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BTC利用者との意見交換会(日高)

騎馬参拝

日高育成牧場では、浦河町乗馬クラブやポニー少年団の子供たちとともに、新年恒例の騎馬参拝で2013年の幕が上がりました。騎馬参拝を行った西舎神社で、本年の人馬の安全を祈念しました。

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新年恒例の騎馬参拝で人馬の安全を祈念いたしました。

前号では、今冬は北海道各地において、過去100年間で最も遅い初雪を記録したことをお伝えしました。しかし、初雪以降は、北海道各地でその遅れを挽回するかのように降雪が続き、札幌、旭川では初雪が解けることなく、そのまま根雪になりました。この初雪がそのまま根雪になるという例は、観測記録上初めてだそうです。日高育成牧場のある浦河でも、昨年末のクリスマス寒波の影響を受けて大雪に見舞われ、一面銀世界に景色が変わり、厳冬期に突入しました。しかし、年末には一転して気温が上昇したため降雨になり、路面のみならずパドックもアイスバーンとなってしまいました。調教後や休日にはパドック放牧を実施しているため、砂を撒いてパドック整備を実施しました。今後は、春まで雨が降らないことを祈るばかりです。

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昨年末の寒波により一面銀世界へと景色が変わりました。

育成馬の近況

このような厳しい寒さの中、JRA育成馬の調教は徐々に本格化してきました。1群の牡馬および2群の牝馬は、800m屋内トラックでの2400m(1周+2周、ハロン22秒まで)のキャンターをベースに、週2回は800m屋内トラックで2周キャンター(ハロン22秒)を実施した後に坂路調教(1本、ハロン20秒)を実施しています。また、週1回は800m屋内トラックでの3200m(2周+2周、ハロン22秒まで)のキャンターを実施しています。

この時期の2歳馬の調教において重要なことは、①前に(Go forward、②真っ直ぐ Go straight落ち着いて(Go calmly走行させることであると考えています。これらのことを実行するためには、馬に騎乗者を乗せたバランスを習得させ、キャンターを実施するために適正な筋力を養成させるとともに、騎乗馴致から継続して実施している扶助を理解させることが不可欠です。このシンプルな走行が競走馬としての基礎となるため、焦らずにじっくりと調教を進めていくように心掛けています。

 

         

昨年12月第4週目の調教動画。角馬場での速歩の後、800屋内トラックでの一列縦隊、2列あるいは3列の隊列でのキャンターを実施します。また、週2回は坂路調教を実施しています。①前に(Go forward、②真っ直ぐ Go straight落ち着いて(Go calmly走行させることを主眼としています。

BTC利用者との意見交換会

ここからは昨年12月に行われました恒例のBTC利用者との意見交換会」について触れさせていただきます。今回馬の個性と調教」というテーマに基づき、当場から「ミオスタチン遺伝子と距離適性」および「馬の個性と騎乗方法」と題した話題を提供した後、BTC利用者の中から代表とし参加していただきました3名のパネリストの方々を中心に意見交換が行われました

パネリストの皆様は、それぞれ「馬術」、「ナチュラルホースマンシップ」、「海外での経験」という異なるバックグラウンドを基に競走馬を調教しておられるため、多種多様な意見が飛び交うものと想像していました。しかし、実際には共通した意見も多く、特に、馬という動物は、接し方や取り扱い方によって容易に変わってしまうため、余裕をもって慌てずに馬に接するとともに、常に馬をよく観察し、馬を理解しようと心掛けることが重要であるという共通した考えが印象的でした。3名のパネリストの方々、および参加していただいた方々にはこの場をお借りして御礼申し上げます。このBTC利用者との意見交換会」は本年も12月ごろに開催する予定でありますので、多くの参加をお待ちしています。

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馬の個性と調教というテーマに基づき開催した「BTC利用者との意見交換会」