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開設50周年

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競走馬総合研究所の前身である

競走馬保健研究所が設立されたのが昭和34年です

 

競走資源が充分でなかった時代であり

競走馬の健康維持、馬資源の増大を図ることが目的でした

 

その運営方針の中で、温泉療養に関することが注目され

その研究と成果を実際に応用する機関を

本所に付属させることが指示されたのでした

 

「中央競馬の競走馬の中で

長期療養を必要とする故障馬を

温泉療法と環境改善により回復させ競走復帰させるとともに

温泉療法の治療効果を研究する」

ことを目的に、常磐支所を発足することとなったのです

 

そして、温泉療養がスタートしたのが昭和38年5月29日

そう、今年で常磐支所開設50周年を迎えるのです

 

冒頭の写真は開設当時の支所全景ですが

いたるところに木が生い茂り

現在のように、調教設備が整っていたわけではなく

温浴場と放牧場のみの、まさに馬の湯治場と言ったものでした

 

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事務所の周りも木が生い茂っており

今とはまったく様相が違います

 

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温浴風景も、とても古めかしいんですが

よくみると、浴槽の形態だけはほとんど変わってないようです

 

ところで馬の温泉として、なぜいわき市が選ばれたのでしょうか

 

当時の選定基準を見ると

1.関東から1日で移動できる場所であること

2.伝染病などの環境衛生が清浄であること

3.気候が温暖であること

4.泉量が豊富であること

5.温泉は運動器疾患に効果があること

が挙げられており

いわき市がすべての条件をクリアしていたわけです

 

湯治場からのスタートでしたが

様々な調教施設を充実させることで、競走馬のリハビリセンターとして発展し

50年と言う長い歴史をいわき市に刻むことができました

2回福島競馬7日目には

非常に長いレース名となってしまいましたが

競走馬総合研究所常磐支所開設50周年記念いわき特別

が施行されます

皆様の福島競馬場へのお越しをお待ちしております

 

☆常磐支所からのお知らせ☆

常磐支所では現役競走馬を世話しながら、JRA厩務員を目指す研修生を随時募集しています。

詳しくはこちらのリンクをご覧ください

http://www.equinst.go.jp/JP/onsen/onsendayori.html

いよいよ

 

      5月2日と             5 月23日の風景。
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約20日で場内が春めいて来たことが分かります。
 
見慣れない車両は、 馬運車です。
 
 
 
そうです。
 
いよいよ、夏競馬に向けた函館競馬場への競走馬の入厩が始まりました。
昨日は、調教も開始されました。
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よく見てください。
 
ジャンパーなんです。
 
気温9℃、風が強くて強くて、 
見ているだけの私たちでも凍えるぐらいです。
 
 
これからほぼ毎日、函館競馬に向けてこの調教風景が繰り返されます。
 
 
ジャンパーの素材が薄くなり始める6月中旬、函館開催が始まり、 
   ジャンパーが無くなる7月中頃には、函館記念が行なわれ、
    もしかしたら寝苦しくなるお盆過ぎには、札幌記念が行なわれます。
 
 
函館で札幌記念。次にいつ見られるのか分かりません。
函館での札幌記念の記念に、避暑に、観光のついでに、
ぜひ函館競馬場にいらしてください。
 
 
 
 
タニノマティーニさん(場馬)に腰にいいと聞いて?、
温泉通いを始めたニホンピロファイブさん(同)。
本日で5回目ですが、
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温泉を飲んでみたり、
 
ぶくぶくしたり・・・。
 
背や腰のハリは随分解消されました。
 
 
 
 
 
 
心身ともにリフレッシュ?
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ダービー優勝馬が・・・

 

5月26日(日)に行われる日本ダービーは、今年で80回を迎えます。

 

 

東京競馬場ではさまざまなイベントが行われますが、

ダービー優勝馬の展示も行われます。

http://www.jra.go.jp/news/201305/051101.html#1_6

 

 

このイベントに

  第60回優勝馬 ウイニングチケット号(23歳) 

