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小倉競馬場で「宮崎競馬100年記念」(宮崎)

728日(土)は小倉競馬場「宮崎デー」として、宮崎にちなんだ特別レースが3レース行われました。残念ながら東国原知事は多忙のため来場できなかったのですが、当日は宮崎物産展をはじめ、「宮崎-小倉競馬観戦日帰りツアー」などのイベントが実施され、競馬場は大いに盛り上がりました。メインレースの「宮崎競馬100年記念」は武豊騎手騎乗の1番人気サンライズレクサス(4歳・牡・父フォーティナイナー)【馬主:松岡隆雄氏,生産牧場:()笠松牧場,石坂正厩舎】が見事に勝利しました。

ちなみに、同レースには〔抽〕グランドサファイヤ(日高育成牧場で育成)も出走していましたが、残念ながら14着でした。懐かしい〔抽〕の記号がつく馬もほとんどいなくなりましたが、まだ現役で3頭頑張っているようです(そのうち1頭は宮崎育成牧場で育成したアマノブレイブリー)。

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宮崎競馬100年記念の勝利馬サンライズレクサスの関係者(728日)

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競馬場での宮崎物産展の様子(早い時間帯の撮影のためお客さんは写っていませんが、午後はスタンドでビール片手に宮崎地鶏を食べながら競馬観戦をされている姿が多く見られました)(728日)

このレースは宮崎競馬場(現在の宮崎育成牧場)で明治40(1907)1116日に競馬が初めて開催されてからちょうど100年を記念して施行されました。宮崎競馬場では、日本競馬会および国営競馬時代を経て、昭和21年から昭和38年まで宮崎県および宮崎市に施設が貸与され、地方競馬が施行されていました。一方、競走馬の育成業務は昭和31年から開始されましたが、平成3年の競馬法改正までは「宮崎競馬場」という名称でよばれていました。現在、「宮崎育成牧場」ではJRA育成馬の育成研究を主な業務としていますが、所有する調教用1600mおよび500m走路を民間育成業者に対しても開放しています。また、乗馬教室やポニー馬車試乗会なども定期的に実施し、「馬のいる公園」として多くの市民に親しまれています。

「宮崎デー」の翌週、84日(土)2回小倉7日目第4レース 新馬戦(1000mダート)でアキノジャブ(馬主:穐吉正孝氏,生産牧場:伊藤牧場/青森,藤岡健一厩舎)が勝利をあげました。日高育成牧場の育成馬は既に2頭(エイシンパンサーおよびユウアールシー)早々と勝ち上がっていたのですが、宮崎育成牧場 (Big Dream Stables)育成馬の2歳新馬戦初勝利ということでわれわれの喜びもひとしおです。

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育成牧場時代のアキノジャブ(牝・父ジェイドロバリー・母ハッピードリーマー)

0733日撮影)

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勝利後、検体採取所前で撮影。よく頑張りました^^(84日)。

北海道で1歳馬セリ開催される

79日には日本競走馬協会主催のセレクトセール、16日には日高軽種馬農業協同組合等主催の北海道セレクションセールの各1歳セリが開催されました。セリ上場馬は前者ではセリ前々日の7日から、後者では本年度から1歳馬と当歳馬のセリ日程を入れ替えたことで、セリ前日の15日からセリ会場に入きゅうしたことで、より事前に馬をチェックしやすい体制になったのではないかと思います。

JRAでは1歳馬を購買するに当たり、血統はもちろんのこと上場される全ての馬を見て、馬体や肢勢、馬の動き等を総合的に勘案して購買候補馬を選定しています。一昨年からセレクトセールではノドの内視鏡所見と四肢関節部のX線所見、北海道セレクションセールでは四肢関節部のX線所見が開示されるようになり、候補馬選定に必要な情報が新たに加わりました。

開示情報を利用する上で大切なことは所見を的確に評価し判断することです。馬は生き物であり、全く所見もない馬は珍しいくらいで、所見があっても競走には影響がないと考えられる場合もあります。せっかく気に入った馬を所見があるというだけであきらめてしまうのはもったいないことだと思います。JRAではこれまで集積してきた種々の所見と競走期パフォーマンス成績との関連について取りまとめています。また、セリで購買される方を対象として、内視鏡検査やOCD※1に関する小冊子を作成していますので、ぜひ活用していただきたいと思います。

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セリ前日に複数の目で1頭々々念入りに馬体検査を行い、購買候補馬を選定します。

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馬体検査に併せて、歩様検査で馬の動きをチェックします。

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今年から上場者であるコンサイナーのブースが登場しました。購買者のニーズに対応する環境作りがセリ市場の活性化につながるのではないでしょうか。

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レポジトリーのX線画像のイメージ写真:球節部の種子骨の形、辺縁や線状陰影の数や太さによりG0(所見なし)からG3まで4段階に評価します。この種子骨はG2のものです。

OCD※1OCDOsteoChondoritis Dissecansの略で日本語では離断性骨軟骨症といいます。OCDは成長中の長骨と関節の表面の軟骨が正常に発達せず、軟骨としてそのまま表面に残ってしまうときに発生します。