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今年のラインナップが揃いました(日高)

824日から5日間にわたり開催されたHBAサマーセールにおける61頭の1歳馬購買で、今年のJRA育成馬80が全て揃いました。これらのサマーセール購買馬のうち、日高で育成を行う馬達47頭が、92日(牡馬)と4日(牝馬)に無事入厩しました。これで来年のブリーズアップセールにむけて日高で騎乗馴致・調教を実施していく育成馬は7月に購買した9頭(セレクトセール購買3頭、セレクションセール6頭)に加えて56(28頭、牝28)となります。

さて、日高育成牧場ではこれらの馬に対する騎乗馴致を99日から開始しました。当牧場では例年3つのグループに別けて順次騎乗馴致を実施しています。若馬への負担をなるべく少なくし、安全でより良い騎乗馴致を目指すため、グループの設定には毎年頭を悩ませるものです。昨年までの成績、牡牝や購買馬の状態を踏まえ検討した結果、今年の騎乗馴致については、サマーセール購買の牡馬25頭のうち21頭を第1グループ(第1群)、牝馬のうち約20頭を第2グループ(第2群)として騎乗馴致を行うことにしました。また、7月市場の購買馬9頭は第3グループ(第3群)として10月中旬以降に騎乗馴致を開始する予定です。馴致グループの設定における昨年との違いは、牝馬を含めてサマーセール購買馬は入厩後すみやかに騎乗馴致を実施するという点です(牡馬は昨年から実施)。最近では、既にセリ馴致が十分に施されていて、かなり人との信頼関係ができている馬が多く見られます。そこで、セリ馴致からそのまま騎乗馴致を行い、騎乗調教へスムーズに移行しよう、という考え方です。一方、7月購買馬は入厩後約3ヶ月間、昼夜放牧により管理することになります。その間、馬体の成長と充実を待つとともに、長時間放牧による基礎体力の向上を期待しています。

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牡馬は新しく大きな群を作ることによるストレスと危険が大きいため、入厩直後から2頭のペアを組んで放牧を開始します。まずは順位決めの「すもう」です。どちらが、強いでしょうか?どちらが速い競走馬に成長するのでしょうか?楽しみです。

左:マイネコサージュ08(父:ネオユニヴァース)、右:ボルジア08(父:ロックオブジブラルタル)

さて、今回は入厩時調査についてお話ししたいと思います。各市場においてJRAが購買した際に、飼養者の方にアンケートを配布して飼養状況に関する調査協力をお願いしています。このアンケートは入厩時に持参していただき、購買馬の履歴、癖などの把握に役立てたり、騎乗馴致順の決定の参考資料としたりしています。その内容は、生産牧場における管理(放牧時間・昼夜放牧or昼間放牧・ウラホリや検温の経験の有無・装蹄の有無および期間など)と、コンサイナーにおける管理(引き馬やウォーキングマシンでの運動時間や期間・ランジング実施の有無・飼葉の内容や回数および嗜好性など)に関することです。調査項目は詳細かつ多岐にわたりますが、JRA購買馬の飼養管理情況の確認には必要な調査です。参考までに、今年サマーセールで購買して日高で育成する47頭の調査から何点か簡単に紹介します。生産牧場でセリ上場前に昼夜放牧を実施したものは牡50%(12/24頭)、牝76%(16/21頭)でした。また、昼夜放牧実施したもの(昼夜群)と昼放牧のみ実施したもの(昼群)を比較すると、放牧時間の平均は昼夜群18.1時間/日、昼群11.5時間/日、放牧地の広さの平均は昼夜群3.6ha、昼群2.2ha、同時放牧頭数は昼夜群4.4頭、昼群3.3頭でした。アンケートの詳細な結果については数年分のデータがまとまり次第生産者・育成者の皆様にもお知らせしたいと思っています。JRAにとっても生産地における若馬の管理状況の把握に役立つ貴重なデータとなると思われます。

