカナミを差し返し、クビ差退けて1着となりました。

今回のレースについて、元騎手の蓑田早人教官(写真中・中央)の講評は、

【全体的には 】それぞれがよく考えてレースをしており、個々にどう走らせればよいか組み立てができていたようだ。直線もしっかり追えていた。課題がないわけではないが、日々成長している姿がうかがえるので、今回は全体で合格点(80点ぐらい)をあげたいねPhoto_37

【1着・丸田恭介生徒(写真下)について】スタートでふらついて外にふくれ、 少し迷惑をかけた場面もあったが、全体的によく考えて乗れていた。バテそうだった馬を最後までしっかり追って、いったん抜かれた馬を差し返し、よく凌ぎ切った。

【2着・藤岡康太生徒について】2コーナーで内に詰まる場面があったが、何とか立て直して「それがなければ勝っていただろう」という競馬にしたことが評価できる。不利を受けない進路のとり方を勉強してもらいたい。Photo_38

騎手課程23期の模擬レースは、あと2回中山競馬場で行います。12月16日は競馬開催の昼休みに行いますので、ぜひお越しいただき、声援をよろしくお願いします。

11/16  14:30発走 距離1,700m  晴・ダート良
着順 馬番     馬  名 タイム・着差 重量 騎乗者
1着 5 オーセシボン 1分57秒4 49 丸田 恭介
2着 4 メイショウタカナミ クビ 52 藤岡 康太
3着 2 ダイワレイピア 49 草野 太郎
4着 7 タマモシャイン 4 50 荻野 琢真
5着 6 メイショウモリゾー 1 50 大下 智
6着 1 ヒシダブリン 2 50 田中 健
7着 3 ヒーローキング 1 50 宮崎 北斗
8着 8 マーズエクスプレス 49 池崎 祐介
9着 9 モールドエクセレー 3 52 濱中 俊

本日、ジャパンカップに出走予定のフランス馬、フリードニア(牝4)が来日し、輸入検疫のため、競馬学校の国際きゅう舎に入きゅうしました。写真(11/16JRA診療所撮影)をアップします。「とても繊細。特に耳が非常に敏感な馬。」(エミリー・マシューズ調教助手談)だそうです。果たしてその実力のほどは?なお、馬場入りは明後日(18日)からの予定だそうです。

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【競馬学校】猛女?賢女?ウィジャボード強さの秘密を探る??

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 ユニオンジャックがたなびく中、競馬学校ではジャパンカップに出走予定のウィジャボード(牝5・イギリス)が調教を開始しました。今日のうごきは、馬場の感触を楽しむように1400mのダートコースをダクでゆっくりとひとまわり。安全に調教が行われるかを監視している競馬学校のスタッフたちも、その体のしなやかさに思わずうっとりする場面も。

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 一般に、筋肉の柔らかい馬は、輸送にも強いといわれていますが、そのあたりも含め、欧米、そして日本を転戦して活躍している彼女のタフさの秘訣をロビン・トレヴァージョーンズ調教助手にうかがったところ、「体の柔らかさについては他の馬と比べて特別優れているとは思わないですが、この馬のセールスポイントは大変クレバーな点で、競走馬としてプロフェッショナルなところです。競馬以外のところではリラックスに徹しており、普段は無駄な労力を使わずレースに集中することを知っているようです。」

 前走勝ったBCフィリー&メアターフのときにも、「レースが始まるまでは他の馬がテンションを上げているのを尻目にのんびり歩いていたのですが、ゲートが開いた途端にエネルギーをぶつけて走っていました。」とその模様を話してくれました。

 競走馬も立派な「アスリート」。「心技体」が伴わないと良い結果を残せないのは、ヒトと同じですね。2度目となるジャパンカップでは、ウィジャボードの賢い走りっぷりに期待してみましょうか?

【競馬学校】快挙に拍手!

7日に行われたオーストラリア最大の競走、メルボルンカップで日本馬ワンツーフィニッシュを成し遂げた、デルタブルース(牡5)とポップロック(牡5)の角居勝彦きゅう舎(栗東)2頭が本日成田に凱旋帰国。そのまま輸入検疫のため、競馬学校の国際きゅう舎に入りました。

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デルタブルース(上の写真2枚・JRA診療所撮影)は長旅の疲れも全く見せず「出せば出すだけカイバを食べられる状態。遠征帰りの馬とは思えない。」(前川調教助手談)とのこと。お話のとおり、馬運車を軽やかに降りていきました。

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 また、ポップロック(上の写真・同診療所撮影)も、デルタブルースの元気さに唖然としたのか、大人しくきゅう舎に向かいましたが、「これが普通の馬の姿。デルタが元気過ぎる。」(同助手)と苦笑い。我々競馬学校スタッフも、横断幕などは準備できませんでしたが、この快挙に心から拍手を送りたいと思います。

さて、本来はジャパンカップウィークを控え、外国馬関係者で賑わうはずの国際きゅう舎なのですが、現在競馬学校にいる外国馬は、ジャパンカップ(国際GⅠ11/26東京)に出走予定のウイジャボード(牝5・イギリス E.ダンロップきゅう舎)ただ1頭。しかしながら同馬は、昨年のジャパンカップ5着馬、今年の「ブリーダーズカップ フィリー&メアターフ」の覇者で、昨年以上の期待が高まります。

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写真右のジェイソン・テートきゅう務員は「明日から開始する調教には私がまたがります。バッチリ調整しますよ!」と、写真左のロビン・トレヴァージョーンズ調教助手も、「輸送慣れしている馬なので、普段と変わりないよ。」と順調ぶりをアピールしていました。

 

【競馬学校】帯同馬とは?

