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育成馬ブログ 生産編⑨ 「その2」

本年のJRAホームブレッド第一子が誕生!!

~出産直後における移行免疫不全症の検査 その2~

 

本年初のJRAホームブレッド、クリスコンフリクトの14(父バゴ)の血中IgG濃度を測定したところ、

出産8時間後のグルタルアルデヒド凝固試験では、1時間以上の時間を要したためFPT(移行免疫不全症)と診断、

一方、IgG濃度の測定可能な米国製の機器「DVMstat」で測定した場合、血清中のIgG濃度は約1,000mg/dlであり、正常値を示していました。

 

両者で異なる診断結果が示されたため、安全策として保存初乳の投与も検討しましたが、当場もそれほど多くの保存初乳があるわけではなく、

また、子馬も徐々に積極的に哺乳するようになってきたため、翌日まで様子を見ることにしました。

 

翌日、出産32時間後の血液を用いて両方の検査を実施したところ、

グルタルアルデヒド凝固試験では、2分程度で凝固を認めたことから正常と診断、

DVMstatでのIgG濃度も約2,000mg/dlまで上昇していました。

2日目以降は、子馬も元気になり、まずは一安心といったところです。

 

生後間もない子馬の移行免疫不全症、そして感染症の予防策として、

初乳Brix値の測定と子馬の哺乳確認に加え、血中IgG濃度の測定は極めて重要です。

獣医師によるフォールチェックに併せて、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか?

 

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生後2週間のクリスコンフリクトの14(父バゴ) 健康にすくすくと成長しています。

 

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