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2007年5月

【競馬学校】教官のひとりごと~騎手課程26期生 はじめての参観日

戦後初、64年ぶりに牝馬としてダービーに優勝したウオッカの快挙の余韻が残る競馬界ですが、今週は「東京競馬場5週連続GⅠ」の最後を飾る安田記念。

競馬学校で入国検疫を受けていた香港勢4頭は、今朝10時35分に東京競馬場へ向けて出発しました。競馬学校では国際交流競走に出走するため来日した外国馬の調教の模様と、広報発表用の関係者の方の談話をプレスリリースしていますが、談話での彼らの自身に満ちた言葉どおりに、それぞれの持ち味を生かしたレースぶりで日本のファンを沸かせてほしいものです。今日のスポーツ各紙では、香港馬の話題を大きく取り上げているものがあったようですね。

さて、今日の話題は「授業参観」。騎手課程26期生(1年生)の保護者の皆さんにとっては、4月の入学式以来の競馬学校訪問ですので、この間、生徒とは電話で話すことはあっても、直接顔を合わすことはなかったわけです。それだけに、どれだけ上手く馬に乗れるようになったかと期待しておいでになったことと思います。Dscf4895

まず、覆馬場(屋内)で基本馬術の実技訓練の模様をご覧いただきました。保護者の方は、教官の「基本馬術は今後走路に出るための基礎として非常に重要ですが、この時期我々が一番大事だと思っているのは、現時点での騎乗技術の巧拙ではなく、教官の指示・注意に対する反応です。教官は、きちんと大きな声で「はい」と返事をすることで、生徒が指導を理解しているかどうかを判断し、次の指示へとつながるわけです。それが上達には欠かさないのです。」といった説明に真剣に耳を傾けておられましたが、さすがに約2ヶ月ぶりの対面。我が子の訓練の番になると、その姿をカメラにおさめられる様子が見られました。

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続いては、教官と保護者との面談です。競馬学校に入学して間もないこの時期、我々が一番心配するのが「お菓子」をはじめとする食べ物のこと。自分できちんと栄養・体重管理ができるかが、卒業まで強い意志を持って臨んでいけるかどうかの分岐点になります。

例外なく毎年1年生の春には、休日の外出時にお菓子などを食べ過ぎたことにより体重超過でペナルティを受ける生徒が出ていますので、保護者の方もこのことを十分理解していただき、親元を離れて心配する余り、過度に愛情を注がないということも、親のサポートのひとつであるということを中心に説明させていただきました。

世間の常識に照らせば厳しすぎるのでは?と思われるでしょうが、これができないことには、3年後に中央競馬の騎手としてデビューするのが難しいというのが現実なのです。

【競馬学校】安田記念~香港馬始動

 巷はダービーウイークですが、競馬学校からは時代を少し先取りして国際GⅠの安田記念(6月3日・東京)の話題から。

 現在、競馬学校では23日に来日した香港馬4頭が輸入検疫中で、毎早朝、生徒が実技を行う前に馬場入りし、調整が行われています。香港勢は昨年ブリッシュラックが優勝、ジョイフルウィナーが3着となっており、無視できない存在ですね。それでは、25日の調教の模様と一緒に、簡単にご紹介します。

エイブルワン(ABLE ONE(NZ) せん5歳 父ケープクロス J.ムーアきゅう舎 国際レーティング116)主な成績:07年 Champions Mile (香G1) 1着〔通算成績:11戦5勝〕

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 従来は後方に控え、最後に差し切るレースがこの馬の勝ちパターンでしたが、前走のチャンピオンズマイルでは、キネーン騎手の好騎乗もあり、先行策からそのまま押し切りました。今回はどんな戦法をとるのでしょうか。

グッドババ(GOOD BA BA(USA) せん5歳 父リアファン A.シュルツきゅう舎 国際レーティング115)主な成績:07 Chairman's Trophy(香G2)1着〔通算成績:19戦8勝〕

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エイブルワンが勝ったチャンピオンズマイルでは1番人気に推されたものの5着。香港の仇を府中でと目論む。強烈な末脚が武器で、長い直線の東京コースで能力全開か?

