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育成馬ブログ 生産編①

騎乗馴致をする人に馬をあずける前の心がけ

 

いよいよ1歳セリのシーズンが始まり、生産牧場やコンサイナーのみなさまはセリ馴致に忙しい時期、試行錯誤を繰り返しながら、子馬を育てている方も多いのではないでしょうか。

 

JRA日高育成牧場でも、個性的な性格をもつ若馬たちの育成に関する悩みはつきませんが、彼ら、彼女らを育てるうえで理想としているのは、「精神的、肉体的に健康な馬」です。

 

「精神的、肉体的に健康な馬」であれば、

人の指示に従うことができるため、

騎乗馴致や騎乗調教を円滑に実施することができ、

また、不必要な怪我や事故を可能な限り少なくすることができます。

 

さらに、多くの馬が自身の能力を100%発揮できずにいるなかで、

レース中もしくは調教中に人の指示に従うことができれば、

自身のパフォーマンスを発揮しやすいのではないかと考えています。

 

では、具体的にどのような方法を用いて育成していけばよいのでしょうか?

特に精神面について、そのヒントとなる興味深い記述を紹介します。

 

今から2300年以上前に、古代ギリシャの哲学者クセノフォンが書いた馬術書からの引用で、「騎乗馴致をする人に馬をあずける前のこころがけ」について触れています。

 

馬が人に対して穏やかで、人に慣れていて、人を好きになるように育てること

 

十分な飼料と水を与えて、虐待せずに手をかけてあげること

 

馬が好む場所を撫でてあげて、痛いところがあったなら、手当てをしてあげること

 

馬を群集に連れていき、様々な環境や雑音に慣れさせること

 

群集や雑音などを怖がるようであれば、人が落ち着かせてあげて、それらが怖くないことを教えること

 

 

この言葉は、古代ギリシャの騎馬隊に使用する馬の騎乗馴致に関するものですが、極めてシンプルで、現在の競走馬の育成にも通じる基本理念だと思います。

このように、2300年の長きにわたって風雪に耐えてきた言葉は、若馬を育てる際の1つの指針になるのではないでしょうか。

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バスツアー始まりました!

 

JRA日高育成牧場では、今月から、一般のお客様を対象とした場内の見学バスツアーが始まりました。

今年生まれた可愛い子馬たちをお見せするコーナーや、体験乗馬やポニーショーなどの特別企画もご用意しています。

皆様のご来場を心からお待ちしております。

(時期によって企画が異なりますので詳細は上記HPでご確認ください)

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                     子馬とのふれあいコーナー

 

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