  第67回優勝馬 アグネスフライト号(16歳)

が招待されました。

 

 

両馬は、イベントに合わせて北海道から東京競馬場に移動するのですが、

函館競馬場に一泊することになりました。

2頭とも引退から10年も経過しているのですが、

  

 

若い。

 

 

私は、23歳の元競走馬も16歳の元競走馬も見たことがありますが、

とても同じ年齢とは思えません。

 

息抜きに・・・と運動をし始めると、ぐいぐいグイグイ前へ前へ。

走りたい気持ちがまだ燃えている・・・そんなオーラを感じます。

 

老いて尚若し。

 

 

あるいは老いてもなし。

 

 

 

GⅠ優勝馬の格ですね。

 

 

 

 

 

 

 

2000mのスタート地点から函館競馬場の馬場を眺めながら、

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ウイニングチケットさん(右)に、

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

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あれ、そういえば函館デビューじゃありませんでしたっけ?。

 

 

2頭とも昨日函館を出発し、無事に東京競馬場に到着したみたいです。

ファンの皆さんは、若いフライトさんとチケットさんに会うために、

ぜひ東京競馬場に足を運んでください。

プール開き

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本日快晴の下、先月から準備を進めていたプール開きを行いました

 

傷んだ壁面を塗りなおし

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3日間かけて水を溜め

(その量何と530トン!一気に溜めると他の場所で水が出なくなってしまうんです)

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(これは二日目の途中経過です)

 

好天が続きましたので

水温も上昇したところで本日を迎えることができました

 

多数のマスコミも訪れ、にぎやかにプール開きを行いました

 

が、

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今日は初日でもあり、気難しい馬も多数いましたので馬にばかり気をとられていたら

写真を撮るのを忘れてしまいました

 

ということで、今日は常磐支所のプールの歴史を少し

 

スイミングトレーニングは

現在でこそ、競走馬にとって当たり前のトレーニング方法となっていますが

日本で初めて導入されたのがここ常磐支所なんです

  

開設当時から、温泉療養と軽調教ができる施設ではありましたが

リハビリと言うには、施設が不十分であることも否めませんでした

 

そこで、海外では既に行われていたスイミングトレーニングに注目し

フランス、アメリカのスイミングトレーニング事情を視察し

その中の、アメリカのハリウッドパーク競馬場のスイミングプールを参考にして

導入されたのが昭和50年のことです

 

当然、スイミングトレーニングのノウハウは十分ではありませんでしたので

様々な実験を行い、そのノウハウを蓄積することとなります

昭和62年に皐月賞を勝ったサクラスターオーは

常磐支所でスイミングトレーニングを活用したリハビリを行い

菊花賞を制しました

その後は残念な結果ではありましたが

スイミングトレーニングの効果を証明した1頭であったのは間違いありません

 

常磐支所で得られたそれらのノウハウを生かして

昭和63年に栗東トレセンに、平成3年に美浦トレセンにスイミングプールが導入されることとなったのです

 

今週行われる日本ダービーですが

過去には、その勝ち馬も多く常磐支所で療養を行ってきました

トウカイテイオーも常磐支所でプール調教を行った1頭なんです

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日本ダービーは今年で80回を迎えるわけですが

実は常磐支所も・・・

それはまた来週

 

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詳しくはこちらのリンクをご覧ください

http://www.equinst.go.jp/JP/onsen/onsendayori.html

残雪と桜とタニノマティーニさん

まだ、スタンドの向こうの山々には残雪が、

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もちろん本日も[暖房]です。

函館より久しぶりの便りです。

まだ冬なのかと思われそうですが、

場内も、

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五稜郭公園でも、

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木々は春を感じさせ、夏に向けて気分を上げて行こう!と言っている様です。

 

 

 

 

 

そうだ夏に向けて・・・温泉をリニューアルしよう!。

 

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ということで、 していただきました。

ジャグジーの泡の噴出孔の修理です。

 

 