ジョイフルウィナー(JOYFUL WINNER(AUS) せん7歳 父エルモキシー J.ムーアきゅう舎 国際レーティング115)06安田記念 (G1)3着 06,07 Queen's Silver Jubilee Cup (香G1) 1着 06Champions Mile (香G1) 3着〔通算成績:28戦10勝〕

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前走チャンピオンズマイルは、スローペースで後方から追走し、最後にいい足を見せて2着となった。昨年の安田記念でも大外を鋭く伸びているレース振りからも、「今回は昨年以上の結果を」と陣営の期待も大きい。

ザデューク(THE DUKE(AUS) せん8歳 父デインヒル C.ファウンスきゅう舎 国際レーティング117)06 香港マイル (香G1)1着 05 香港マイル(香G1) 2着〔通算成績:57戦10勝

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昨年も参戦したが15着。しかし秋シーズンに復調、暮れの香港マイルでビッグタイトルを獲得したのは記憶に新しい。「前走(チャンピオンズマイル・3着)はエイブルワンにペースを握られたので、最後までつかまえられなかったのが残念。安田記念では昨年の雪辱を果たしたい。」と意気込んでの来日。

 おまけは、シンガポール帰国組、本日馬場入りしたコスモバルクの模様です。(シャドウゲイトは本日馬場入りしませんでした。)

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【競馬学校】シャドウゲイト・コスモバルク シンガポールから帰国

 5月20日(日)にシンガポールのクランジ競馬場で行われたシンガポール・エアラインズ・インターナショナル・カップ(国際G1)で優勝したシャドウゲイト(牡5・美浦 加藤征弘きゅう舎)と、2着となり惜しくも連覇を逃したコスモバルク(牡6・道営 田部和則きゅう舎)の2頭が24日帰国。同日夜10時に帰国(輸入)検疫のため競馬学校国際きゅう舎に到着しました。

 

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(写真:国際きゅう舎のシャドウゲイト〔24日競馬学校診療所撮影〕)

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(写真:国際きゅう舎のコスモバルクと榎並健史調教きゅう務員〔24日競馬学校診療所撮影〕)

 両馬は隣同士の馬房に入りましたが、「美浦~シンガポール~白井とずうっと『呉越同舟』。今回の日本馬ワン・ツーもいつも隣に馬がいたことが大きかったでしょうね。お互いにとって良かったです。ひとつ誤算なのは、本当はウチの馬が先着するはずだったこと(笑)」とコスモバルクの榎並健史調教きゅう務員。激戦の疲れもそれほどなく元気とのことで、2頭の『弥次喜多道中(?)』は6月24日の宝塚記念(GⅠ・阪神)まで続くことになります。馬も人もしっかり英気を養ってください。

【競馬学校】騎手課程募集要項 間もなく発表/安田記念香港馬4頭到着

 お待たせしました。来年4月入学の競馬学校騎手課程(27期生)生徒の募集要項を6月1日(金)に発表いたします。

 本日は少し早目に、このブログをご覧の皆さんだけに、今年の募集ポスター(昨年のマイナーチェンジしたもの)を披露 させていただきます。イラスト・コピーは、懐かしいスポ根マンガ調です。

 志のある皆さんは6月1日までお待ちいただき、競馬学校ウェブサイトをご覧いただいたうえで、ぜひご応募いただきたいと存じます(願書受付期間は7月1日(日)~8月8日(水))。

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 また、6月3日の安田記念(東京競馬場)に出走予定の香港馬4頭が、本日(23日)19時前に輸入(入国)検疫のため、競馬学校入りしました。

 明日(24日)夜凱旋帰国するシンガポール・エアラインズ・インターナショナル・カップ出走馬(優勝:シャドウゲイト・2着:コスモバルク)の話題と併せて、リポートする予定ですのでお楽しみに!

