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活躍馬情報(事務局)

 先週の競馬では、函館2歳ステークス(GⅢ)、スポーツ報知杯中京2歳ステークス、2歳未勝利を2勝の計4勝と本年ブリーズアップセールで売却した2歳のJRA育成馬が大活躍してくれました。
 これによって、本年の当セールで取引された2歳育成馬は5頭が勝ちあがり、合計7勝となりました。今後のますますの活躍を期待しております。

 

 

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7/21 2回函館競馬6日目 第11R 函館2歳ステークス 芝1,200m
   クリスマス号(アラマサスナイパーの11) めす 2歳
【 厩舎:斎藤 誠(美浦) 父:バゴ 北海道サマーセール購買 】

 

 

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7/21 3回中京競馬8日目 第9R スポーツ報知杯中京2歳ステークス 芝1,400m
   グランシェリー号(エポックサクラの11) めす 2歳
【 厩舎:庄野 靖志(栗東) 父:アルデバランⅡ JRAホームブレッド 】

 

 

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7/21 3回中京競馬8日目 第1R 2歳未勝利 ダート1,200m
   ルイカズマ号(グランドホイッスルの11) 牡 2歳
【 厩舎:西浦 勝一(栗東) 父:パイロ 北海道セレクションセール購買 】

 

 

 

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7/21 2回福島競馬8日目 第1R 2歳未勝利 芝1,200m
   コロナプリンセス号(コロナガールの11) めす 2歳
【 厩舎:武市 康男(美浦) 父:デュランダル 北海道サマーセール購買 】

活躍馬情報(事務局)

先週土曜日の函館競馬1R(2歳未勝利戦)におきまして、JRA育成馬フクノドリーム号が優勝しました。同馬は日高育成牧場で育成調教され、今年4月に開催されたブリーズアップセールにて取引された馬です。

また、本年当セールで取引された育成馬は、3頭が勝ちあがりました。今後のますますの活躍を期待しております。


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7/13 2回函館競馬3日目 第1R 2歳未勝利 ダート 1,000m

フクノドリーム号(キャニオンリリーの11) めす 2歳

【 厩舎:杉浦 宏昭(美浦) 父:ヨハネスブルグ 北海道サマーセール購買 】

ホルモン処置による乳母 ~その4~(生産)

導入2日目、

ある程度の距離を保っていれば同じ放牧地にいても、乳母は攻撃してきませんが、

通常の母子の様子とは、かなりかけ離れています。

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人の保持がなければ哺乳はできず、

乳母には、噛み付き防止の「口カゴ」、

蹴ることを防止するための「足かせ」が装着されています。

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乳母の母性本能を覚醒させる方法として、他の馬との接触があります。

特にオス馬の存在が刺激になるという説があります。

 

そこで、2頭がいる放牧地に乗馬(去勢馬)を連れてきましたが、

あまり、効果は認められませんでした。

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乳母導入の2日目でしたが、あまりに進展がなく、実の母馬の元に戻すことも考えました。

しかし、後戻りよりも前進することを選択し、思い切って他の母子の馬群がいる放牧地に放してみました。

 

最初は、子馬が他の馬に追いかけられて、逃げ惑い孤立し、

誰もが、他の馬群との放牧は早すぎたと後悔した瞬間、

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突然、乳母が子馬を他の馬から守るしぐさを見せるようになり、

ここから、乳母と子馬の距離がグッと縮まりました。

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不思議なもので、あれほど子馬を敬遠していた乳母も、

ほかの母子との馬群に入り、逃げ惑う子馬に頼られることにより、母性本能のスイッチがオンに入ったようです。

 

集団生活を基本として子孫を残し続けてきた「馬」という動物の本能を改めて実感しました。

 

その後は、乳母は保持されなくても、

人が近くにいれば、哺乳を受け入れるようになりました。

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現在も、本当の母子のような距離の近さまでには至っていませんが、

他の母子と同じ放牧地で、昼夜放牧されています。

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人工哺乳は継続中ですが、体重増加率は他馬と同程度になりました。

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馬房や放牧地では、このように変則的な方法で哺乳しています。

子馬の「生きたい」という生命力の強さには脱帽です。

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【ご意見・ご要望をお待ちしております】

JRA育成馬ブログをご愛読いただき誠にありがとうございます。当ブログに対するご意見・ご要望は下記メールあてにお寄せ下さい。皆様からいただきましたご意見は、JRA育成業務の貴重な資料として活用させていただきます。

アドレス jra-ikusei@jra.go.jp

 

 

ホルモン処置による乳母 ~その3~(生産)

