育成馬ブログ 生産編①続編
タテガミのトリミング
トリミングとは、自然の状態に伸びている馬の毛を抜いたり、カットしたりすることによって、身だしなみを整えることです。
セリや展示会などにおいては、きれいにトリミングされた馬は、見る人にスマートな印象をあたえます。
ポイントとなる部位は、タテガミ、耳毛、距毛(球節の後部の毛)および尾です。
特にタテガミは、競走馬の資質を見定めるうえで極めて重要な「首付き」(馬体に対する首の付き方)や「トップライン」(横から見たときの、うなじから背腰までの線)の印象に大きな影響を与えます。
タテガミは「首付き」や「トップライン」の印象に大きな影響を与えます。
タテガミのトリミングの重要ポイントは
・長い毛を抜いて、適切な長さにそろえる
・ハサミでは切らない
・右側に寝かせる
・ブライダルパース(頭絡の通り道)をつくる
毛を抜くときには、最初にクシを通して、長い毛をつかみ、根元から抜きます。
ハサミで切りそろえると、不自然な状態に見えるので、推奨できません。
長い毛をつかみ、根元から抜きます
トリミング前(左)とトリミング後(右)
通常、馬体検査を実施する際には、最初に左側から観察して、馬体全体の印象を把握します。その際、前述した「首付き」や「トップライン」は重要な判断材料になるため、タテガミは、かならず右側に寝かせます。
最初に左側から観察することにより、馬体全体の印象を把握する。
このため、かならずタテガミは右側に寝かせる。
タテガミが左側に寝る癖がついている場合、事前に三つ編みをすることで、右側に寝る癖をつけます。
1週間程編んでおくと、3~4日は癖をつけることができますので、セリや展示会前に逆算して実施すると良いでしょう。
右側にタテガミを寝せるための三つ編み
最初にタテガミを水で濡らし、後方をヘアピンで留めると編みやすくなります。
最後に「ブライダルパース」とよばれる、頭絡の項革(うなじがわ)が通る部分を切りましょう。これにより、うなじ周囲のタテガミの手入れが容易になるとともに、頭部がスッキリ見えるようになります。
ハサミを前から入れて、前後の長さ5cm程度まで切ります。前髪が多い場合には、やや前から切り始めるとよいでしょう。
ブライダルパース
頭絡の項革(うなじがわ)が通る部分を切ることにより、頭部がスッキリ見える
ハサミを前から入れて5cm程度切ります。前髪が多い場合、やや前までカット。
【ご意見・ご要望をお待ちしております】
JRA育成馬ブログをご愛読いただき誠にありがとうございます。当ブログに対するご意見・ご要望は下記メールあてにお寄せ下さい。皆様からいただきましたご意見は、JRA育成業務の貴重な資料として活用させていただきます。
アドレス jra-ikusei@jra.go.jp