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2010年度育成馬の入厩完了(日高)

日高地方では“雪虫”が飛び交い、日々、最低気温が更新され、冬の訪れを感じさせる今日この頃です。そんな中、10月中旬に行われたオータムセールでの購買馬2頭が、1022日に入厩を終え、そして、「生産からの育成業務」というテーマの中、昨年、当場で誕生した7頭のJRA生産馬が、1025日に繁殖厩舎からの移動を終えました。これによって、日高育成牧場所属のJRA育成馬63頭の入厩がすべて完了しました。

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JRAのオータムセールでの最初の購買馬となったマンデームスメの09(牡・父:クロフネ

JRAは例年サマーセールまでで購買を終えており、オータムセールでの1歳馬の購買は、本年が初めての試みとなりました。ここ数年、コンサイナーや各牧場のセリ馴致の技術が著しく向上し、ほとんどの購買馬は、人の指示に対して従順であるために、10月末に入厩したとしても、ブレーキングが遅れることなく、順調に進むものと考えています。また、オータムセールは本年から前半の月・火は主に新規の上場馬部門、後半の水・木はサマーセールからの再上場馬部門という区分がなされました。4日間のロングランで800頭以上が上場されるという大規模なセリですが、購買者が狙いを絞ってセリに参加できるこの区分は、お客様のニーズにマッチした対応であったと思います。

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JRAが生産した育成馬第1号のフジティアスの09(牡・父:デビッドジュニア

オータムセールの購買とともに、本年からの新たな取り組みという点では、JRA生産馬の育成厩舎入厩も同様になります。1歳のJRA生産馬7頭は、「母馬のお腹の中から競走馬までの一貫した調査研究や技術開発」を目的として、1歳セリで購買した馬と同様に育成し、ブリーズアップセールに上場する予定です。昨年誕生した7頭は、“自然な状態での管理”というテーマに基づき、今回の入厩まで、厳冬期も昼夜放牧を継続してきました。セリのための馬体づくりも無関係に、濃厚飼料を最小限に、青草を主食として初期育成、および中期育成を行ってきました。そのためか、少し、お腹周りに余裕がある体型となっています。オータムセール購買馬とともに、最も遅い第3群でのブレーキングが、10月末から開始されています。他の育成馬同様に、ブリーズアップセールを経て、無事、競走馬になってくれることを願っています。

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800m屋内トラックでキャンターを行う第1群の牡馬

さて、9月上旬から騎乗馴致を開始している第1群の牡馬は、1列縦隊で800m屋内トラック2周の調教メニューをこなしており、非常に順調です。

一方、10月上旬からブレーキングを開始した第2群の牝馬は、ようやく騎乗ができるようになりました。一般的に、牝馬は、牡馬と比較して、騎乗に至るまでに、順調さを欠くことが少なくなくありません。第2群の牝馬のなかにも、ランジングレーンがお尻に触れることを嫌う馬、腹帯を嫌う馬、さらには騎乗するのを嫌う馬などがいます。

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人と同じで牡よりも牝の方が繊細なようです。腹帯に慣らすための、はじめてのローラー装着では、圧迫を感じてかぶったり、立ち上がろうとすることがあります。人は瞬時に追いムチや声によって、馬を前へと推進します。馬はハッピースキャットの09(牝・父:マンハッタンカフェ

このように、牝馬は非常に繊細であるために、『馬を支配』しようとするのではなく、『馬を導く』ことが、牡馬以上に必要であることを、再認識しています。例えば、馬に対して何らかの要求を行ったときに、すぐに答えを求めるのではなく、馬に考える時間を少し与える余裕を持つことが大切です。考える時間を与えずに、すぐに答えを求め、人が強引に支配する方向に進んでしまうと、特に牝馬はストレスを感じるのではないかと考えています。したがって、従順なように見える牝馬のなかにも、ストレスを内に秘めている馬もいるのではという前提で、日常の小さな変化も見逃さないようにしたいと心がけています。