育成馬ブログ 日高⑩
○2018JRAブリーズアップセールを振り返って
4月24日に開催されました「2018JRAブリーズアップセール」には、
多数の関係者の皆様にご参加いただき誠にありがとうございました。
育成牧場の担当者としても、上場馬が多くのお客様から高評価を
いただけたことを感謝申し上げる次第です。
私たち育成担当者にとってのセール当日の騎乗供覧は、昨年秋の
騎乗馴致から約8ヶ月に亘って行ってきた育成調教の成果を披露する
場として捉えています。今年の所感としては、セール史上最速の
上がり2ハロン22.4秒をマークしたNo.12ジョンコの16(父:ノヴェリスト)を
はじめ、なかにはゴール板を過ぎて向正面までスピードを落とさずに
走り切った馬もいるなど、中山の急坂を最後までスピードを落とさずに
走り切る馬が多かったように感じています。
ブリーズアップセール史上最速2F22.4秒をマークした
No.12 ジョンコの16 (父:ノヴェリスト ご購買者:島川隆哉様)
騎乗供覧動画
https://www.youtube.com/watch?v=f0JKIzD04hs
この理由として、以前の当欄でも触れたように、昨年以上に負荷のかかる
調教を1歳時から継続的に実施できたことを一番の要因として考えています。
本年の上場馬に実施してきた調教の特徴をご紹介すると、
①負荷のかかる坂路コースでの調教回数を増やした。
②調教強度(スピード)の設定には、馬の状態や騎乗者の
感覚だけではなく、乳酸値や心拍数などの客観的データを用いた。
③長い距離を乗り込むよりも、短い距離で強い負荷をかける調教を中心に行った。
またこの他にも、BCS(ボディコンディションスコア)を最終的に
概ね5.0~5.5の範囲内にして、強い調教に耐えうる健全な馬体を
つくるように給餌量を調整してきました。
もちろん、課題もあります。
日高で育成調教した58頭のうち10頭を欠場させてしまいました。
原因の多くは運動器疾患であり種類や部位は様々ですが、
3頭が欠場に至った深管骨瘤については今後も発症馬についての
詳細な調査を重ねながら、適切な予後判定・予防・治療方法および
リハビリメニューの構築を目指していきたいと思います。
強い負荷をかけた調教を行いながら、欠場に至るような疾病を
予防することで、質量いずれも高いラインナップになるような
セールを目指して、今後も邁進していきます。
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