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各市場でJRAが購買した際にお配りする「育成馬入厩時調査票」

<日高育成牧場だより>

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毎年恒例の「日高育成牧場バスツアー」でも騎乗馴致見学が始まりました。初回の916日の参加者は15名でした。

<日高の四季>

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日高育成牧場内のナナカマドも紅く色づきました。実りの秋はすぐそこまで近づいています(916日撮影)。ナナカマド(七竈)の花言葉:「慎重」「賢明」「用心」「私と一緒にいれば安心」「怠りない心」だそうです。

育成馬 活躍情報(事務局)

912日(土)の中山競馬第11レース(紫苑ステークス、3歳牝馬 オープン 芝2,000m)において、昨年売却のJRA育成馬ダイアナバローズ号(育成馬名:チッキーズディスコの06、父:シンボリクリスエス、牝馬、小笠倫弘厩舎、馬主:猪熊広次氏)が優勝しました。

秋華賞の優先出走権を獲得し、今後の活躍が非常に楽しみです。

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馬に親しむ日(宮崎)

830日、JRA宮崎育成牧場では、お客様向けの最大のイベント「馬に親しむ日」を開催しました。

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ミニチュアポニー「プリン」ちゃんとのかけっこ。

大変暑い日ではありましたが、3,696名のお客様が来場され、乗馬試乗会(497名試乗)、ポニー馬車(271名乗車)などの馬と触れあう催し物や、盛り沢山のアトラクションでお楽しみいただきました。この場をお借りしまして、ご来場いただきましたお客様、ならびにご協力いただきました地元馬関係者とJRA馬事公苑の皆様に感謝申し上げます。

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注目のイベント「ポニー競馬」には10頭がエントリーしました。サラブレッドにも負けない迫力と、写真判定に持ち込まれるほどの大接戦に場内が沸きました。このレースは118に行われます「第1回ジョッキーベイビーズ(東京競馬場・芝・400m)」の宮崎・鹿児島地区予選となっており、2名の代表者が決定しました。

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馬に蹄鉄の装着を実演する「馬のくつやさん」も大盛況でした。

普段「馬」が身近な存在ではないお客様が、このようなイベントを通じて馬と触れあうことで、競馬に興味を持っていただくきっかけになるのではないかと思います。同時に、我々が育成しているサラブレッド育成馬も、一般のお客様にもみていただき、興味や親しみを持っていただけるようにしていきたいと考えています。

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この日最後の演目は、JRA馬事公苑から来たアンダルシアン(スペイン原産の品種)によるホースダンスでした。演技終了後には、多くのお客様が記念撮影会に参加されました。

馬に親しむ日が終わると、「育成牧場」としての業務がいよいよ本格化します。95日(大安)には、JRAが北海道内で購買した育成馬18頭が、2日間の馬運車輸送を経て宮崎に到着しました。これにより、今期宮崎育成牧場で育成する24が揃いました。幸い、馬たちに輸送による疾病や放牧での怪我もみられなかったため、97日より全頭の夜間放牧を開始しました。

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95日、最初の放牧直後の写真です。3頭ずつのグループで4ヶ所の放牧地に放された馬たち。お互いに顔を見合わせながら、新しい仲間に興味津々の様子です。

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97日、宮崎競馬場時代からの歴史がある馬頭祭を馬魂碑前で開催し、人馬の安全を祈願しました。今月中旬にはいよいよ第1グループ(約12頭)の騎乗馴致を開始します。

ブリーズアップセールまであと7ヶ月。

育成馬 活躍情報(事務局)

96日(日)の小倉競馬第1レース(2歳未勝利戦 芝1,200m)において、トーコーブロンコ号(育成馬名:シビルスイートの07、父:マイネルラヴ、牡馬、湯窪幸雄厩舎、馬主:森田藤治氏)が優勝しました。

本年ブリーズアップセールで売却したJRA育成馬は、現在までに6頭が6勝(中央競馬のみの成績)をあげています。

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