【競馬学校】育成馬日誌 番外編~千葉サラブレッドセールに向けて~ 

 こんにちは(美浦トレセン風に…関東馬Vおめでとうございました。)

 今日まで、競馬学校には6頭の育成馬が滞在していました。5月14日(月)に船橋競馬場で開催される「千葉サラブレッドセール2007(2歳トレーニングセール)上場するためで、調教が進められてきました。これらの馬は、4月23日の「2007ブリーズアップセール」の主取馬(落札されなかった馬)・欠場した馬たちです。

これまでの育成馬の競馬学校での様子は、「本家」の育成馬日誌を、千葉サラブレッドセールの概要につきましてはこちらのサイトをご参考にしていただきたいと思います。

 今日11日は、船橋競馬場への移動を前に、最後の仕上げとして速い調教を行いました。本番を意識して、最後の1ハロンは12秒を切るようなタイムで走るように指示されましたが、その走りっぷりは、ブリーズアップセールよりも身が入っており、なかなか逞しいうごきになってきたようです。

 約20日間、競馬学校に泊り込んで調教にあたったJRA宮崎育成牧場のスタッフも「できるだけのことはやれたので、今回のセールで購買いただき、無事に競走馬としてデビューできることを祈っています。」と心境を語ってくれました。

Photo_41 (写真:血統名「ハローヘレンの05」(牡2歳 父:ヘクタープロテクター、今年の3歳重賞戦線を賑わしたハロースピード号〔JRA育成馬〕の半弟)

 

【競馬学校】ドバイで戴冠!アドマイヤムーン帰国

1 アドマイヤムーン(牡4/栗東・松田博資きゅう舎)が、6日成田に帰国。そのまま輸入検疫のため、競馬学校国際きゅう舎に到着しました。

 アドマイヤムーンの遠征成績は、「ドバイ・デューティ・フリー」(G1)(3月31日/ドバイ・ナドアルシバ競馬場/芝1777m)で見事優勝。そのまま香港に転戦して臨んだ「オーデマ・ピゲ・クイーンエリザベスII世カップ」(G1)(4月29日/香港・シャティン競馬場/芝2000m)では惜しくも3着となりましたが、日本馬の実力を示し、このパフォーマンスでレーティングは125ポンドと、非常に高い評価を得ました。

Photo_13    一緒に帰国された松田博資きゅう舎の馬場政信きゅう務員(写真右)の話によると、「長期間の遠征でしたが、疲れやストレスも見られず、元気に帰ってくることができて良かったです。私も元気いっぱいです。今後は宝塚記念(GⅠ)(6月24日/阪神競馬場)を目指して調整していくと聞いています。」とのこと。

 秋の天皇賞も当然視野に入っていることでしょう。今年の中距離界は、同馬の動向から目が離せなくなりそうですね。

★写真はいずれもJRA競馬学校診療所撮影

【競馬学校】ホースショー特設ブース

200705gakkou  3日から5日の馬事公苑「ホースショー」に「競馬学校ブース」を出展しましたところ、好天も手伝ってか、多数の皆さんにお立ち寄りいただきました。スタッフ一同、心より御礼申し上げます。

 

 

 

 

 

  

 

 生徒が訓練用に使う「木馬」の試乗体験には絶え間ない行列ができました。今回はお子さまを対象に実施しましたが、川崎競馬所属の現役騎手の方が飛び入りで跨ってくださり、華麗なフォームを披露していただくなど賑わいました。

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 今後とも校外に飛び出し、皆さんに競馬学校(特に騎手課程の受験)へ興味を持っていただけるような機会をご提供できればと考えています。

【競馬学校】来たれ馬事公苑『ホースショー』!競馬学校特設ブースもあるでよ!!

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 競馬学校には、盆も正月もないことは、折をみてお伝えしていますが、5月のこの時期は、3日から6日までの間、全休日と半休日とを繰り返します。騎手課程生徒は毎日検量を行い、規定内の体重を維持していくため、なかなかのんびりというわけではいきませんが…。そんな中今日は、厳しい訓練の合間を縫って、全校生徒が参加したソフトボール大会の熱戦が続く馬場内グラウンドからお知らせをひとつ。

 5月3日から5日まで、馬事公苑(東京・世田谷区)のホースショーに、競馬学校が紹介ブースをオープンします。将来騎手を目指す方を対象に、最前線の実技教官が競馬学校のしくみについて丁寧に説明をいたします。騎手課程の受験に関心のある方、このブログを見てちょっとのぞいてやろうかという方、皆さんウェルカムです!連休後半はぜひご家族、カップルで(ひとりでも!)馬事公苑までお越しください。(競馬学校ブースは、ちょうどメインアリーナと売店・休憩所の間に設置します。)