育成馬ブログ 生産編⑤(その2)
あけましておめでとうございます。
本年も育成馬ブログをよろしくおねがいします。
今回は前回の続きで、当歳馬の飼養管理の続きです。
○子馬の放牧
子馬の放牧については成長の段階に合わせて変更されていました(図3)。
生後まもない子馬は小さなパドックで
5時間程度の昼放牧から始められていました。
1週間経った子馬は中ぐらい(0.5~1.0ha)のパドックで
別の母子と2組で昼放牧されていました。
そして2週齢で放牧地を変えずにそのまま昼夜放牧が行われていました。
その後、4週齢で大きな放牧地に集団で昼夜放牧されるという流れでした。
温暖な気候を活かし、日本より早期に昼夜放牧を開始し、
丈夫な体質の馬を作るという考え方がなされていました。
図3 2週齢から早くも昼夜放牧が開始される
○米国式の子馬の引き方
生まれたばかりの新生子馬は、引き手を後ろに回し、
後躯を持ち上げるようにして歩かせていました(図4)。
一人で母子を引く場合は、母馬が右、子馬が真ん中、
そして人が左という引き方をしていました。
この方法のメリットは、
多くの人が利き手となる右手で母馬を御せることで、
なおかつ母馬を保持しながらになりますが
同じく器用な右手で子馬のお尻に合図して
前進を促すことができる点だと思われました。
図4 米国式の子馬の引き方
次回は繁殖牝馬と子馬の獣医療について述べたいと思います。