育成馬ブログ 生産編⑦「その2」
子馬の保定 その2 日常の取り扱いにおける「リーダーシップ」と「オン・オフ」
「リーダーシップ」と「オン・オフ」の方法を
毎日の取り扱いで継続的に用いることにより、
保定が必要な場面で適切な制御が可能になります。
毎日の取り扱いにおける利用例として、
「集放牧の際に他の馬と間隔を空けて引き馬をする」
「馬体検査の際に、1頭のみで駐立させる」などがあげられます。
特に引き馬は子馬の躾に極めて有効です。
なぜなら、馬の群れの中でのリーダーは、
他馬のスピードをコントロールすると言われているため、
引き馬でのスピードコントロールは、
引き手をリーダーとして認識させる絶好の機会になるからです。
このため、前の馬をリーダーと認識するような前後を接近させた引き馬ではなく、
前の馬との間隔を空けて、引き手をリーダーと認識するような引き馬が推奨されます。
集団生活を基本とする馬は、他の馬の存在に安心感を得る動物です。
しかし、子馬をコントロールする際に、
他馬と一緒にいることで落ち着かせる方法を選択することもまた、
道具や鎮静剤を用いた方法と同様、
人馬の信頼関係構築のための貴重な機会を失うことになります。
このため、「馬体検査の際に、1頭のみで駐立させる」など、
あえて人間と馬が1対1で向き合う機会を数多く設けたうえで、
確固としたリーダーシップ、
適切なオン・オフを用いながら引き馬や駐立を実施することで、
人間に対する安心感や信頼感を醸成することができるのです。
人馬が1対1で向き合うことは、信頼関係構築の貴重な機会
(つづく)