ライトコントロール法(生産)
「早期発情誘起」を実施するうえで、もっとも重要な役割を果たすのは、ライトコントロール法、すなわち、冬から春にかけての日長時間の延長を人為的に行う方法です。
ライトコントロール開始から約60日で効果が認められることから、交配予定の2ヶ月前、つまり、2月からの交配を予定している場合は12月に開始します。
妊娠馬も同様で、分娩1ヶ月後に交配を予定している場合には、分娩予定日の1ヶ月前から開始することが推奨されます。ライトコントロールによる妊娠期間短縮の報告もありますが、弊害についての報告はありません。
なお、たとえ受胎した場合であっても、ライトコントロールを終了してはいけません。妊娠を安定させるために、4月までは継続実施することが推奨されます。
(時間設定)
冬至には、昼時間が1年で最も短い10時間になります。ライトコントロール実施時は、早朝は5 時30 分から7 時30 分まで点灯し、夕方は15 時30 分から20時まで馬房内の照明を点灯することで、昼14.5 時間、夜9.5 時間の環境を設定します(図1)。
図1.冬至におけるライトコントロールの実施例
(照明方法)
照明は、60から100 ワットの白色電球、LED電球、蛍光灯でもかまいません。これを馬房天井の中央付近に設置します。明るさの目安は、新聞を読むことができる明るさと言われています。また、夜間は可能な限り暗くします。24 時間の照明は逆効果であり、一定時間の「夜」が必要で、明るい時間と暗い時間の明確な区分が重要です。
明暗のメリハリが重要!!