  

帯同馬(たいどうば)Court_masterpiece_2_2日本の競馬でも東西間の出張などで、同じきゅう務員の担当する馬が同時に出張することがしばしばありますが、海外遠征の際も調教パートナーとして、また、本来さびしがりやの馬の友だちとして同行することがあります。これを一般に「帯同馬」といいます。

最近ではフランスに遠征したディープインパクトに、ピカレスクコートという馬が帯同しました。また、海外では、馬をリラックスさせるために、羊やうさぎを同じ馬房に飼っているケースもしばしばあるそうです。

今回のイギリスからの遠征馬コートマスターピースには、調教パートナーとしてペーパートーク(牡4・写真)という馬が同行しています。スタッフの話では、「この馬は、今年も平地で7月・8月に2勝をあげており、通算4勝をあげているれっきとした競走馬です。コートマスターピースが遠征する際には必ず一緒に遠征し、調教をこなしており、追い切りの時には、コートの前を走って先導する役目を果たします。」とのことでした。(ダンロップきゅう舎のホームページに、ペーパートークのプロフィールが掲載されています。)

おまけで、トリビア的に、これまで来日したり、日本馬が海外遠征した際に同行した主な帯同馬の記録をまとめてみました。

【①日本から遠征し同行した帯同馬】
帯同馬 主力馬(きゅう舎) 備考(出走した記録など)
レッドアリダー タイキブリザード(藤澤和) 96年BCクラシック他出走時1戦
ケネディロードS (G1)9着
ハッピーウッドマン エルコンドルパサー(二ノ宮) 99年フランス長期遠征時2戦
スィション賞(OP) 3着
ドラール賞(G2) 9着
ピカレスクコート ディープインパクト(池江泰郎) 06年フランス凱旋門賞出走時1戦
(池江泰寿) ダニエルウィルデンシュタイン賞(G2)2着

【②海外から遠征し来日した帯同馬】
帯同馬 主力馬(国名) 備考(主力馬の出走レース)
メラビー ロックホッパー(米国) 91年ジャパンC(7着)
ハイリリー サイレントウイットネス(香港) 05年スプリンターズS(1着)
シャンハイキング サイレントウイットネス(香港) 06年スプリンターズS(4着)
ペーパートーク コートマスターピース(英国) 06年マイルCS出走時(?着)

【競馬学校】コートマスターピース始動

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コートマスターピース(牡6イギリス・写真右・緑地に黄文字ゼッケン2)が馬場入りを開始しました。今日は速歩(はやあし)のみで、陣営によると「輸送による体重減も戻りつつある。追い切りは京都競馬場へ移ってからになるが、競馬学校でもキャンター調教ぐらいまではやれそうだ。」とのことでした。徐々にピッチを上げて、19日のマイルチャンピオンシップに臨むこととなります。

*写真左(ゼッケン21番)は調教パートナーのペーパートーク(牡4・日本では出走しません)

Dscf17192 朝食後のひととき、本国のEd.ダンロップきゅう舎サイトを見て情報収集するお二人は、いずれも初来日というスティーヴン・ニコルソンきゅう務員(左)とグレーム・ホールグリーンパウリ調教助手(右)。「日本はレベルが高そう。テレビの競馬中継を見て勉強します。」とのことでした。

 

【競馬学校】明日までおあずけ!?(コートマスターピース)

昨日来日したコートマスターピース(牡6 イギリス マイルチャンピオンシップ(GⅠ・11/19京都)出走予定)は、本日馬場入りせず、国際きゅう舎周りでの曳き運動で旅の疲れを癒しました。

明日は軽めの調教を行い、疲労回復にあてるとのことです。馬体重は500キロ(本日測定)。馬場に姿を現すのが楽しみです。

20061107gakkou さて、この写真は同馬のグレーム・ホールグリーンパウリ調教助手からいただいた、管理するE.ダンロップ調教師のミニパンフレット(名刺がわり?)です。

20061107gakkou2 裏面にはコートマスターピースが[G12勝馬]として写真入りで紹介されており、きゅう舎の看板馬として、ジャパンカップ(GⅠ・11/26東京)に参戦が予定されている、先日のBCフィリ-&メアターフの優勝馬ウィジャボード(Ouija Board・牝5)らも名を連ねています。

なお、同助手への聞き取りでは、コートマスターピース(Court Masterpiece)とは「宮廷にある名画の中でも特に傑作にあたる一品」という意味だそうです。

【競馬学校】お知らせ2題

本日、来年4月に入学予定の、騎手課程(26期生)合格内定者を発表しました。8月末から選考を行い、10月に競馬学校で実施した2次試験をクリアした9名です。合格者の氏名はJRAホ-ムページ内の「JRAニュース」に掲載してあります。こちらからどうぞ。

また、マイルチャンピオンシップ(GⅠ・19日京都競馬場)に出走予定のコートマスターピース(Court Masterpiece・牡6歳・イギリス E.ダンロップきゅう舎 2006年サセックスS(英G1)1着、2005年フォレ賞(仏G1)1着 )が本日来日し、輸入検疫のため競馬学校の国際きゅう舎に入りました。詳しくは明日以降のブログでお伝えしていく予定です(明日7日は馬場入りしません)。

【競馬学校】これも授業。

今日は地元の小学生(親子)を招待しての「競馬学校半日入学」。生徒の訓練の模様や学校施設の見学や、体験乗馬などを行いました。

Dscf1675 体験乗馬では、10月に入学したばかりのきゅう務員課程生徒がお手伝いをして、子供たちを教育用馬に乗せたり、曳いてあげたりしました。

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生徒たちにとっては授業の一環でもありますが、「馬を身近に感じてもらえる手助け ができてよかった。」「いつも緊張感いっぱいの訓練をうけているので、こういった機会に子供たちと交流できてよかった。」と感想を話してくれました。

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