育成馬活躍情報 OCD※既往馬が2歳オープン競走を勝利!!
12月6日(日)の中山競馬第9レース「クリスマスローズ・ステークス」(2歳オープン芝1,200m)において、エスカーダ号(育成馬名:ベーシックフジの07、父:バゴ、牡馬、高市圭二厩舎、馬主:山本武司氏)が優勝しました。
この馬は1歳の5月に「右飛節部OCD摘出術」を実施しており、我々が購買した際にも患部である右飛節部に腫脹を確認しましたが、調教に支障がないものと判断するとともに、父のバゴが良く出た体型など長所の方に目が向き、購買に至りました。 また、育成期間においても、両前の球節にOCDを確認しましたが、症状を良く観察しながら順調に調教を進めていき、BUセールで売却することが出来ました。また、デビュー時期は、その2ヶ月後の6月福島開催の2週目であり、比較的早く出走することができました。(これらの情報については、売却時の個体情報でご覧いただけます)。 売却時「個体情報資料」より 左前球節のX所見(矢印は離断骨) 我々は、市場での購買時に、レポジトリー所見や手術既往歴などを詳細に確認します。その際、OCDについては、これまで行ってきた調査や文献データを基に、その多くが問題ないものと判断しています。 飛節部のOCDについても同様の考え方を持っていますが、検証のために、競走期における追跡調査(腫脹など症状およびレントゲン所見の変化の確認)を実施しています。これらのデータは、まとまり次第ご紹介したいと思います。 【ご意見ご要望をお待ちしております】 平素はJRA育成馬ブログをご愛読いただき誠にありがとうございます。当ブログに対するご意見・ご要望は下記メールにてお寄せ下さい。お寄せいただいたご意見はJRA育成業務の貴重な資料として活用させていただきます。なお、ご意見・ご要望への個別の返信・回答はいたしかねます。予めご了承いただきたくお願いいたします。 アドレス jra-ikusei@jra.go.jp ※OCD:離断性骨軟骨症(Osteochondritis Dissecans)は成長期の若馬に発症する骨疾患の1つであり、軟骨が骨に変化する過程で何らかの異常が生じることで、関節軟骨と軟骨下骨が離断(剥れる)するものです。主な発症部位は肩関節、球節、膝関節、飛節などで、関節の腫脹や跛行に関連する場合もあります。症状によっては、手術による離断骨の摘出が選択されます。