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育成馬ブログ 生産編⑨「その2」

乳母付け

 

一般的に乳母付けは、性格が穏やかな品種の母馬を用いて、自身が産んだ子馬と錯覚させて行います。

一方、人工的に泌乳誘発した乳母は、自身でその年に出産していないため、錯覚を用いることは困難です。また、気性があまり穏やかではないサラブレッドを乳母として用いることも、大きな懸念材料となります。

 

出産翌日の午後、乳母付け開始です。

 

最初の顔合わせの時に、乳母ワンモアが若干威嚇するような仕草を見せたため、周囲の空気が一瞬凍りつきました。

しかし、哺乳を許容した後は、徐々に子馬を受け入れて、乳母付け後1時間もしないうちに、馬房内で保定せずに哺乳を許容し、さらには、子馬に近づこうとする人間を威嚇する仕草まで見せるようになりました。

 

あまりにあっけなく子馬を受け入れたため、身構えていたスタッフ一同は、拍子抜けするとともに、たとえサラブレッドであっても、気性によっては乳母の適正を有する馬がいることを認識し一安心ました。

 

もちろん、子馬との相性はあるのかもしれませんが、事前にこのような性格を見抜くことができれば、今後も必要な場合に適切な乳母付けができるようになるのかもしれません。

 

人工泌乳乳母の詳細については、こちらをご覧ください

 

(JRA育成牧場管理指針 生産編)

http://www.jra.go.jp/ebook/ikusei/seisan/index.html#page=44

 

(JRA育成馬日誌)

https://blog.jra.jp/ikusei/2010/03/2-b47b.html

 

https://blog.jra.jp/ikusei/2013/07/3-31c2.html

 

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乳母付け

 

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乳母として子育て中のワンモア

 

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