リニューアルオープン後の入浴第一号は、

肢の痛みを抱えた場馬のタニノマティーニさん。

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昨日までに4回目入浴されましたが痛みは消失したようです。

マティーニさんから温泉がいいという噂を聞いて

 

腰の張りが気になる場馬ニホンピロファイブさん(左)も初挑戦。

マティーニさん(右)から何と言われているのかは?。

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生まれて初めての入浴ですから、普通緊張します。

  

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よね。普通。なのに、このくつろぎよう。

 

 

 

函館競馬場は夏競馬の期間に競走馬が滞在し、

レースに向け調教を続ける馬達が、温泉を利用します。

そんな馬達の中にも、こんな仕草をする馬がいます。

トップアスリートにもONOFFが必要なのであれば、

競走馬のOFFに温泉は役立ちますね。

 

 

 

 

来週からいよいよ競走馬の入厩が始まります。

 

馬温泉所が多くの競走馬の心と体のOFFの場になり、

リフレッシュした馬達が活躍してくれればいいなぁと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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夏の青空みたいですけど、繰り返しですけど、[暖房]・・・いれてるんですよ。

この芝の緑は、馬場を管理する方達の努力の賜物です。

速歩

最近は桜のことなど書いていましたので

 

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すっかりウォータートレッドミルのスピードを上げるのを忘れていました

(2月6日の記事を見てください)

 

ということで、遅ればせながらさらにスピードを上げてみましょう

 

これまでがんばって頭を上下(前後)に動かしていたのが

頭は固定されて動かなくなります

(実際のところは、体が上下に跳ねますので、

その分頭も上下に動くのですが、体と頭の関係は固定されます)

これは、常歩から速歩へと歩法が変わったためです

 

それでは速歩とはどんな動きをするのでしょうか?

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このように対角線上に位置する2本の肢を同時に動かします

 

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それを繰り返し動かしているのですが

対角線上の動きであるため、前後左右の重心の変化がありません

つまり、頭を動かして重心の位置を変える必要がないのです

というわけで、頭は固定されるというわけです

詳しくはこちらを → http://www.equinst.go.jp/JP/arakaruto/keibabook/old/080720gi10.html

 

ところで、なぜ馬は常歩から速歩に歩法を変化させるのでしょうか?

 

人でも、競歩の選手はすごいスピードで歩きますが

普通の人は、歩くスピードを上げていくと、あるところで走る方が楽になるスピードがありませんか?

馬も一緒で、あるところで速歩の方が楽になるスピードがあるのです

詳しくはこちらを → http://www.equinst.go.jp/JP/arakaruto/keibabook/old/091115tai31.html

 

というわけで、馬は常歩から速歩へ歩法を変化させるのです

 

ということは視点を変えてみると

そのすれすれのスピードで歩く常歩はとても辛いということですよね

 

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このウォータートレッドミル

このようなレバーで、無段階で変速できます

 

能力の違いなどから、馬によって速歩になるスピードが異なりますので

その馬にとって、常歩をするのが一番辛いスピードに調整することができるのです

 

私もいつも、

「苦しめ、苦しめ~」

あっ、違う違う

「がんばれ、がんばれ~」

と心の中で叱咤激励しながら、レバー操作をしているわけです

リハビリがスムーズに行くように、トレーニング効果も期待しなくてはなりませんから

 

しかし中には、涼しい顔をして常歩をする馬もいます

これまでで最も印象深いのは、以前トカゲの動きをすると紹介した彼女

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他の馬では、速歩になってしまうスピードでも

背中を柔らかくダイナミックに使い、平気で常歩をしていましたので

この馬の能力を感じさせられたことを思い出します

 

そんな彼女の競馬復帰を待ち望んでいたのですが

残念ながら叶わなかったようです

 

千羽鶴を作っていただいた方のブログも覗かせていただきましたが

私も過度の期待をしていたかなと、思い返しています

千羽鶴は無事に子供を産むまで大事にしていただけたらと思います

 

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詳しくはこちらのリンクをご覧ください

http://www.equinst.go.jp/JP/onsen/onsendayori.html