育成馬ブログ 生産編⑧ 「その1」
講演会「競馬とドーピング~アナボリック・ステロイド~」
去る2月27日に新冠町でアナボリック・ステロイド(以下AS)に関する講演会が開催されました。
講師はJRA馬事部獣医課の課長補佐であり、馬の禁止薬物と診療に関する諮問委員会の委員を務める草野寛一によるものでした。
発表で一貫していたのは、
「ASの使用は、エンターテーメント・スポーツである競馬のイメージダウン、ひいては競馬産業の衰退を引き起こしかねないので止めましょう」とのメッセージでした。
現在、南米を除くほとんどの競馬開催国においては、ASは禁止薬物に指定されています。
その多くの主催者は、「競走時」における使用禁止に止まらず、「競走時以外」における使用も禁止していくべく取り組んでおり、「競技外検査」として「調教時の検査」など抜き打ち的な検査を実施している主催者もあります。
JRAも2014年4月1日より、この「競技外検査」を開始します。
一昔前までASは馬の治療薬として使用されていましたが、現在では、オリンピックなどの人の競技と同様に、競馬の世界においても使用の正当性が認められない薬物になっています。
ASにおける繁殖機能障害などの副作用も見過ごすことができません。
今後とも、関係者が一丸となって、競馬というエンターテーメント・スポーツのイメージダウンを防いでいきましょう。
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