導入初日、

2週間のホルモン剤投与により、1日で5リットルほど搾乳できるようになった乳母を、

子馬と引き合わせます。

 

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乳母には鎮静剤を投与し、鼻の周りにはメントール軟膏を塗って嗅覚を麻痺させます。

また、子馬の馬服には乳母の糞尿をつけています。

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乳母の膣内に手を挿入し、子宮頚管(子宮の入り口)を刺激します。

分娩時の感覚を誘発し、母性本能が覚醒されるといわれています。

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1人が母馬を持ち、もう1人が子馬を乳房に誘導するとともに、

乳母の後方に子馬が行かないように気をつけます。

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持ち手は、乳母が哺乳を拒絶した場合に、チェーンシャンク(※)で懲戒し、

逆に、哺乳を受け入れた場合には、褒美としてエサを与えます。

※鼻梁に強く作用し、リードを強く引くことで懲戒する道具

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ある程度受け入れるようになったら、子馬と乳母だけにする予定でしたが、

乳母による子馬への拒絶行動(噛む、蹴るなど)が激しかったため、

人がついていないときには、乳母を馬房内に設置した枠場に入れました。

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子馬は食欲旺盛で、噛まれても、蹴られても、決してめげることなく積極的に哺乳を続けてくれたことは救いでしたが、

想像以上に、乳母の受け入れは困難で、乳母の性格や子馬との相性の重要性を実感しました。

 

つづく

ホルモン処置による乳母 ~その2~(生産)

前回のブログで触れたとおり、

本年、日高育成牧場の出産馬1頭に対して、乳母付けを実施しました。

その理由は、「母乳の分泌不足」です。

 

この子馬は、初産で出産時の体重が平均を下回る47kg、

母乳の分泌量が少なく、他の子馬に比較して身体の成長が遅れていました。

粉ミルクも与えていましたが、体重はあまり増えてきませんでした。

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2週齢:他の馬と比較して成長が遅い。

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分娩6日後の母馬の乳房、初産のためかあまり大きくならない。

 

一般的に利用されている乳母に比較して、

ホルモン処置したサラブレッド乳母の導入は、多くの困難やリスクをともなうことは前回述べたとおりです。

 

しかし、将来的な競走および調教負荷に耐えうるための健康な馬体づくり、

そして、JRA日高育成牧場の大きな役割の1つである「生産育成に関する技術開発」のための実践の積み重ねの重要性を鑑み、今回の実施に踏み切りました。

 

つづく

ホルモン処置による乳母 ~その1~(生産)

子馬に乳母をつけることは、サラブレッドの生産においては比較的頻繁に実施されています。

 

乳母をつける主な理由は、

 

① 「母馬の出産直後の死亡」

② 「母馬による子馬への虐待」

③ 「母乳の分泌不足」

 

などですが、

 

④ 「母馬の蹄疾患などによる歩様の悪化」

⑤ 「種付けを目的とした母馬の輸出」

 

競走馬ではありませんが、馬術競技馬が出産した際に、

 

⑥ 「早期の競技復帰」

 

を目的として乳母を用いる場合があります。

 

一般的に乳母は、性格が温厚な血統の馬(ハーフリンガー種など)であり、

導入直前に子馬を産んでいる必要があります(母乳を分泌させるため)。

 

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乳母は温厚な血統の馬で、導入前に出産している必要があります。

 

日高育成牧場においては、子馬を産んでいないサラブレッドをホルモン処置することによる乳母導入を実施しています。

 

この利点は、

乳母導入の費用(80~100万円)の削減、

その年に子馬を産んでいない牝馬の活用、

などがあげられます。

 

一方、どちらかというと血統的に気性が温厚ではないサラブレッド、

さらに直前に子馬を産んでいない母馬を乳母として導入することは極めて困難であり、

場合によっては、子馬の大怪我などのリスクを伴います。

 

本年、日高育成牧場の出産馬1頭に対して、乳母付けをすることになりましたので、次回以降のブログで、この詳細に触れたいと思います。

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活躍馬情報(事務局)

先週日曜日の函館競馬5R(メイクデビュー函館)におきまして、JRA育成馬クリスマス号が優勝しました。同馬は日高育成牧場で育成調教され、今年4月に開催されたブリーズアップセールにて取引された馬です。

また、本年当セールで取引された育成馬は、2頭が勝ちあがりました。今後のますますの活躍を期待しております。

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6/30 1回函館競馬6日目 第5R メイクデビュー函館 芝 1,200m

クリスマス号アラマサスナイパーの11) めす 2歳

【 厩舎:斎藤 誠(美浦) 父:バゴ 北海道サマーセール購買 】