育成技術講習会 (生産)
10月30日および11月6日にそれぞれ美浦および栗東トレーニング・センターにおいて、育成技術講習会が開催されました。
今回の講習会は「海外で競馬を学ぶ-海外経験者が「世界の馬づくり」を語る」と題して、海外の厩舎や牧場で経験を積んだホースマンのみなさんによるパネルディスカッションを実施しました。
パネリストのみなさんは、これまでの様々な経験をもとに、本当に多くの興味深い話をしてくださいました。
以下に、ディスカッションの中で印象に残った話を一部ご紹介します。
「アメリカの追いきりは、5ハロンを実戦なみのスピード(馬によっては58秒など)で走行させるタイム重視であり、指示タイムと1秒以上異なった場合には調教師から注意を受ける」
「短距離競馬が中心の香港においては、ゲートから多頭数で発進するなどスタート重視の追い切りが実施されている」
「イギリス・アイルランドにおいては、調教タイムは測定しない。走行時の馬の表情や蹄音などで状態を把握する調教師もいる」
「ヨーロッパのホースマンは、馬を褒めることが上手い。じっと立っているだけでも「よくできた!」と褒めている」
「アイルランドでは、調教で馬を乗ることを楽しむライダーが多く、大雨が降って冠水した際には、喜んで馬を水の中に入れたり、強風による倒木があった場合には、それを飛越したりもする」
「欧米各国の厩舎では、日本と比較すると乾草を多目に与えているところが多い。それでいて、馬が太くなるわけではない」
トレセンや育成牧場のみなさんも大勢ご参加されて、積極的にご質問いただきました。
講習会の中でもお知らせしましたが、競走馬育成協会では「海外派遣研修制度」による海外研修の補助金助成を行っていますので、ご興味のある方はこちらのホームページをご覧ください。
http://www.ttda.or.jp/business/pdf/20131104.pdf
今後も多くの若い方が海外で馬づくりを学び、日本の競馬が益々発展することを願っています。
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