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育成馬ブログ(日高②)

○馬の横見写真撮影のポイント

 日高育成牧場では、ブリーズアップセールの前に上場馬の写真撮影を実施しています(図1)。今回は、その際に気をつけている撮影の条件やポイントをいくつかご紹介します。

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図1:2019年コスモス賞優勝馬ルーチェデラヴィタ号
【父:キズナ、母:トウカイライフ】撮影は1歳7ヶ月時

 まず、撮影場所には、①整然としている(背景が雑然としていると印象が悪くなる)、②平坦で(まっすぐに駐立させるため)、③雑草や芝の丈が低い(伸びていると繋や蹄が隠れてしまう)場所を選びます。

 次に、屋外での撮影では、天候に配慮する必要があります。中でも最も重要かつ自在にコントロールできないのが光線です。馬の体型が正確に伝わるよう、明るさが十分に確保できる「晴れ」の日に撮影します。

 そして、馬体の左側面に光線が当たるよう駐立させます。「雨」や「雪」の日は論外として、「くもり」の日(特に背景が白くなる冬)や逆光の場合、馬体が暗く写ってしまいます(図2)。また、光が馬の前方や後方から当たっていると影が強く出てしまいます。

 なお、季節にもよりますが、光線の角度が低くなると馬が眩しがり、眠そうな目つきになるので、早朝や夕刻を避けるなど撮影時間にも配慮する必要があります(図3)。

 他の天候条件としては、が挙げられます。タテガミや尻尾が風に舞ってしまうことに加え、強風時には馬の落ち着きが無くなってしまうため、無風状態が理想的です。

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図2:暗い天気(背景が雪)や強風時(タテガミが乱れる)は撮影に不向き

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図3:眩しいと「眠たい」表情になる

 では、具体的な撮影方法を説明します。

①原則として、タテガミの垂れていない馬体左側を「表(おもて)」として立たせます。
②撮影者から見て四肢が重ならないように、蹄の位置を決めます。左右の蹄の間隔は、前肢が蹄0.5~1個分、後肢が蹄1~2個分が目安です(図4)。
③左前肢および右後肢の管部(第3中手ならびに中足骨)が地面に対し垂直になるように馬の重心を調整します(前方や後方に傾斜させない、図5)。
④保持者と助手が協調し、馬の頭部を適度な高さに保ち、顔を若干撮影者側に向けて額が見えるように、さらに耳が顔の正面に揃って向くように馬を動かします(図6)。
⑤保持者は、手が写りこまないように馬から距離をあけ、引き綱に余裕を持たせ少し垂らすように保持しつつ馬を御します(図6)。

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図4:横から見たときの左右の蹄の間隔

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図5:前方または後方に傾斜している駐立姿勢

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図6:頭部を上げ、頭と耳の向きを調整する方法

 

 最後にカメラの設定や撮影テクニックをご紹介します。レンズは、画像の隅の歪みが強く出てしまう広角タイプのものは不向きです。撮影者の立ち位置は、馬体の正中線に対し真横、心臓の位置を通る垂線上となるよう決定します(図7)。従って馬の位置や向きが変われば、それに合わせて撮影者も動く必要があります。また、カメラを構える高さは、心臓の高さが望ましいとされています。なお、正しく駐立できているか判別できるのは撮影者のみですので、保持者に的確な指示を出すことも良い写真を撮るコツです。

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図7:撮影者の立ち位置とカメラの焦点

 

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