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育成馬ブログ 日高⑦

ブリーズアップセールが近付いてきました!(日高)

 

例年と比較にならないほど暖かい冬となった日高育成牧場では、

全国各地に大きく遅れることなく待望の春を迎えました。

 

日中の気温が10℃を上回る日も増え、

道路脇の積雪もわずかに残るだけとなっています。

 

馬場凍結のため使用できなくなっていた屋外1600mダートトラックも

例年より早い3月28日から使えることになりました。

春の訪れを待っていた育成馬たちは、これからぐんと良くなっていきます。

 

 

育成馬の調教状況

 

まずはJRA育成馬の調教状況についてお伝えします。

 

1週間の調教メニューは前回の同ブログから変わらず、

現在も毎週2回の坂路調教を実施しています。

 

2月末までは、

縦列で坂路2本(3ハロン54~51秒程度)を駈けあがる調教を繰り返して、

基礎体力を育みつつ綺麗なフォームで走れるよう努めてきました。

 

しかし現在は、殆どの馬に十分な体力がついてきたため、

坂路調教の2本目を「併走」にすることで

「走りたい」「併走馬に負けたくない」気持ちを膨らませる調教を行っています。

 

 動画1.屋内1000m坂路コースでの調教 

併走馬同士をしっかり近づけて走行できるよう練習しています。

1組目:向かって左がリスキーディール14(父:シンボリクリスエス、BU番号48番)、

右がノーブルビューティ14(父:タイキシャトル、BU番号19番)。

2組目:向かって左がグラッドリー14(父:サウスヴィグラス、BU番号20番)、

右がコロナガール14(父:サマーバード、BU番号46番)。

3組目:向かって左がスターリースカイ14(父:ケイムホーム、BU番号45番)、

右がキングズラヴ14(父:サマーバード、BU番号18番)。

 

 

 

今後は屋外1600mダートトラックが使えるようになる3月28日まで

坂路調教を継続し、それ以降は1600m馬場での調教にシフトしていきます。

  

 

手術実施馬や跛行馬のリハビリテーション

 

アスリートである育成馬の調教を進めると怪我や故障がついて回ります。

跛行や疾病の程度により休養期間や治療内容は異なりますが、

重度の跛行や手術を要する疾病に罹患すると休養が長引くため、

その後のリハビリは重要です。

 

現在、当場ではこのような馬のリハビリテーションに

トレッドミル運動を併用して安全な早期回復を目指しています。

トレッドミルは馬用のルームランナーで、運動負荷量を調節することができるうえに

人が騎乗しないため馬の下肢部にかかる負担を大幅に軽減できます。

 

週に3回、1回の運動量は速歩1~1.5km、駈歩1~2km程度で

約1カ月実施します。

まだ一部の長期休養馬に実施した段階ではありますが、

確かな手ごたえを感じています。

 


 

動画2.トレッドミルを用いたリハビリテーション 

先日手術した育成馬のリハビリにトレッドミルを用いています。

馬の様子を観察しながら徐々に運動負荷を増やし、

安全なリハビリを行いたいと考えています。

 

ブリーズアップセールに向けた準備

 

約1カ月後に迫ったブリーズアップセールに向け、着々と準備が進んでいます。

 

先日、馬運車の積込みに慣らすための「馬運車馴致」を実施しました。

写真にある馬積み所に慣らして当場所有の馬運車に乗せておくことで、

輸送当日の出発遅延を防止し、

輸送でかかるストレスを少しでも軽減することが主な目的です。

 

今年の育成馬たちは皆おとなしく、問題ある馬はいませんでした。

出発当日、スムーズに積み込めることを祈っています。

      

Photo

         

今年のJRAブリーズアップセールは中山競馬場で4月26日(火)に開催します。

育成馬と向きあえる残り期間は約1カ月。

残りわずかな時間を有効に使い、後悔しないように過ごしていきたいと思います。