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育成馬を知ろう会 in 宮崎(宮崎)(宮崎育成牧場 ⑦)

 今回から人事異動に伴いまして宮崎育成牧場のブログを担当することとなりました。3月に日高から宮崎に転勤してまいりましたが、その気候の違いに驚いております。そろそろ雪解けを迎えている日高に対して、南国宮崎はすでに桜の開花が始まっており、お花見のピークも過ぎ去ろうとしています。このような気候に恵まれた宮崎育成牧場から育成馬22頭の近況や宮崎で開催されたイベントなどをお伝えしたいと思いますので、前任者同様よろしくお願いいたします。

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写真1.3月下旬に花見のピークを迎えた育成厩舎入口の桜。

育成馬の近況

 さて、宮崎育成牧場のJRA育成馬22頭の近況をお伝えいたします。宮崎育成牧場は、1000m屋内坂路などBTC調教施設を利用できる日高とは異なり、1600mのトラックダート馬場のみを使用しての調教となる点が大きく異なります。しかしながら、1600mもの広大な馬場を冬の凍結等考えずに自由に使用できるというのは、大きなメリットとも考えることができます。また、馬にとっては毎日同じ場所で同じ時間に調教が行われるということは、メンタル面を安定させるためには大きな利点となります。

 ウォーミングアップは1600m馬場の内馬場となる500mトラック馬場で、速歩を1周した後にハッキングを1周します。この内馬場でのウォーミングアップは、とにかくリラックスさせるよう心掛けています。また、1週間の調教の流れをパターン化することによって、馬が“オン”と“オフ”の切り替えを自らできるように取り組んでいます。休み明けの月曜日と強調教実施翌日の木曜日には、4~5頭単位の1列縦隊でハロン20~19秒のイーブンペースでの2400mのステディキャンターを実施し、火曜日と金曜日には4~5頭単位の2列縦隊でハロン18~17秒のイーブンペースでの2400mのステディキャンターを実施しています。これらのステディキャンターでの調教時には、場所に慣れている“オフ”の精神状態を利用し、群れを意識して馬群の中で落ち着くことと、1600m馬場の利点を生かした長距離を一定ペースで走行することによって持久力を向上させることを目的としています。

 一方、水曜日と土曜日に実施している強調教時には、1200mを2本走行させるインターバルトレーニングのスタイルを行うことによって、馬自らが“オン”の日であることを理解するように工夫しています。1本目は4~5頭単位の1列縦隊でハロン20~19秒でのステディキャンターを実施します。2本目は4頭単位の2列縦隊で5ハロンを77~75秒、つまりハロン16~15秒のイーブンペースでの強調教を実施しています。

動画.3月3週目の調教動画

育成馬を知ろう会

 ここからは、3月14日~15日に開催いたしました「育成馬を知ろう会」についてご紹介いたします。この企画は比較的馬主歴の浅いJRAの馬主の皆様に対して、「馬の見方」「セリにおけるレポジトリーの見方」などの講義、あるいは「調教師と交流」を趣旨にJRA馬事部生産育成対策室および当場が主催する形で実施いたしました。

初日はあいにく天候には恵まれませんでしたが、同じ種牡馬の産駒を比較して「馬の見方」に関する理解を深めるとともに、その知識を基にブリーズアップセール上場馬をご覧いただきました。夜には調教師との懇談会が開催されました。2日目は晴天に恵まれ、ブリーズアップセール上場馬の調教を間近でご覧いただきました。

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写真2.初日は同じ種牡馬の産駒を同時に比較して「馬の見方」の理解を深めていただきました。左:No51イットービコーの12(メス、父:エンパイアメーカー)、右:No10プラントオジジアンの12(メス、父:エンパイアメーカー)


 

 今回の「育成馬を知ろう会」を始めとする新規馬主の皆様に対する様々な企画が「セリ市場に参加したい」あるいは「競走馬を所有したい」という意欲を持っていただくきっかけになれば幸いです。ご多忙中にもかかわらず、今回参加していただきました皆様方には、この場をお借りしてお礼申し上げます。

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写真3.2日目はBUセール上場馬の調教を間近でご覧いただきました。

育成馬展示会のお知らせ

 宮崎育成牧場では、ブリーズアップセールに先立ちまして、本年も4月7日(月)に「育成馬展示会」を開催いたします。なお、本年より10時開始となりますこと併せてお知らせいたします。以下に簡単な当日のスケジュールをお示しいたします。

10:10 ~ 比較展示(22頭を4班に分けて展示)

11:10 ~ 騎乗供覧(牡)

12:20 ~ 騎乗供覧(メス)

皆様方のご来場を心よりお待ちしております。

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写真4.昨年の展示会の調教供覧の様子。併走外は力強い走行を披露したファーストオーサー号(2013年2回新潟4日目1800芝未勝利戦優勝馬 父:アルデバラン 母:イナズマローレル)。